2017年7月29日土曜日

医学生を対象とした「いわき地域医療セミナー」

福島県内では、福島県の地域医療に興味のある全国の医学生を対象に、地域医療体験研修を開催しています。地域医療への理解をより深めてもらえるように、県内各自治体や各地域の医療機関が主体となって、地域医療の現場を実際に「見て」「聴いて」「感じる」ことができる企画です。県内の病院・診療所の見学、医療従事者との意見交換、地域住民との交流など、各地域の特色を活かした、他では体験することができない研修を目指しています。
いわき市でも2015年度から「いわき地域医療セミナー」と称し、地域医療体験研修を開催していますが、実は、いわき地域における昨年度までの研修内容は、いわき市立総合磐城共立病院を中心に展開されている急性期の高度先進医療の見学を中心としたものでした。でも「それって大学病院で学んでいる医学生にとって、きっと日常と大して変わり映えのない世界だよね~」と個人的に思っていました。
しかし、今年度からは参加者のみなさんに、より広く包括的にいわきの医療の全貌を理解してもらえるよう内容が一新され、訪問診療や地域包括ケアに積極的に取り組んでいる当法人も当研修プログラムに組み込んでいただけることになりました。しかも、地域医療の充実にテコ入れをしている福島県立医科大学では、この地域医療研修を今年度から3年生の必須プログラムとして位置付け、医学生たちが地域医療の実情を深く学べるように配慮しています。その結果、7月から9月にかけて計4回、23日のプログラムに延べ47名の医学生たちがエントリーしてくれました。
「いわきの地域医療を学ぶために当院での研修で提供出来ること…。それは、良い意味で若者の夢を打ち砕くこと!」研修の受け入れに際し、そんな悪巧みを思いついた変人(わたくし)のいたずら心に火がついたことは言うまでもありません。日進月歩、華々しい進歩をとげている医療技術。しかしながら、超高齢社会の波の中、現代の高度先進医療を駆使しても解決し得ない、老衰や認知症などの終末期の患者さんは急増しています。看取りを前提とした超高齢者のケアこそ、この機会に若き医学生に敢えて考えて欲しいテーマである。という結論に達しました。
さて、実際の研修では、参加者の学年が若いこともあり、なるべく患者さん目線から訪問診療を見て欲しいと考え、各参加者にマンツーマンで担当患者さんを割り振らせていただきました。ほとんどの方が85歳以上の超高齢者です。診察を待つ間に「医師に何を期待するか?」などの“患者さんの想い”を聴き出すという無理難題的な課題を与えました。ところが、驚いたことに、多くの医学生たちは私たちの日常診療では語られていなかった患者さんたちの物語を見事に聴き出してくれました。常日頃から患者さんの背景を深く理解しようと努めていても、まだまだ不十分であることを再認識することが出来ました。学生さんたちには「学年が上がり卒業して医師になっても、患者さん側から見える風景と医師側から見える風景は違うということを認識して行動して欲しい」というメッセージを贈りました。診察の後、一通りの振り返りを終えたところで学生さんたちに「今日出会った患者さんたちの10年後は?」と、敢えて意地悪な質問をぶつけました。その時の皆さんの表情は忘れられません。まさに一同「そんなこと(患者さんの死について)考えていなかった」という感じでした。私は「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師になって欲しい」と続けました。

「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師が絶対的に足りない」というのが私の持論です。逆に、そのような医師が充足すれば、2030年の超高齢多死社会問題は一気に解決します。その実現ために日々活動している私たちの姿を、見て、聴いて、感じてくれたなら、このセミナーは大成功です。学生さんたちが何を想い、いわきを後にしたのか?気になるところです。



2017年7月15日土曜日

薄磯海水浴場 7年ぶりの海開き

津波で壊滅的な被害を受けた薄磯海水浴場
本日、7年ぶりの海開きでした
背後に控えるスーパー防潮堤が、何か切ないですが、、、
震災直後は「海が怖い」と小名浜港にすら近寄りたがらなかった息子が 波と戯れる姿を見ると、自然の偉大さを感じずにはいられませんでした
日本のハワイ(いわき)の裏ダイアモンドヘッドは勇壮!
ものほんの湘南と異なり、東北の湘南(いわき)は基本すいているのでお勧めです







