2018年6月14日木曜日

動機づけから始まるプライマリ・ケア ~実践家庭医塾~

今宵の実践家庭医塾のメインプレゼンターは、慈恵会医科大学附属病院 臨床研修医
大学から離れ、プライマリ・ケアの現場に出ることで気づいたこと
それは、患者さんの意識の違い…
高度な先進・専門医療を要する状況を、あらかじめ理解・認識して受診する大学病院とは異なり、プライマリ・ケアの現場では、二次健診など時に健康問題意識が全くない段階での受診されるか方も散見されます。
そういった点への気づきを契機に、動機づけ面接について学んだことをまとめてくれました。
豊富な臨床経験を持つフロア参加者からも、それ自体が治療・介入的側面をもつ動機づけ面接に対して支持的な意見がでました。
それは、患者さんに内在する動機を呼び覚まし、行動変容をサポートするという手法そのものが、患者中心の医療の方法そのものだからだと思います。



2018年6月6日水曜日

嘘も100回言えば真実になる(笑)


表1

表2


 誰も信じなかった真実を、常識に変えたい! 

 社団医療法人養生会月刊発行新聞かしまHOThot通信編集部から依頼を受けて、20097月号から気ままに執筆を始めたコラム「ようこそ家庭医療へ!」も、20186月号で記念すべき100回目を迎えました。有名なフレーズ「嘘も100回言えば真実になる」は、ナチスのヨーゼフ・ゲッベルスによるプロパガンダを語るときによく引き合いに出されます。例え間違った内容のことでも同じことを何度も耳にするうちに、人はやがてそのことが本当であると信じるようになる現象があることがさまざまな研究から明らかになっています。「家庭医療は重要である」という私の訴えに何の嘘・偽りもありませんが、100回繰り返したことで、読者の皆さんが家庭医療に対して何らかの良いイメージを抱くようになっているとすれば、まさに私の思う壺なわけです(笑)
 さて、100回と言えば、今年85日に開幕する全国高校野球選手権(夏の甲子園)も、第100回記念大会を迎えます。その応援ソングが、人気男性アイドルグループ「嵐」の新曲「夏疾風(なつはやて)」に決まりました。作詞・作曲を担当した「ゆず」の北川悠仁さんからのコメントの通り、高校球児たち、そして多くの皆さんの夢が、「夏疾風」によってこの夏、輝くことでしょう。
ここで私見を述べると、日本の家庭医は国民から愛され続けている存在の代表格とも言える嵐を目指したらいいと思います。勿論、国民的アイドルである嵐と家庭医を同じ土俵で扱うつもりはありませんし、表1のごとく知名度も実績もファンの数も、何もかも差は歴然です。しかしまだ確立していない分野を切り拓こうとしている日本の家庭医たちは、患者さんの健康にとって有益であると考えれば、仕事の内容も患者も選ばずに日々行動しています。表2の通り何よりも大切な国民の幸せを願う「でっかい愛とか希望」の探求心だけは嵐の5人に負けません。未だ希少な家庭医ですが、日本中どの地域でも家庭医が活躍し、すべての国民がその恩恵を受けられる社会の到来が楽しみです。

2018年5月27日日曜日

ほんとの空のもと、大学・大学院の役割を再考してみた ~第133回 家庭医療レジデント・フォーラム @ 福島県立医科大学~

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医大での家庭医療レジデント・フォーラム参加のために、快晴のほんとの空を眺めながらの、いわき→福島への移動…安達太良山が美しい!

冒頭の中村光輝先生渾身の指導医レクチャーの中の格言「臨床研究にとって最も重要なのは、臨床上の疑問と研究デザイン」
専攻医開始時に大学院進学は100%ないと考えていた彼が、研修修了時には100%大学院進学したいという真逆の考えにたどり着いた経緯を分かりやすく解説してくれました。
殊に、プライマリ・ケア領域の研究においては、第一線の臨床医ほど有用な臨床上の疑問にたどり着くことができる…つまり、良い研究者になることができる!
そのことを再認識し、アイディアあふれる研究に取り組みたいと思うことができる素晴らしいセッションでした。


専攻医によるポートフォリオ検討では、認知症末期の栄養管理に関する方針決定において経験した本人の意思を尊重するプロセスについての学びが示されました。
終末期の意思決定は、患者本人はもとより、家族・背景、社会状況ぜーんぶをひっくるめた配慮が必要なので、患者中心の医療の方法実践の集大成の場だと思います。

続いて、講座の女性専攻医が企画し、女性医学生を対象に開催したプライマリ・ケアの勉強会「プライマリ女子の会」の活動報告
女性の家庭医としてのキャリアや日常を身近に感じることができる機会は、女性の医学生にとってとても興味深いようで、多くのライフイベントに実際にどのように向き合ってきたか?についての生の体験談を共有し、まずは知ってもらい、安心して進路を選択してもらえるような企画に発展することが期待されました。

女子会企画に引き続き、午後もリクルート関連の指導医レクチャー
企業秘密的な部分があるので詳細はひかえますが、まずは私達一人ひとりが、それぞれのフィールドで誰にも負けない何かを見つけ追究することが、選ばれ生き残るための道標になると思いました。

大学開催ということで、かな~りアカデミックなムードで展開し、日頃の臨床を見直す良い機会となりました。


2018年5月17日木曜日

きめ細やかな個別ケア ~実践家庭医塾~

今宵の家庭医塾は、初期研修医と指導医から2本立ての発表!

