2017年12月7日木曜日

多職種で切り拓く家族志向の地域リハビリテーション


単なる変態なだけでなく、実は いわき地域リハビリテーション広域支援センター長のわたくし

家族志向の地域リハビリテーションと題して多職種ワークショップを企画しました

当日は、実際の患者さんとご家族をモデルとしたケアの困難事例を教材として学んでいただきます

「劇団かしま」の皆さんによる再現ドラマも見ものです

ケアのパートナーであり ケアの対象でもある家族を基点に、多職種の英知を結集し、問題解決への道筋を切り拓いていただければ嬉しいです



地域リハビリテーション研修会

多職種ワークショップ【難攻不落編】

家族志向の地域リハビリテーション

日時:2018130日(火)1830分~20
場所:いわき市総合保健福祉センター


ワークへの参加は事前申込制ですが、当日のご聴講も可能です



2017年11月28日火曜日

「走り過ぎは体に悪いですよ」って言わないで!

ランニングが趣味の私、この秋10月と11月の2ヶ月間に3つのフルマラソン大会に出場し、すべて3時間台で完走しました。そのための準備として、8月から月300㎞以上のランニングに励んできました。そんな話をすると、多くの方から「そんなに走ったらかえって体に悪いんじゃないですか?本末転倒ですよ!」といった具合にお叱りを受けます。確かに走り過ぎですし体に悪いことは明白です。しかし、そのようなご指摘を受ける度に、私の心中は乱されることになります。それは何故でしょう?実はこの事例の中に、私達が家庭医として患者中心の医療の方法を実践していく上で大変重要な示唆が隠れています。
走り過ぎを指摘してくださる方々には恐らく、ランニングが趣味の人=健康志向の高い人(ランナーは長生きするために走っている)という思い込みがあり、「頑張っているのに早死にしては大変!」と心配してくださっているのかもしれません。しかし、もしも私の趣味が熊と格闘することで、この秋10月と11月の2ヶ月間に3頭のヒグマに戦いを挑み、なんとか生還したところです。と言ったら、あきれて誰も何も言わないかもしれませんね。熊と格闘することを趣味とする知人はいませんが、もしもそのような人がいるとすれば、健康のために戦うのではなく、その人にしか理解できない固有の悦び(萌えツボ)がそこに潜んでいるはずです。そんな人に対して「危ないから止めなさい!」と一方的に言ったところで止めるはずありません。例えが極端になりましたが、ランニングも同様に、主な目的が健康のためではない人もいるのです。ちなみに、私が走る理由は単純で、もともと大好きなお酒が更に美味しくなるからです。う~ん、ますます体に悪そうですね(笑)

さて、医療を提供する私達の中には、医療機関を利用する患者さんは自身の健康のために受診しているし、健康増進のための努力をするべきである。なんて思い込みが染みついているのではないでしょうか?私も「せっかく受診してくれているのに早死にしては大変!」とばかりに強引に禁煙指導したりと、医学的に正しいと思われることをどんなに力説しても、うまくいかないことが多々あります。そんな時には必ずと言っていいほど、詳しい事情や患者さんの想いを深く探らないと理解しにくい固有の物語が潜んでいます。家庭医には、患者さんが想いを充分に吐露できる環境を提供し、引き出された情報をもとに共通の理解基盤を見出し、患者‐医師関係を強化していく能力が求められます。

2017年11月19日日曜日

ディープなお話 炸裂! ~第127回 家庭医療 レジデント・フォーラム@相馬~

冬型の気圧配置が強まり、日本海側は雪とのことだが、晴天の浜通りをストレスなく北上し相馬へ!