2017年6月29日木曜日

いわき市地域医療を守り育てる基本条例

いわきの医療はまさに危機的事態に直面しています。医療は、電気・水道・ガスなどのライフラインと同じように、市民生活に欠かせない必須のものです。これがなければ高齢者はもちろん、出産・子育てを控える若い世代が安心して住み続けることはできません。しかしながら当地いわきでは、震災前から医師のいわき市外への流出が続く一方、外部から赴任した医師がいわき市に定着しないという事象が発生していました。そして、その医師不足という現実が、震災後に一気に顕在化しました。医療従事者が流出する中、大規模な避難、廃炉・除染作業員の受け皿となった当地の医療需要は高まり、更に過酷になった医療現場は、疲弊した医療スタッフの流出という悪循環を生んでいます。
この事態を打開するためには、いわきが「医療・介護スタッフが働きたい場所」として、日本全国、更には世界中から選ばれる街に生まれ変わる必要があります。つまり、住民が、いわきで働く医療・介護スタッフをプロフェッショナルとして尊敬し、医療・介護スタッフが地域に溶け込めるようなサポート体制を整えることが重要です。
このような状況下、いわき市新条例が、2017年6月の市議会で可決されました。この条例は、救急医療をはじめとしたいわき市の地域医療が置かれている厳しい状況について、市や医療機関だけでなく、市民の皆さんにも充分に認識していただき、それぞれの立場で課題解決に取り組むため、市、市民及び医療機関が果たすべき役割を明らかにし、相互に連携・協力して、地域医療を守り育てるための様々な活動を行うことにより、将来にわたり、市民が安心して良質な医療を受けることができる体制を確保することを目的に制定されました。
条例では、地域医療を守り育てるための、市、市民及び医療機関の役割を明らかにしています。市の役割は、救急医療体制の維持及び強化、医師の確保、保健や福祉との連携などの基本的施策を策定し、実施すること。市民の役割は、かかりつけ医を持つこと、受診に当たっては、医師などの医療の担い手に信頼と感謝の気持ちを持ち、その指導と助言を尊重すること、夜間又は休日の安易な受診をしないことなどに努めていただくこと。医療機関の役割は、患者の病状に応じた機能分担と連携により地域医療を充実させること、患者との信頼関係を築くこと、保健や福祉との連携を図り、在宅医療に取り組むことなどに努めることと明記されています。
このような内容の条例は東北初だそうです。この条例は、いわゆる理念条例であり、罰則規定はありませんが、「オールいわきで危機を好機に変えよう!」という意識づけに寄与し、それぞれの立場で課題解決に取り組むきっかけになれば良いと思います。

2017年6月22日木曜日

「秀樹 感激!」ならぬ「龍樹 還暦!」 ~実践家庭医塾~

今日の家庭医塾では、臨床研修医からは、超高齢社会にふさわしい「せん妄」をテーマに学びの経験を発表してくれました。
専攻医は、さすが、家族の力というものをあらためて実感させてくれる事例を紹介してくれました。
また、スペシャルゲストとして、英国の医学生Sheffield大学5年生のJemmaさんが登場!
英国の医学教育についてプレゼンしてくれました。
彼女は、ハイテクな医療・介護ロボットを視察するために、日本を訪問しました。
当日、癒しロボットと出会えて幸せそうでした。

家庭医塾終了後には、Jemmaさんの歓迎会と研修の慰労会を行いました。




実は・・・
家庭医塾のために毎回 遠路いわきまで駆けつけてくださる葛西龍樹教授が、来月めでたく還暦をお迎えになります。
まさに、ハウス バーモントカレーでおなじみの「秀樹 感激!」ならぬ「龍樹 還暦!」状態なのです。
というわけで、いわきが誇る似顔絵ケーキで盛大なサプライズを仕込んでみました。
葛西先生にとても喜んでいただけた様子(多分)で、よかったです。