研修医からは、ジェネリック医薬品に関する話題提供がありました。
日頃あまり深く考えていなかったテーマですが、諸外国に比べてジェネリックがあまり普及していない事情・事由が示され、小グループ・ディスカッションは大いに盛り上がりました。
あらためて考えてみると、確かに日本の制度内では患者さんが、ジェネリックのメリットを実感・理解しにくいし、そこまでお得感を得られないかもしれません。加えて、安全性を検証するシステムや有害事象が発生した場合の補償体制も不十分に感じます。
そもそも医療費削減が目的であれば、特許切れと同時に先発品の薬価自体を下げれば良いのでは? など、様々なアイディアが飛び出しました。
いずれにしても、一律に物事を進めるのではなく、患者さん本人と医師の考えをバランスよく考慮し、個別のケアが重要であるということ、つまり、ジェネリックの問題ひとつとっても、私たちがいつも大切にしている患者中心の医療の方法の実践につながっていくことを再認識しました。

続いて、専門医試験の準備でケツカッチンなスーパー・ドクターF(SDF)から、徐々に死期が近づきつつある不安定な状態の高齢者の意思決定の支援のおなはし…
いわずもがな、高齢者のケアにおいては、悩みどころ満載で、考慮すべき要素が多いこと多いこと…
そこは いぶし銀レベルのSDFですので、Jonsenの4分割法などを活用しながら、独居の終末期という、自宅への退院が かな~り絶望的な状況にも関わらず、ご本人の意向を見事かなえる形での在宅ケアの導入!
安定の問題解決能力を発揮した過程と結末が示されました。

2018年4月21日土曜日

春爛漫の桃畑を抜けて ~第5回 PEACH!!~

早くも第5回を迎えた PEACH!! は、県北の公立藤田総合病院での開催。
快晴の中、せっかく桃の里でのお勉強の機会なので、先ずは地域風土の視察から…
阿津賀志山~白石市往復の18㎞ラン!
春爛漫の桃畑を抜けて、猿の群れを目撃しながら 延べ標高差350mの登山ランに、わたくしの筋肉は喜んでいました。


冒頭に、症例検討とポートフォリオ検討が1事例ずつありました。
前者が議論のフォーカスが傷病中心であるのに対して、ポートフォリオ検討では学習者(事例報告者)の成長の過程が議論の的となります。
同じイベントの中で連続して行うことにより、ディスカッションを通して両者の違いが浮き彫りになり、学習者中心の医学教育の充実のためにも、学習手段としてのポートフォリオの有用性を再認識し、更に有効活用していきたいと思いました。


次に、英国ロンドンから英国総合診療医・指導医の Will Brook 先生による特別講演。
「Images of Primary Care」と題し、London の Welcome Library や New York の The Burns Archive などに収蔵されている、医療に関する古い写真を紹介しながら、世界の医療、プライマリ・ケアの歴史についてお話いただきました。
存在そのものが癒す力をもつ家庭医によるケア、患者中心の医療の方法の奥深さをしみじみ感じる時間となりました。

最後のセッションは、福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 北村俊晴先生によるワークショップ「すぐできる!エビデンス検索」データベースからの情報検索
短時間で必要な情報にたどり着くための「コツ」、英語が苦手な人でも大丈夫な二次資料のワンランク上の使い方が紹介されました。
情報検索に不慣れな臨床研修医の皆さんでも、ていうか、だからこそ、やってみると色々発見があったようで、先ずはデータベースとお友達となって、毎日触ってみて、自分なりの裏技を見つけたりするのも上達のコツかと感じました。

福島県内の総合診療医育成のための5つのプログラム。
今後、それぞれが益々コラボして、より良い学習の場を提供していけたら良いと思います。






2018年4月19日木曜日

“コネ”と 医の倫理 ~実践家庭医塾~

今宵の家庭医塾では、冒頭、昨年度末に晴れて専攻医を卒業した藤原学先生に、プログラム責任者の葛西教授から、研修修了証書が贈呈されました。
これからは指導医として益々ご活躍いただきたい、というよりも、既に早速そのような手腕を発揮されているので心強い限りです。


次に、理事長ご自身から、超高齢・多死社会を見据えた、未来のニーズに応えられる面倒見の良い病院を目指していく かしま病院のビジョンが語られ、付随してAdvance Care Planningのあり方や、それを取り巻く世間体などのディスカッションで大いに盛り上がりました。

最後に「“コネ”と 医の倫理」と題して、久々にわたくしがプレゼンを担当しました。
身近な人、家族、自分自身、VIP、たまたまネットで繋がった方などに対して、医師としてどのように関わるべきか?
皆さんの豊富な実体験をもとに、様々なご意見や工夫、対策を授かり、大変勉強になりました。

2018年4月15日日曜日

海外ゲスト&新人歓迎! 第132回 家庭医療レジデント・フォーラム@かしま病院

今年度も新しい専攻医をかしま病院に迎え入れることができました。
今回の家庭医療レジデント・フォーラムは、新人オリエンテーションを兼ねた内容でした。

また、すっかり葉桜になった鹿島千本桜がある矢田川沿いで「かしま ふれ愛 さくら祭り」が行われていたので、昼食の食料ゲットをかねて皆で繰り出しました。

午後には、英国から訪問している家庭医 Will Brook先生からのプレゼンもありました。
家庭医は、患者さんと最初にコンタクトして診断や治療を施すだけでなく、継続的に関わり、ずっとそばにいることで存在そのものが癒しになる。
プライマリ・ケアや家庭医の歴史を物語る多くの写真を用いて、そういった感じの心意気を語ってくれた。ような気がする…