2015年12月20日日曜日

煩悩をこえて… 第108回 FaMReF

今回のFaMReFは郡山で忘年会併設!

はからずも、歴史深いFaMReFは数を重ね、煩悩の数 百八つに到達した。
年の瀬のフォーラムで、煩悩を滅したいところだ。

今回は、遠路 熊本と沖縄からのゲストもあり、賑やかな雰囲気での開催となった。

名前のとおりレジデントが主役のフォーラム
レジデントが日々の診療を通して学んだことや悩んだこと、つまづいたこと、思ったこと、その他なんでも共有すると、そこから指導医や同僚らの意見や、工夫していることなど、化学反応的に様々な議論へと発展する。
診療ガイドラインや、一般的な診療スキルの講義では教えてくれないような深い示唆がそこにはある。
ゲストの先生方からの感想を頂戴すると、余計にそのことを再認識するものだ!

名刺までくまモン 


年末にしてはかなり重いテーマも飛び出したが、そこは忘年会で払拭し、年の瀬で何かとバタバタしている当講座も、なんとか年を越せそうな雰囲気になってきた。

2015年12月4日金曜日

全身全霊の忘年会


熱い血潮の同僚医師曰く

「忘年会は、一年間生き延びた者だけが勝ち取れるものだ!」

続けて曰く

「だからこそ、一年間支えてくれた戦友への敬意と感謝の気持ちを込めて、全身全霊で取り組むべき!」

禿しく同意!

ということで、私も全身全霊「ハゲ」を演じます。

演じなくても「素」で大丈夫か...(泣)



2015年11月24日火曜日

キューバの家庭医 いわきで診療体験 ~家庭医療セミナーinいわき 実践家庭医塾~


2015年11月24日~25日にわたり、キューバの家庭医Niurka Taureaux Diaz先生(ハバナ医科大学准教授 家庭医療学講座主任)が、かしま病院を訪問してくださっています。
とてもフレンドリーに日本に馴染んで、クリニックかしまの診察室で模擬診察体験!

こんな開放的な雰囲気の中、今宵は実践家庭医塾です。


まず、今月いわきで地域医療を学んでいる臨床研修医からのプレゼン
時間の関係で、いつもよりもショートバージョンとなったが、ちゃんと学ぶべきことを学んでくれていたことを確認できてひと安心!


そして、本日のメインイベント
Niurka先生によるキューバのヘルスケアシステムについてのプレゼン。

社会資源としての医療者たちがどのように活動すれば、より質の高い医療システムが構築されるのか?
興味深くお話をうかがった。
医師の公的な義務年限は2年とのことで、時に外国での勤務も許されているし、中南米の各国でキューバの医師が活躍している。
割と自由に活動している様子だが、それでもなぜ成り立つのか?
国家予算における医療への優先度を高め、徹底して費用対効果を追究した管理が、いまのキューバのヘルスケアシステムを支えている。
コンサルトリオ、ポリクリニコ...地域の中で完結する医療。
キューバのヘルスケアシステムの1st.レベル(プライマリ・ケア)を支える家庭医の存在はやはり重要のようだ!

2015年11月15日日曜日

ヘルスプロモーションとは? ~第107回 FaMReF @ 福島~


錦秋の福島、小雨の中始まりました。

まずは研修医らの振り返り

学会の翻訳プロジェクトを通して歴史的なことから紐解くことで、既存の教科書以上に深い学びをしているとのこと!
翻訳は大変だけれど、楽しんでいる様子で なにより なにより...
医学の基盤や理論は、いつの時代も社会的背景に影響を受けてきた。
しかし、どんな時代でも普遍的に重要な心理・社会的アプローチは忘れてはいけないということを、丁寧に読み進めながらじっくりと噛み締めている様子だ。

小児科研修を通して思うこと...
家庭医を志す研修医のニーズにしっかり対応してもらえている様子
そして、一本 Generalist Way がしっかりと通っている小児科の先生方への敬意
子供を支える家族のパワー
生きる力...
多くの新鮮な経験ができているようだ

働き盛りでリスクがあり、生活習慣における行動変容が必要だけれど定期通院が難しいような方をどのようにフォローしていくか?
マンパワーが不足した地域ですべての方に医師が直接介入するのはなかなか難しそうだ。
産業医や保健師、家庭医らが協力し合って効率よく介入していく必要がある。
地域全体を見渡して、地域に必要なことが何なのか?を把握したり、そういった視点を持った医師がいるということを、行政の方に知ってもらうことから始まる化学反応も面白い!