2017年6月4日日曜日

朝ラーの香り漂うレジデント・フォーラム ~第123回 FaMReF@喜多方~

 麺なしラーメン、ではなく麵が見えない肉の量
 久々の朝ラー体験「ごちそうさまでした」


今回は喜多方開催ということもあり、開会前に名物の朝ラーにチャレンジした参加者が、確認できただけでも6名以上いました。
大変おいしくいただきました。
本日のメイン・プログラムは、いわきチーム2名の専攻医によるポートフォリオ検討でした。
終末期とメンタルヘルスの2領域からの発表でしたが、共通する教訓としては、個々のコンテクストに寄り添った対話を繰り返し、患者さんの理解の程度や受容の段階に合わせて、共通の理解基盤を見出し、それにもとづいて実現可能な目標を設定していくことが、より良いケアのために大変重要な役割を果たすということでした。
そりゃあ、あたりまえと言えばあたりまえの事なのですが、実例を通して再確認し、その都度生まれる改善の余地を見出して、成長していければ良いのだと思います。

2017年6月1日木曜日

今日から始めよう! プライマリ・ケアに役立つ診断学 ~いわき市休日夜間急病診療所開所記念セミナー~


今宵は、まさに新築移転オープン当日をむかえた いわき市休日夜間急病診療所(休夜診)の開所記念のセミナーの講師のご依頼をいただき、お話しさせていただきました。

いわきの一次救急医療を支えるべく、休夜診での診療協力に新たに手上げしてくださった多くの先生方がおられます。その志に敬意と謝意を表します。
一方で、協力医師の標榜科は様々ですので、診療に参加するにあたって「時間外診療のスキルを学びたい」という熱心な声があがり、医師を対象としたセミナーが随時企画されています。
初回のテーマは小児科で、2回目の今回は診断学、次回は妊産婦への対応などが予定されているようです。

本日は、「今日から始めよう! プライマリ・ケアに役立つ診断学」と題し、休夜診で求められる ①緊急疾患を見逃さないコツ、②高頻度疾患の診断に役立つ症候 に絞ってお話しさせていただきました。各論としては、休夜診を訪れる患者さんの中で特に多い「風邪」っぽい患者さんにおける①、②を主にお示ししました。

嬉しいことに、沢山のご質問やご意見をいただき、活発な質疑応答となりました。
先生方の関心の高さや、日常診療の診断過程における疑問の多さを実感しました。
確かに、診断過程は曖昧で不確実でとっつきにくい部分が多いですが、だからこそ言語化できる部分は言語化して、再現性のある教訓を蓄積し、活用していくことが重要なのだと再認識しました。

多くの軽症患者さんが自ら歩いて受診する休夜診では、一見みんな風邪の患者さんに見えるでしょう。
今日のお話が、「きっと風邪だろう」「風邪であってほしい」という根拠のない思い込みを乗り越えて、風邪の患者さんの中に紛れ込んでいる重症患者さんの存在を見抜くための一助になることを願っています。

