2017年9月28日木曜日

福島県いわき市×山本雄士ゼミ

 2017923日~24日、医師不足をはじめとする諸問題に真っ向から取り組んでいるいわき市の熱意が結集し、ついに山本雄士ゼミのいわき開催が実現しました。
ゼミを主催する山本氏は、1999年東京大学医学部を卒業後、循環器内科、救急医療などに従事されたのち、2007年ハーバードビジネススクールを修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役。厚生労働省保健医療2035推進参与に就任。過去には、内閣官房医療イノベーション推進室 企画調査官などを歴任。ヘルスケア全体のシステムマネジメントを中心に、国内外での政策提言や数多の講演活動で大変ご高名な方です。「医療からヘルスケアへ」をご自身のミッションに掲げ、「医療は病気になってはじめて関わるもの」という考え方を転換し、人々がより長く健やかでいられるケアを、社会全体にシステムとして浸透させるために日々精力的に活動されています。
医療の質と量とのバランスの取り方、制度の持続性、医療機関の経営や労働環境の改善等、複雑かつ多くの課題を解決していくためには、医学にとどまらない知識とスキルを持った人材が、これからのヘルスケア業界をリードする必要があると山本氏は考えています。山本雄士ゼミは、こうした人材を育成すべく20115月にスタートしました。以来、月1回のペースで、ハーバードビジネススクールで実際に使われているケースを用いたケーススタディーを行っています。参加者は、山本氏のファシリテーションと参加者同士のディスカッションとを通じて、ケースに対する理解を深め、自らが見出した問題点と解決策を具体性をもった戦略へと昇華させていきます。また、ケースを通じて医療業界の基本構造や経済の原理原則等を学ぶほか、マネジメント手法や医療における自身のキャリア設計にも役立つ知見を得ることができます。医療に限らず幅広い分野や多様な世代からの参加も当ゼミの特徴で、業界・世代を問わず多くの方々が学び、仲間と出会い、刺激しあう場として毎回エネルギッシュな議論が繰り広げられているようです。

さて、前置きが長くなりましたが、ゼミ当日は医学生を中心とした20名の精鋭たちが全国からいわき市に集結し、これまでいわき市を知らなかった“よそ者”目線かつ若者目線で、いわき市の現状を全力で体感し、本気で考えてくれている情熱がビシバシ伝わってきて、とても嬉しくなりました。特に感銘を受けたのは、山本氏がゼミ生たちに「いわき市の人たちの生の声から何かを感じ取って欲しい」というメッセージを繰り返し送っていたことです。現場から施策を創出しようという姿勢に心を打たれました。そして、山本氏による講義やケーススタディー、グループワークは、一貫して、理念やお題目にとどまることなく、目的を達成するために誰が、いつまでに、何を、どのように、という具合に、具体性を持った行動目標へ落とし込んでいくものでした。今回のゼミから飛び出したアイディアは、即座に市医師会長や地域医療課の担当者らへの具体的かつ実現可能な指示へと変換されていきました。日頃よく経験する○○を語る会とか、△△連携会議とか、顔の見える☆☆とか、有能な人財が雁首揃えて時間と労力を費やして一堂に会し「これからみんなで頑張っていきましょう!」ということで、その都度和気あいあいとした雰囲気で終了するけれど結局何も進まない種々の会議体にウンザリしていた私としては、当ゼミは激しく共感できる心地よい空間であり、医学教育や地域包括ケア、都市計画に携わる身としてお手本とすべきものでした。


2017年9月24日日曜日

自由な語りに極意あり ~第125回 FaMReF@保原~

今月の家庭医療レジデント・フォーラムは保原中央クリニック家庭医療科での開催
レジテントの日々の経験からもたらされる学びの機会
診療、教育、研究それぞれについてバランスよく問題点があぶり出されるが、はからずもキャラがあまり被らない感じにバラついた個性豊かな指導医陣らが、それぞれの立場でコメントを挟んでくる
メンバーが入れ替わりながら、発想の坩堝へと成長してきた当講座の歴史を感じる
日頃直接ディスカッションできないメンバーと月1回直接会える機会は大事にしたい