こういった、前ふりからの~

本日の専攻医によるメインのプレゼンのテーマは「ヘルスプロモーション」
ヘルスプロモーションとは、人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス!
つまり、健康に関して興味・関心をもってもらい、実際に行動にうつしてもらうコミュニケーションである。
これまでのヘルスプロモーションに対する漠然としたイメージは、おかみが政策としてトップダウンで決めるものという感じだったが、実はその政策は我々の日々の活動から生まれるアイディアやニーズを活かして双方向的に決めていくべきであるということに気づくことができたようで、それがとても良かった。

2015年11月8日日曜日

第25回 福島アドバンスド・コース FACE(Fukushima Advanced Course by Experts)


いわき志塾で、いわきの中学生からエネルギーをもらったあとは、磐梯熱海に移動してFACEに合流し、ダメ押しに医学生・研修医・講師陣の熱いエネルギーを浴びてみよう!


到着すると、秋のFACE 定番プログラムになっている徳田安春先生によるフィジカルのレクチャーが佳境を迎えていた。


終わらない夜のFACE。
エンドレスでガッツリ学んでもいいし、ワイワイ呑みながら語ってもいい自由度の高い空間。


熱い学びが続く中、日付が変わってしばらくしてから寝落ちしたらしい。
ふと気づくと、午前6時すぎ!
マジか?
最後の講義がまだ続いていた…
徹夜の勉強が恒例のFACEとはいえ、記録的な長さかも

小雨の中、気分転換に温泉街を朝ランし、朝風呂を浴びて2日目へ


2日目の午前は成田雅先生による「手の診察」「福島の秋といえば『つつが虫病』」の豪華2本立て講義


午後は会津医療センターの宗像源之先生「腹痛診療の基本」


今回も、FACE講師陣の医学教育への噴出し続ける情熱と、それに牽引されて頑張る若者たちに触れることができた。
いわきに持ち帰ってまた頑張ろう!

2015年11月7日土曜日

出会いを大切に! ~いわきグローバルアカデミー「いわき志塾」~


震災のあった2011年度から公益財団法人 東日本大震災復興支援財団の「福島こども力プロジェクト」の支援を受けて立ち上げられたいわき生徒会長サミット
もともと「30年後のいわきのリーダーを育てよう!」ということで始まった企画だったが、震災直後に大多数の子供たちが一時いわきを離れたという現実に直面した時、いわき市教育委員会の先生方は「これでは未来のいわきはない」と危機感を持ち、もっともっと、「いわきじゃなくちゃダメなんだ!」と、いわきを熱く愛する若者を育てていかなければならないと痛感し、ますます熱意をもってこのプロジェクトを推進しているそうだ。
4期目に突入した2014年度から、生徒会役員でなくとも、志さえあれば参加は自由となり、いわきグローバルアカデミー「いわき志塾」と命名された。
各界で働く大人を講師に招いて、小グループ9班に分かれて、計9名の講師のうち、2名の生き様についてレクチャーを受け、次のセッションでは、インプットされた情報から得た個々の考えを、医療人2名の共通点などを考慮しながらグループ内でアウトプット。
最後のセッションでは、各グループが参加者全員に向けてプレゼンするという構造。

昨年度は講師として中学生達と絡ませてもらい、とても楽しかったのだが、この塾の講師の仕事はわたくしのような老体ではなくて、もっと若い人間に振った方がより面白い展開になる気がして、今年度は講師として家庭医療専攻医2名と看護師を紹介し、今回は高見の見物をさせてもらった。
なんて言っておきながら、結局は自分でやるよりずっと落ち着かずに逆にソワソワしてしまったが…

なにより嬉しかったことは、昨年に引き続き、参加者の中にキッズ医者の修了生を発見できたこと!
小学生から中学生になっても僕らの想いが子供の心に何かを残しているのだろうか?
やはり「継続は力なり!」である。



他の講師の先生方のレクチャーも聴講させていただき、同じ医療人でも全く違う視点を持ち、違う仕事をしていて、医療という分野ひとつ取ってみても、例えば医師という仕事に限定しても、無数の歯車が噛み合ってはじめて動くことができるということを再認識。



講師陣のレクチャーを真剣に聴いていた各班の中学生たち。
ややおとなしめの印象であったが、その後のワークでは活発に意見交換しながら受けたった情報を咀嚼してアウトプットしていく…
そして、様々な意見をリーダーが巧みにまとめる。
昨年度も感じたことだが、日頃 時間ばかり奪われながら、ちっとも役に立たない大人の会議を数多く目の当たりにしているので、「物事を決める時はこうやればいいのか~」と、あらためて感銘を受けた。

で、中学生たちが医療人からのメッセージをどのように受け取り、何を学んだかというと…

プレゼンから浮かび上がってきた彼らが医療人から受け取った共通のキーワードとして

「出会いを大切に!」

自分の人生を自分で選択することを助けてくれた人との出会い
国際交流での出会い
患者さんとの出会い
挫折に手を差し伸べてくれる人との出会い
地域の人たちとの出会い
仲間との出会い
人生を楽しめる仕事との出会い

子供たちからの力強いメッセージ。
自身も様々な出会い、今日の出会いに感謝しながら、もうひと踏ん張りしてみよう!