2017年5月31日水曜日

今宵、いわきの医療は安泰になりました


豆粒みたいな僕らには真似できないような行動力と発信力がおありでご高名な先生のご見解ですので、穴が開くぐらい繰り返し読んで、100回かそれ以上噛みしめ、無い知恵絞ってその真意を理解しようと努力しましたが、残念ながら私には無理難題でした。
ですので、実際にいわきで医療・福祉を支える方々や、いわき市外からいわきを案じてくださっている方々のご意見を伺ってみました。
結果、まことに僭越ながら、発信されている情報には不正確な内容が含まれていることが分かりました。
どこがどう間違っているかを指摘できるような立場ではありませんので、それは差し控えますし、ハッキリ言って そんなことは私にとってどうでも良いことに思えてきました。
なぜなら、本件を通して結果的に私の心の中に生まれた かけがえのない化学反応があったからです。
それは「信頼の確認」です。
極端に人手不足な いわきで医療・介護の現場を担っている人間は、ハッキリ言ってみんな大変です。半端なく…
それなのに、みんなメチャクチャ頑張っているのです。
なぜ続けるのか?
それは…
それぞれが「使命とやりがいと誇り」を持って生きているからだと再認識しました。
逆に言えば、いわきで働くことに「使命とやりがいと誇り」を感じなければ、既にどこか別の土地に転居しているはずですし、とっくの昔に いわきの医療は崩壊どころか消滅していたでしょう。
一方で、人間は弱い者ですから、頑張り過ぎて心身ともに疲弊すると「自分だけが辛い想いをしているのでは?」という考えが大きくなり「うちは頑張っているのに、あっちはサボってる」とか疑心暗鬼になることもあるでしょう。
しかしながら、本記事で批判の対象になっている団体も、賞賛の対象になっている団体も、その現場を支える個々人は、「使命とやりがいと誇り」を持って、日々必死に生き、職務を全うしています。
そのことを再確認させてくださったこの記事は、ある意味スゴイです。
凡人には出来ないスーパーコンピューター並みの驚愕の計算力です。
既に いわきでは、行政・医師会・病院協議会・多職種・市民活動など、一丸となって難局を乗り切ろうと汗水を流していましたが、本件をきっかけに、その動きは加速するでしょう。
結果として、いわきの医療は崩壊しません。
全てに感謝申し上げます。

2017年5月23日火曜日

「縮充」して、地域の魅力を凝縮しよう! ~第8回 日本プライマリ・ケア連合学会 学術大会~

2017512日~15日、第8回 日本プライマリ・ケア連合学会 学術大会(以下、学会)が、香川県高松市を会場に開催されました。「うどん県」での開催だけあって、参加賞として「うどん券」が配布され、学会会場には屋台が…(笑)。コシの強いうどんを美味しくいただきました。

今回は、超高齢社会を見据え、いわき市医師会やいわき市・養生会が近年注力している地域包括ケア、病院外看取りに関する新しい知見を求めて、関連するシンポジウムを中心に参加しました。学会では、地域包括ケアに関する、各地での先進的な取り組みが紹介されていました。いずれも素晴らしい試みでしたが、そもそも今のいわき市と全く同じ状況の地域は存在しないので、そのまま模倣してもうまくいかないであろうことは容易に想像がつきました。
一方で、地域住民一人ひとりが、その地域の風土や特長を活かしながら、自分や家族、周囲の well-being(幸福・健康)の実現に向けて主体的に参加・行動し、結果として地域コミュニティーを住民自身がより豊かなものに変えていこうとする「参加」と「自治」をキーワードとした取り組みには、いわきでも参考にできる部分が多いと感じました。気候が穏やかで、観光資源にも恵まれ、農林水産業や工業も盛んな当地のアドバンテージを「参加」と「自治」の住民力で最大限に活用できれば、いわきはまだまだ頑張れると思います。

更に、鹿島地域の動きと照らし合わせて考えてみました。学会のシンポジウムを通して、「医商連携」「一円融合」のまちづくりを目指す鹿島地域の取り組みを加速させるためには、「参加」と「自治」に加えて、「縮充」という発想が重要であることに気付くことができました。縮充の語源は、ウールをアルカリ水のなかで揉むとできる、縮んで中身の詰まったフェルト状の素材(縮充ウール)です。縮充は縮小でも縮退でもなく、かといって拡充でも補充でもありません。縮みながら充実していくという発想です。人口を増やすとか、市街地を拡大するとか、経済成長を目指すようなまちづくりは、これからの人口減少時代、殊に原発事故にともなう避難から帰還への動きが加速し、更に小名浜にオープンするイオンモールとの競合が必至となる当地には不向きで、これからはむしろ縮充のまちづくりが求められるでしょう。縮充という視点から言えば、人口が減ったとしても積極的にまちづくり活動を展開する人の割合が増えれば良いのです。「自分たちのまちは自分たちで経営していくんだ!」という意識を共有する人の割合が増えることが重要であり、そういった意味では鹿島地域における地域住民主導の熱い取り組みは、超高齢社会を乗り切る「鹿島モデル」として世界に発信できる先行事例に発展する可能性を秘めていることを確信して帰還した次第です。

