2017年8月27日日曜日

ほんとの空に下で学ぶ“家族” ~家庭医療 サマー・フォーラム in ふくしま~


天気に恵まれて、安達太良山の山頂の乳首まできれいに望める爽快な週末
二本松の岳温泉を会場に、泊りがけで家庭医療のディープな世界を学ぶ 家庭医療サマー・フォーラム in ふくしま が開催されました。
今年のテーマは“家族”


初日は、ライフワークバランスを考えることを通して、医師自身の家族について深く学びました。


家庭医は夜つくられる…
大量の酒が見る見る消えていきました。


安達太良高原の朝ランは気分爽快でした。


2日目は、患者の家族にフォーカスした家族志向ケア!
カオスな家族カンファレンスのロールプレイの経験は生涯忘れることが出来ないでしょう。

2017年7月29日土曜日

医学生を対象とした「いわき地域医療セミナー」

福島県内では、福島県の地域医療に興味のある全国の医学生を対象に、地域医療体験研修を開催しています。地域医療への理解をより深めてもらえるように、県内各自治体や各地域の医療機関が主体となって、地域医療の現場を実際に「見て」「聴いて」「感じる」ことができる企画です。県内の病院・診療所の見学、医療従事者との意見交換、地域住民との交流など、各地域の特色を活かした、他では体験することができない研修を目指しています。
いわき市でも2015年度から「いわき地域医療セミナー」と称し、地域医療体験研修を開催していますが、実は、いわき地域における昨年度までの研修内容は、いわき市立総合磐城共立病院を中心に展開されている急性期の高度先進医療の見学を中心としたものでした。でも「それって大学病院で学んでいる医学生にとって、きっと日常と大して変わり映えのない世界だよね~」と個人的に思っていました。
しかし、今年度からは参加者のみなさんに、より広く包括的にいわきの医療の全貌を理解してもらえるよう内容が一新され、訪問診療や地域包括ケアに積極的に取り組んでいる当法人も当研修プログラムに組み込んでいただけることになりました。しかも、地域医療の充実にテコ入れをしている福島県立医科大学では、この地域医療研修を今年度から3年生の必須プログラムとして位置付け、医学生たちが地域医療の実情を深く学べるように配慮しています。その結果、7月から9月にかけて計4回、23日のプログラムに延べ47名の医学生たちがエントリーしてくれました。
「いわきの地域医療を学ぶために当院での研修で提供出来ること…。それは、良い意味で若者の夢を打ち砕くこと!」研修の受け入れに際し、そんな悪巧みを思いついた変人(わたくし)のいたずら心に火がついたことは言うまでもありません。日進月歩、華々しい進歩をとげている医療技術。しかしながら、超高齢社会の波の中、現代の高度先進医療を駆使しても解決し得ない、老衰や認知症などの終末期の患者さんは急増しています。看取りを前提とした超高齢者のケアこそ、この機会に若き医学生に敢えて考えて欲しいテーマである。という結論に達しました。
さて、実際の研修では、参加者の学年が若いこともあり、なるべく患者さん目線から訪問診療を見て欲しいと考え、各参加者にマンツーマンで担当患者さんを割り振らせていただきました。ほとんどの方が85歳以上の超高齢者です。診察を待つ間に「医師に何を期待するか?」などの“患者さんの想い”を聴き出すという無理難題的な課題を与えました。ところが、驚いたことに、多くの医学生たちは私たちの日常診療では語られていなかった患者さんたちの物語を見事に聴き出してくれました。常日頃から患者さんの背景を深く理解しようと努めていても、まだまだ不十分であることを再認識することが出来ました。学生さんたちには「学年が上がり卒業して医師になっても、患者さん側から見える風景と医師側から見える風景は違うということを認識して行動して欲しい」というメッセージを贈りました。診察の後、一通りの振り返りを終えたところで学生さんたちに「今日出会った患者さんたちの10年後は?」と、敢えて意地悪な質問をぶつけました。その時の皆さんの表情は忘れられません。まさに一同「そんなこと(患者さんの死について)考えていなかった」という感じでした。私は「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師になって欲しい」と続けました。