いわきの明るい未来を予感するいい時間となった。

2015年10月29日木曜日

高齢者に多い皮膚疾患と生活指導 ~実践家庭医塾~

今月も、臨床研修医がいわきで頑張ってくれた。 集大成のプレゼンの場。 それが実践家庭医塾!



家庭医も多くお目にかかるコモンな皮膚の問題にどうアプローチするか?
投薬にこだわらず、予防的な生活習慣の指導など、まさに痒いところに手が届くような痒みへのケアについて解りやすくまとめてくれた。
それだけでも充分ためになるプレゼンであったが、そこで終わらない(終われない)のが実践家庭医塾!
さらに、自身の経験や患者さんとの関わりを通して、皮膚病という疾患のケアという視点だけでは完結しない、患者中心の医療とは何か?を深く探ることに果敢に挑んでくれた。

 「疾患を抱えながらも、患者さんがそれを受容して笑顔になれるようにアプローチしたい」 

彼の最終メッセージに、いわきでの学びが集約されているようだ。


いわきで頑張ったあとには、必ずこういうのが ご褒美についてきます!

2015年10月18日日曜日

山河に育まれる家庭医 ~第106回 FaMReF@只見~


講座月例の家庭医療レジデント・フォーラム
県内各地の診療・教育の拠点持ち回りで開催されるわけだが、いわきから時間的にも距離的にも最も遠く風土も異なるのは・・・只見である。
せっかくの長旅なので、前泊。
会津磐梯山で有名な猪苗代も、会津若松をも素通りし、一気に奥会津へ突入!


只見川沿いの川辺の文化を感じながらクネクネ南下していくと、水清き自然首都「只見」へ


只見川と合流する伊南川の支流の中で釣り人に人気が高い澄んだ水の黒谷川のほとりを散策すると、只見を肌で感じることができる。


そして、明日の会場、朝日診療所。
新しい建物とはいえ、風雪に耐え、毎年越冬している風格がある。


夜には、地元のファカルティ、レジデントらが前夜祭的なウェルカム・パーティを企画してくれた。
会場は、これまで多くの講座メンバーや、医学生、臨床研修医、国内外からのゲストの舌を唸らせ、胃袋を満たしてきた居酒屋「もとじ」
残念ながら、今月で閉店とのこと。
名物「ユビヌキ(大動脈)」もひとまず食べ納めさせていただいた。


只見町の朝は「牧場の朝♫」の町内放送で始まる。
高地トレーニングを兼ねた朝ランも とても快適である。


さて、ようやく本題のFaMReF開始

本日、町内で駅伝大会が開催されるなどご多忙の中、目黒吉久町長さんがご挨拶に駆けつけてくださった。当講座の診療・教育活動に深いご理解とご協力をいただきありがたい限りである。

本日の研修医の振り返りでは、様々なテーマが挙がり、議論が膨らんだ。

外国語の名著をいかに活用しやすい形で日本語翻訳するか?
文化や背景が異なると、直訳しても著者の意図は理解できないことは多いが、過度に意訳してしまっても正確には伝わらない。
語学力だけでは成し得ない、患者中心の医療の方法を深く理解した者にしかできないプロジェクトであることを再認識し、レジデントはその責任と役割を自覚した様子だった。


診療外に医療相談を受けたらどうするか?
それは、職員かも知れないし、家族かも知れないし、知人や行政の方かもしれない。
個人的には、勤務中であろうと、プライベートであろうと、医療資源として気軽に利用してもらいたいという思いが強い。
しかしながら、それが通常診療の妨げになってはいけないし、プライベートを侵食するものになっても困る。
だから「勤務以外の医療相談は一切応じない」と決めてしまうという方法もあるだろう。
でもそれでは、地域に生き、地域で働くことができる医師の育成に携わる者としては、とても寂しく物足りなく感じる。
当講座で学ぶレジデントには、そこのところをバランスよく対応できる人材に育ってほしいと強く思う。