2017年4月23日日曜日

仲間が増えるということ ~第122回 FaMReF~

新年度最初のFaMReF
新しいレジデントと指導医を迎えての開催
新しい風が吹き込むと、新しい視点も加わって、ディスカッションにも深みが増すことを実感して、なんだか嬉しくなった
嬉しくなったので、お酒がいつもより美味くなって歓迎の宴は深まっていくのであった…




移り行く敗血症 ~実践家庭医塾~

今回の実践家庭医塾は、2016年に15年ぶりに改定された敗血症の新定義「敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第3版(Sepsis-3)」をネタに救急領域の発表。

新定義では臓器障害を伴う病態のみを「敗血症」とし、旧定義における「重症敗血症」という用語は消滅した。
そもそも敗血症は重症ということで…
また、診断基準としてSOFAスコアが採用されたほか、ICU外の場でのスクリーニングツールとしてqSOFAスコアが新たに考案されるなど、大幅に変更されている。
敗血症は集中治療室だけでなく、一般病棟や救急外来、急性期病院以外の場においてもよく遭遇するため、定義・診断基準の改定内容を把握することは、家庭医にとっても重要である。
旧基準のSepsis-2は、初代Sepsis-1定義と比べて診断基準の項目数が多く、臨床現場であまり活用されていなかった。その点、Sepsis-3でICU以外でも評価が簡便な「qSOFAスコア」が考案されたことは、より多くの臨床現場で役立つ基準に改良された感がある。
今後の日常診療に活用していきたい。

2017年4月1日土曜日

帰宅部 新入部員 大募集!!!

新年度ですね。
当法人では、新入社員を迎え入れるにあたり、健全な業務管理を推進するために、帰宅部活動を理事長公認で推進しています。
業務時間内にキッチリと仕事をこなし、定刻になれば後ろ髪(もともと私には後ろ髪が無いが…)をひかれることもなく疾風怒濤の如く職場からバイバイ菌!
無駄なやる気を出さずに、業務終了と同時に一目散に職場を後にする習慣さえ身につければ、初心者のあなたでも、すぐに帰宅部のエースをねらえます。

日頃の逃げ足の速さが発揮されるのか?
不定期で開催されるオフ会に遅刻する者は皆無!
帰宅部では、本日「残業ゼロ&オフ会遅刻ゼロ」3670日を達成し、現在進行形でギネス記録更新中なのです。

また、帰宅部の姉妹部で、理事長が代表を務める「かしまRC(Runners Club)」への入部も併せてお勧めします。
帰宅部で培った逃げ足の速さを活かし、各地のマラソン大会で好記録続出の実績ある部活動です。
帰宅部同様、面倒くさい定期練習や合宿等は皆無!
強いて挙げれば、地元が誇る「いわきサンシャインマラソン」の直前になって、慌てて「リハーサル&作戦会議」らしきものを年に1回やったり、天気が悪ければあっさり中止だったりという帰宅部に負けず劣らずのテキトーさなので、帰宅部との兼部も余裕で可能です。
併せてお気軽にご相談ください。

ちなみに、「帰宅部」、「かしまRC」ともに、入部資格はありません。
法人の職員である必要もありません。

どなた様もお気軽にお問合せください。
詳しくは

 

2017年3月18日土曜日

羽ばたく10の翼 ~第121回 FaMReF~

今年度、当講座は5名の精鋭達を福島産の家庭医として世に送り出します。
10の翼がそれぞれの色をのせて羽ばたいてゆきます。

今日のFaMReFのメインプログラムは、専攻医 第8期生らの研修修了記念講演です。
一人ひとりがそれぞれに真摯に家庭医療に向き合い追究し続けた福島での3年間を振り返り、渾身のプレゼンテーションをしてくれました。
これから専門医を取得していく彼らですが、その後も生涯にわたって家庭医として自ら学び続ける準備が整ったことをプレゼンテーションを通して確認することができました。
みんながそれぞれの強みをこれからもどんどん伸ばして成長していくのが楽しみです。


