「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師が絶対的に足りない」というのが私の持論です。逆に、そのような医師が充足すれば、2030年の超高齢多死社会問題は一気に解決します。その実現ために日々活動している私たちの姿を、見て、聴いて、感じてくれたなら、このセミナーは大成功です。学生さんたちが何を想い、いわきを後にしたのか?気になるところです。



2017年7月15日土曜日

薄磯海水浴場 7年ぶりの海開き

津波で壊滅的な被害を受けた薄磯海水浴場
本日、7年ぶりの海開きでした
背後に控えるスーパー防潮堤が、何か切ないですが、、、
震災直後は「海が怖い」と小名浜港にすら近寄りたがらなかった息子が 波と戯れる姿を見ると、自然の偉大さを感じずにはいられませんでした
日本のハワイ(いわき)の裏ダイアモンドヘッドは勇壮!
ものほんの湘南と異なり、東北の湘南(いわき)は基本すいているのでお勧めです







2017年6月29日木曜日

いわき市地域医療を守り育てる基本条例

いわきの医療はまさに危機的事態に直面しています。医療は、電気・水道・ガスなどのライフラインと同じように、市民生活に欠かせない必須のものです。これがなければ高齢者はもちろん、出産・子育てを控える若い世代が安心して住み続けることはできません。しかしながら当地いわきでは、震災前から医師のいわき市外への流出が続く一方、外部から赴任した医師がいわき市に定着しないという事象が発生していました。そして、その医師不足という現実が、震災後に一気に顕在化しました。医療従事者が流出する中、大規模な避難、廃炉・除染作業員の受け皿となった当地の医療需要は高まり、更に過酷になった医療現場は、疲弊した医療スタッフの流出という悪循環を生んでいます。
この事態を打開するためには、いわきが「医療・介護スタッフが働きたい場所」として、日本全国、更には世界中から選ばれる街に生まれ変わる必要があります。つまり、住民が、いわきで働く医療・介護スタッフをプロフェッショナルとして尊敬し、医療・介護スタッフが地域に溶け込めるようなサポート体制を整えることが重要です。
このような状況下、いわき市新条例が、2017年6月の市議会で可決されました。この条例は、救急医療をはじめとしたいわき市の地域医療が置かれている厳しい状況について、市や医療機関だけでなく、市民の皆さんにも充分に認識していただき、それぞれの立場で課題解決に取り組むため、市、市民及び医療機関が果たすべき役割を明らかにし、相互に連携・協力して、地域医療を守り育てるための様々な活動を行うことにより、将来にわたり、市民が安心して良質な医療を受けることができる体制を確保することを目的に制定されました。
条例では、地域医療を守り育てるための、市、市民及び医療機関の役割を明らかにしています。市の役割は、救急医療体制の維持及び強化、医師の確保、保健や福祉との連携などの基本的施策を策定し、実施すること。市民の役割は、かかりつけ医を持つこと、受診に当たっては、医師などの医療の担い手に信頼と感謝の気持ちを持ち、その指導と助言を尊重すること、夜間又は休日の安易な受診をしないことなどに努めていただくこと。医療機関の役割は、患者の病状に応じた機能分担と連携により地域医療を充実させること、患者との信頼関係を築くこと、保健や福祉との連携を図り、在宅医療に取り組むことなどに努めることと明記されています。
このような内容の条例は東北初だそうです。この条例は、いわゆる理念条例であり、罰則規定はありませんが、「オールいわきで危機を好機に変えよう!」という意識づけに寄与し、それぞれの立場で課題解決に取り組むきっかけになれば良いと思います。