多忙の中、どうやって振り返りの機会を確保するか?
人材が潤沢でない現状の切実な問い。
しかし、そんな中でも逞しく学び育っている先輩・同僚からの具体的なアドバイスの数々は、きっとマニュアルのない世界なんだろうと思う。
「忙しい」を言い訳にしない質の高い診療・教育の場を構築していけるように、現場で自身のゼンマイのネジを巻いて無い知恵を絞ってみよう。

患者本人への癌告知を拒む家族・・・
未だ日本では多いシチュエーション。
もちろん、必ずしも告知するのが正しいとは限らないけれど、主治医として告知がケアに有用と判断される場合に、そのことを上手に家族に伝え、理解していただけるかは根気強い関わりに尽きると思う。
そして、もしも どうしても告知に至らない場合でも、個々の条件下で可能な限り患者中心であるように、あきらめずにマネジメントを続けていくことが、私たちに求められることなのだろう。


それにしても、会場の窓から見える景色には、いちいち癒される。
まるで切り取った絵画のようである。
そして、差し入れのトマト!
形がいびつで売り物にないもの ということだが、とても甘くてシャリッという歯ごたえがたまらない。


本日のメインの振り返りのテーマは、高齢者総合的機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)をいかに診療に活かすか?というもの。
ともすれば、CGAを行うことが目的になってしまいがちだが、CGAがケアの内容を決定するための有効な判断材料になり、その結果が良いものになってこそ意味がある。
現場での疑問をもとに、CGA自体を批判的に吟味することも重要であろうという議論にまで至った。
いずれにしても、高齢者を総合的に機能評価してみよう! という発想は、高齢者のケアにおいて絶対に必要なプロセスであると思う。そこには必ず多職種連携への道筋が付帯してくるし、疾患への単なる医学的介入だけでは決して太刀打ちできない近道のない世界が存在することを教えてくれるから・・・

診療所から見える浅草岳

さて、一泊だけでは堪能しきれない只見。
参加者の安全な移動を考慮して冬場のFaMReF開催は自粛されているが、個人的に今度は 冬(豪雪)の只見を訪れてみたい。
(丸坊主なので実際は無い)後ろ髪を引かれながら只見をあとにした。

2015年10月4日日曜日

連携して取り組む ケアの質の向上 ~第5回 日本プライマリ・ケア連合学会 東北ブロック支部 学術集会 in ふくしま~



2015926日・27日の2日間
5 日本プライマリ・ケア連合学会 東北ブロック支部 学術集会が、福島市で開催されました。
まだまだ歴史が浅く、来年度でようやく東北6県ひとまわりとなる小ぢんまりとした地方会ですが、今回は初の試みである一般公開講座も企画され、その参加者も含めると過去最大の200名規模の催しとなりました。
西日本や首都圏・北海道等に比べると、東北地方でのプライマリ・ケアにおける診療・教育・研究は、質・量ともに発展途上ではあるけれど、それだけに敢えて東北の地でこの分野で活動を続けている人間は、良い意味で変人で熱くて萌えている気がします。

さて、今回のメインテーマは「連携して取り組む ケアの質の向上」ということで、多職種連携をテーマにしたシンポジウムが用意されました。
シンポジウム「のぞいてみよう、他職種のアタマの中 〜考え方の違いをケアに活かす〜」
多職種が円滑に連携していくためには、まず他職種の方の思考回路を理解しつつ、互いの発想の違いを活用して、単職種では見出しにくい突破口を探す必要があるだろう。
ということで、このシンポジウムは、各シンポジストが、自職種が何をどうアセスメントしているかを解説し、他職種への要望を伝えていく形式で進められました。
医師の視点だけでは気付かない多くの示唆を与えていただけて、とても学びが多かったです。
特に印象的だったのは、認知症のケアにおいて、ただ単に介護保険で利用できるサービスを提供するだけでなく、認知症をきっかけに、患者さん本人の能力や役割を見直し、家族機能を再構築するチャンスと捉えるという地域包括支援センターの方からのメッセージでした。
ところで、多職種連携における医師の役割とは何でしょう?
もちろん、医師には「医学的追求」という役割があります。
しかし、実際のケアにおいては、その「医学」を「医療」に変換しなければなりません。
武見太郎氏の『医療とは医学の社会的適応である』という名言のとおり、医師には「医学的追求」だけでなく、患者が置かれた個別の家族・背景などの社会的事情をも考慮して「医学を社会的に適応させる(ほどよい医療を提供する)」という大切な役割があります。
ここには、常に不確実性が付きまとう中での総合的な判断力が求められ、マニュアルやガイドライン通りにやれば良い単純作業ではないので、医師は何年やっても全く飽きませんし、いつまで経っても学びと反省の日々です。