2017年3月16日木曜日

拡がる院外看取りの輪 ~実践家庭医塾~

今宵の実践家庭医塾は、研修医からの事例報告だけでなく、家庭医療に興味を持って長年参加してくださっている塾生の先生からの事例報告がありました。
患者中心の医療の方法の実践を通して、終末期の栄養管理についての意思決定と院外看取りを支援した貴重なヴァージンケースを発表していただきました。とても嬉しいことです。
これからの多死社会にむけて訪問診療の充実に取り組んでいる当地で、院外看取りの輪をますます拡げていきたいと思います。
そのためには、互いの不在時にカバーし合えるネットワークの構築が不可欠です。
所属法人では、介護施設を中心に訪問診療のチーム化や、訪問診療導入時の終末期の意思決定確認の標準化を図っています。
その結果、院外でのお看取りとなる患者さんの数が増えています。
この取り組みを続けることを後押ししてもらえるようなプレゼンでした。

専攻医によるプレゼンのテーマは「家族志向ケア」
服薬アドヒアランス不良で入退院を繰り返す認知症の高齢者に対し、家族の状況を見直し、家族カンファレンスを通して家族がケアのパートナーとして機能できるようにマネジメントした結果、再入院を抑制することができた事例でした。
家族カンファレンスは、家庭医にとって外科医の大手術に相当します。
周到な準備と事前のシミュレーションが必要であると同時に、実際に家族カンファレンスが始まると、良くも悪くも事前のシナリオが裏切られること数知れずです。
この予期せぬ事態に臨機応変に対応し、最良のマネジメントを紡いでいく・・・
ここが家庭医の腕の見せ所であり醍醐味でもあります。

2017年2月19日日曜日

臨床技能道場 ~第120回 FaMReF~

今回のFaMReFは、毎年恒例となった臨床技能評価(Clinical Skills Assessment : CSA)でした。
例年は、家庭医療専門医試験前の時期におこなっていましたが、将来 研修修了判定の一つとして採用することを念頭に、年度内に繰り上げて開催しました。
保原中央クリニック家庭医療科の外来ブースを使わせていただき、医師役(受験者)、患者・家族役、評価者、オブザーバーに分かれてロールプレイをします。
あらためて他者に自身の診療を見られるというのは、とても緊張するようで、いつも出来ていることが抜けていたり、いつも出来ているからこそ無意識に出来ていたりと様々でした。
また、立場を変えれば、他の医師の診療を見ることが出来ることもまた貴重な機会であるし、普段とは違う医師以外の立場から診療現場を見ると別の視点が拓かれるので、すべての参加者にとって、とても勉強になったことでしょう。

2017年2月16日木曜日

急患対応で 生物・心理・社会モデルを用いたアプローチをしてみた ~実践家庭医塾~


私たちが、患者さんに発生した「疾病(Sickness)」を包括的・統合的に理解し適切に対応していくためには、医療者側の立場から見た「疾患(Disease)」と、患者側の立場から見た「病気(Illness)」との違いを深く理解しておく必要がある。
同じ疾病であっても、医療者側が抱く当該疾患のイメージと、個々の患者の病気の体験にはズレがある。しかも、そのズレのポイントや内容は患者一人ひとり異なるため、疾患ごとのクリニカル・パス等による画一的な対応のみでは、患者の固有の苦しみを置き去りにすることになる。
生物・心理・社会モデルを用いたアプローチは、疾患と病気の双方をバランスよくケアするためのヒントをくれる。
ところで、疾患管理に偏った対応は、緊急性の有無判断が優先される救急医療の現場で特に起こりやすいように思われる。「救命」が最優先されるべき現場では、それは当然のことである。
しかし、多忙な救急医療の現場であっても、患者の苦痛を短時間の生物・心理・社会アプローチを用いることで、患者の苦痛を軽減し、薬物療法や入院を回避できれば、それはそれで効率的な医療に寄与する可能性もある。
2017年2月16日の実践家庭医塾では、レジデントが体験した事例をもとに、急患対応における生物・心理・社会アプローチについて参加者全員で議論した。
ベテランの実地医家の先生方の意見としては、こういったアプローチが有用なケースは非常に多く経験するし、多忙な救急の現場であっても、うまく活用できれば治療まで完結できるし、結果的に時間の短縮・効率性にもつながることがある。
個々に異なる患者さん一人ひとりの伴走者として、私たちにできる役割を全うできる能力を磨いていきたい。