2017年6月22日木曜日

「秀樹 感激!」ならぬ「龍樹 還暦!」 ~実践家庭医塾~

今日の家庭医塾では、臨床研修医からは、超高齢社会にふさわしい「せん妄」をテーマに学びの経験を発表してくれました。
専攻医は、さすが、家族の力というものをあらためて実感させてくれる事例を紹介してくれました。
また、スペシャルゲストとして、英国の医学生Sheffield大学5年生のJemmaさんが登場!
英国の医学教育についてプレゼンしてくれました。
彼女は、ハイテクな医療・介護ロボットを視察するために、日本を訪問しました。
当日、癒しロボットと出会えて幸せそうでした。

家庭医塾終了後には、Jemmaさんの歓迎会と研修の慰労会を行いました。




実は・・・
家庭医塾のために毎回 遠路いわきまで駆けつけてくださる葛西龍樹教授が、来月めでたく還暦をお迎えになります。
まさに、ハウス バーモントカレーでおなじみの「秀樹 感激!」ならぬ「龍樹 還暦!」状態なのです。
というわけで、いわきが誇る似顔絵ケーキで盛大なサプライズを仕込んでみました。
葛西先生にとても喜んでいただけた様子(多分)で、よかったです。

2017年6月4日日曜日

朝ラーの香り漂うレジデント・フォーラム ~第123回 FaMReF@喜多方~

 麺なしラーメン、ではなく麵が見えない肉の量
 久々の朝ラー体験「ごちそうさまでした」


今回は喜多方開催ということもあり、開会前に名物の朝ラーにチャレンジした参加者が、確認できただけでも6名以上いました。
大変おいしくいただきました。
本日のメイン・プログラムは、いわきチーム2名の専攻医によるポートフォリオ検討でした。
終末期とメンタルヘルスの2領域からの発表でしたが、共通する教訓としては、個々のコンテクストに寄り添った対話を繰り返し、患者さんの理解の程度や受容の段階に合わせて、共通の理解基盤を見出し、それにもとづいて実現可能な目標を設定していくことが、より良いケアのために大変重要な役割を果たすということでした。
そりゃあ、あたりまえと言えばあたりまえの事なのですが、実例を通して再確認し、その都度生まれる改善の余地を見出して、成長していければ良いのだと思います。

2017年6月1日木曜日

今日から始めよう! プライマリ・ケアに役立つ診断学 ~いわき市休日夜間急病診療所開所記念セミナー~


今宵は、まさに新築移転オープン当日をむかえた いわき市休日夜間急病診療所(休夜診)の開所記念のセミナーの講師のご依頼をいただき、お話しさせていただきました。

いわきの一次救急医療を支えるべく、休夜診での診療協力に新たに手上げしてくださった多くの先生方がおられます。その志に敬意と謝意を表します。
一方で、協力医師の標榜科は様々ですので、診療に参加するにあたって「時間外診療のスキルを学びたい」という熱心な声があがり、医師を対象としたセミナーが随時企画されています。
初回のテーマは小児科で、2回目の今回は診断学、次回は妊産婦への対応などが予定されているようです。

本日は、「今日から始めよう! プライマリ・ケアに役立つ診断学」と題し、休夜診で求められる ①緊急疾患を見逃さないコツ、②高頻度疾患の診断に役立つ症候 に絞ってお話しさせていただきました。各論としては、休夜診を訪れる患者さんの中で特に多い「風邪」っぽい患者さんにおける①、②を主にお示ししました。

嬉しいことに、沢山のご質問やご意見をいただき、活発な質疑応答となりました。
先生方の関心の高さや、日常診療の診断過程における疑問の多さを実感しました。
確かに、診断過程は曖昧で不確実でとっつきにくい部分が多いですが、だからこそ言語化できる部分は言語化して、再現性のある教訓を蓄積し、活用していくことが重要なのだと再認識しました。

多くの軽症患者さんが自ら歩いて受診する休夜診では、一見みんな風邪の患者さんに見えるでしょう。
今日のお話が、「きっと風邪だろう」「風邪であってほしい」という根拠のない思い込みを乗り越えて、風邪の患者さんの中に紛れ込んでいる重症患者さんの存在を見抜くための一助になることを願っています。