2017年3月18日土曜日

羽ばたく10の翼 ~第121回 FaMReF~

今年度、当講座は5名の精鋭達を福島産の家庭医として世に送り出します。
10の翼がそれぞれの色をのせて羽ばたいてゆきます。

今日のFaMReFのメインプログラムは、専攻医 第8期生らの研修修了記念講演です。
一人ひとりがそれぞれに真摯に家庭医療に向き合い追究し続けた福島での3年間を振り返り、渾身のプレゼンテーションをしてくれました。
これから専門医を取得していく彼らですが、その後も生涯にわたって家庭医として自ら学び続ける準備が整ったことをプレゼンテーションを通して確認することができました。
みんながそれぞれの強みをこれからもどんどん伸ばして成長していくのが楽しみです。


















2017年3月16日木曜日

拡がる院外看取りの輪 ~実践家庭医塾~

今宵の実践家庭医塾は、研修医からの事例報告だけでなく、家庭医療に興味を持って長年参加してくださっている塾生の先生からの事例報告がありました。
患者中心の医療の方法の実践を通して、終末期の栄養管理についての意思決定と院外看取りを支援した貴重なヴァージンケースを発表していただきました。とても嬉しいことです。
これからの多死社会にむけて訪問診療の充実に取り組んでいる当地で、院外看取りの輪をますます拡げていきたいと思います。
そのためには、互いの不在時にカバーし合えるネットワークの構築が不可欠です。
所属法人では、介護施設を中心に訪問診療のチーム化や、訪問診療導入時の終末期の意思決定確認の標準化を図っています。
その結果、院外でのお看取りとなる患者さんの数が増えています。
この取り組みを続けることを後押ししてもらえるようなプレゼンでした。

専攻医によるプレゼンのテーマは「家族志向ケア」
服薬アドヒアランス不良で入退院を繰り返す認知症の高齢者に対し、家族の状況を見直し、家族カンファレンスを通して家族がケアのパートナーとして機能できるようにマネジメントした結果、再入院を抑制することができた事例でした。
家族カンファレンスは、家庭医にとって外科医の大手術に相当します。
周到な準備と事前のシミュレーションが必要であると同時に、実際に家族カンファレンスが始まると、良くも悪くも事前のシナリオが裏切られること数知れずです。
この予期せぬ事態に臨機応変に対応し、最良のマネジメントを紡いでいく・・・
ここが家庭医の腕の見せ所であり醍醐味でもあります。