2017年1月19日木曜日

ホットな在宅医療・在宅看取り ~実践家庭医塾~

地域包括ケアシステムの構築と在宅医療の充実が喫緊の課題となっているいわき市では、昨夜、市医師会主導の「在宅医療ネットワーク」発足会議が開催されました。

限られた医療資源で広大な市内全域の在宅医療を充実させるためには、「在宅医療のグループ化と、在宅・病院連携のルールつくりが必要」と考えられ(平成27年度の病院・在宅医療連携会議での意見)、市医師会理事会でも、このことを推進していくことに合意が得られました。

既にこの趣旨に賛同し、参加・協力を表明している医師が42名おり、うち6割以上の医師が、「在宅医療ネットワーク」発足会議に出席しました。

わたくしは別の会議と掛け持ちであったため、会議の全貌は把握できませんでしたが、初回なので顔合わせと、総論的な内容が主体だったものの、早速 熱い議論もなされ、在宅医らが協力して互いの不在の際などのカバーをし合い、また、そのことで、ネットワークに参加する医師を増やしていけるよう働きかけていくこと、急性増悪時などにも在宅医が責任をもって連携する病院への情報提供ができるシステムとルールつくりをしていくこと、その具体的なルール案などが概ね合意を得たようです。

さて、こういった高齢者の在宅医療を語るうえで、切っても切り離せないのが、終末期の医療内容に関する意思決定や看取りの場所の選択です。
今宵の実践家庭医塾では、積極的な治療が適用できない病状の高齢者における療養や看取りの場所の選択についてディスカッションしました。
いわゆる良い終末期・看取りを実現するためには、医療の利用者側の死への準備と、医療を提供する側のシステムの整備が必要であり、いわき市医師会やいわき市の取り組みが実を結び、この地域が安心して多死社会をむかえることができる街に生まれ変わることを祈ってやみません。


今回の家庭医塾の冒頭では、医療人を志す県内の中学生を対象とした子供の夢応援事業「医学教室」の実施報告がありました。
地域包括ケアシステムを学ぶことができるワークショップを提供しましたが、まさにこれからの日本を支えていく人財の発掘に寄与する取り組みであったなぁ~と自負した次第です。

また、今回の家庭医塾では、もう一つ嬉しいことがありました。
初代キッズ医者の研修修了生として初めてこの春から医学部に進学することが決まったばかりの高校生が、家庭医塾に参加してくれたのです。
「まだ早すぎる」という既成概念を取り払って毎年小学生を対象として開催しているこの取り組みを、今後も続けていくべきという決意を新たにしました。

2017年1月15日日曜日

県内は大雪の中 ~第119回FaMReF~


今回は いわきを会場としたFaMReFですが、県内の大半は大雪のため、特に全国有数の豪雪地帯である只見からの脱出は不能となり、急遽、光回線のTV会議システムを活用して遠隔地とつないでの開催となりました。
最終的には豪雪にもめげずにメイン会場に集結した10名と遠隔地から延べ3名の参加があり、通常規模で行うことが出来ました。


メインプログラムの専攻医のポートフォリオ発表は、救急医療の領域で作成した事例ながら、高齢者への医療の適用や、終末期の意思決定、看取りの受容のサポート、医師間・スタッフ間の情報共有システムの構築など、多岐にわたる学びの機会となった示唆に富む症例でした。
議論のポイントが多すぎて、学会への提出用としては不向きかもしれませんが、家庭医として視野を拡げるという意味では、発表者にとっても、参加者全員にとっても、とっても勉強になる議論が出来ました。