熱い集会は懇親会でヒートアップしていきます。
司会を仰せつかったものの、迷司会で困ったものでしたが、皆さん勝手に盛り上がっていただけたので、良しとしましょう。
その証拠に、わたくしも含め、どう見ても若手とは言えない人間も多数若手の二次会に参戦し、プライマリ・ケアの教育への熱い想いを共有し、「東北でプライマリ・ケアを充実させるためには?」という作戦会議をしたりしていました。






2日目は、市民向けの一般公開講座の設営と司会を仰せつかりました。
「あなたやあなたの家族が病気になったらどうしますか」
福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 主任 葛西龍樹 教授から、プライマリ・ケアの教育が立ち遅れた日本の歴史と現状を踏まえ、総合診療専門医の紹介、医療の賢い利用の仕方などが解説され、身近でありがちなエピソードを交えた分かりやすい説明に、方々で、時に「ある、ある」 時に「うん、うん」とやわらかい空気が流れていました。



 2日間を通して、細々ではあるものの芯は強く確実に、そして熱い努力を続けている同志と触れ合うことができたことが、なによりの収穫でした。
まだまだ道は険しくても、拓いた道は必ず役に立ち、後から来る人が道を拡げていくことでしょう。
かつては田んぼの畦道だったという鹿島街道が、気づけば4車線の幹線道路になり、スタバを招くことができるようになっていたように…

2015年9月26日土曜日

第2回 いわき市がん哲学外来カフェ


「第2 いわき市がん哲学外来カフェ」を開催します。
 
日時:平成271010日(土)14時~17
場所:社団医療法人養生会 かしま病院 コミュニティーホール
がんと共に歩んでおられる患者さん、ご家族、ご遺族、近隣の皆様、ご興味のある方なら、事前のお申込みを頂ければどなたでも参加できます。
リラックスして対話できる空間です。
お飲物を用意してお待ちしています。
 
申し込み・問い合わせ先
社団医療法人養生会 かしま病院 地域医療連携室
TEL0246760350
FAX0246760352
 
主催:いわき市医師会
後援:一般社団法人 がん哲学外来


2015年9月13日日曜日

秋の郡山で… ~第105回FaMReF~

今月は、当講座の研修協力医療機関である星総合病院の研修室をお借りしてのレジデントフォーラム開催
真新しくて巨大で立派過ぎる施設で、初潜入の参加者たちは皆迷子に・・・



さて、さっそくレジデントの振り返り開始!
レジデント個々から様々な報告や相談が持ち掛けられた。

継続的なケアにより、患者さんに自身のケアに主体的に関わってもらえるようになり、患者さんとの距離が縮まってきたことを感じるというレジデント。
地道な関わりが成果をあげている様子を報告してくれた。

一方で、ローテイトにより比較的短期で担当が変わる研修医という立場で、いかに責任をもって継続的なケアを提供していくか?という課題を挙げてくれたレジデントも・・・

医療施設をあげて禁煙の啓発に取り組んでいるというレジデント
掲示用の診療所新聞の作り方戦略などをみんなで議論

新規に電子カルテ導入する施設のレジデントに、先行導入施設の医師からの実体験に基づくアドバイス

心臓超音波などの技術研修の後の結果の解釈と活用できる医師としての能力を磨きたい

リスクが多い高齢独居の患者さんとのケアで、いかに予防的観点から対策を見出していくか?

患者さんニーズと、医学的ニーズとのミスマッチをどのように埋めていくか?
例えば「薬だけもらえればそれでいい」という患者さんに、いかに患者さんを想っているというメッセージを暑苦しくなく上手に伝えていくか?

多くの疑問に、アドバイスとして実診療における多くの工夫が紹介され、とても学び多い振り返りとなった。



さて、本日のメインプレゼンテーションは、専攻医2年目の豊田先生による「メンタルケアの根っこ」
患者の苦しみの気づき認める
病気が持つ患者にとっての意味を理解する
患者が必要とする時間にそこにいる
患者に希望を与える
こういった癒す者としての医師になれるよう、事例を通した深い省察が示された。
特に、情熱ある若い研修医ほど、(見かけ上)何もしないということは、時に難しい。
しかし、敢えて積極的に「待つ」という行動、つまり「未介入」ではなく、「準備を整え、介入の機にそなえている」ことが、介入困難な問題に対して適切なタイミングで適切なケアを提供するために強力な武器になるということを再認識した。