臨床研究、行動変容に関する困難事例、認知症のケアなどなど、今回も専攻医からの多彩でディープな相談が持ち込まれ、指導医陣からは鋭いツッコミやぶっちゃけ話など為になるアドバイスが数多く飛び出し、大いに盛り上がりました。

〆の Cinemeducation の教材は、ドイツ映画 千年医師物語 ペルシアの彼方へ「The Physician」
医師としての志、公衆衛生、感染制御、死生観、医学の歴史などなど、短いクリップを通して様々なことを考え語り合った。

2017年11月3日金曜日

未来のリーダー達の光 ~2017年度第6回 いわき志塾~

お邪魔するのも もう4年目となり、11月初旬の恒例行事になりつつある「いわき志塾」医療系スタッフの講師確保協力
昨年は「代打オレ!」事件が起こり、急遽 自分が講師役を務めましたが、今年は予定通り高見の見物をさせてもらいました。
志塾講師の初陣となる家庭医療専攻医ら2人も それぞれの渾身の物語を中学生相手に楽しく伝えてくれている様子を見届けることができました。
中学生たちの発表を聴いて、夢に向かってポジティブな気持ちで楽しく生きていくことと、感謝の気持ちを忘れずに、独りよがりにならず相手のことを考えながら、一人ひとりと向き合っていくことの大切さを再認識しました。






2017年10月22日日曜日

雲海の会津 ~第126回 家庭医療レジデント・フォーラム@只見~


台風接近前の雨天の中、家庭医医療レジデント・フォーラムの会場の只見に移動。
道すがら、色付き始めた山々と秋空とのコントラストが楽しめなかったのは残念であったけれど、代わりに見事な雲海を臨むことができた。

さて、秋雨の風情の中、フォーラム開始!
繰り広げられる専攻医の振り返り、ポートフォリオ発表とそれぞれに対するディスカッションを通して、各領域で何を学ぶべきかが確認され、それは研修の改善の過程そのものであると同時に、指導医の役割を再認識する場面でもある。
日頃 直接 絡めない別サイトの指導医からアドバイスを直に受けることが出来るもの重要なポイントである。

恒例の締めのプログラム「Cinemeducation」の前に「ゆる体操」が入るのが、最近のトレンドのようで、事情を知らない方が、もしも会場に迷い込んだら、おったまげてしまいそうな光景が展開されている。

2017年10月16日月曜日

三位一体の地域医療創生

 


20171014日、いわき市医師会 第52回 市民公開講座「いわき市の地域医療を守り育てるために」が開催されました。制定・施行されて間もない「いわき市の地域医療を守り育てる基本条例」に市・医療機関・市民の三者それぞれの役割が明記されていることを受け、市を代表して地域医療課 藁谷孝夫 課長から「いわき市の医療の現状と今後の取り組み」について、医療機関を代表して私から「急病や怪我で困らないための上手な医療の利用方法」について、市民を代表して磐城実業株式会社代表取締役の宮野由美子さんから「いわきの医師を応援するお姉さんの会」について、それぞれの立場からプレゼンテーションする三部構成の講演会となりました。
 藁谷課長からは、多主体連携による「防ぎ・治し・支える医療」の実現を目指し、医療機関ハード面と連携基盤の充実、人材育成・招聘の強化、医療に関する意識の共有化などの市の取り組みが紹介されました。
 私からは、急病や怪我で困らないための極意をお伝えしました。困らないための最強の対策は「予防」つまり急病や怪我を起こさないことです。そして実は、急病を防ぐために最も効果的で誰もが今日から取り組むことができることに「禁煙」「受動喫煙対策」があります。極端な話、いわき市内全域禁煙が実現すれば、いわきの医師不足問題は一気に解決するかもしれません。さらに、超高齢・多死社会においては、寿命が近づいたら慌てず騒がず安らかに逝くための事前準備「終活」が重要です。責任を持って看取ってくれるお医者さんを早めに確保されることをお勧めします。寿命が近づいて徐々に衰弱し、結果的に心肺停止に至る過程は急病ではありませんし、高次医療機関に搬送する適応ではないので、救急車を呼んでもなかなか受け入れ先が見つかりません。いざ、急病や怪我が発生してしまったら、救急医療を利用するべきか否かを「考慮」して、不要不急の救急要請、休日・夜間の時間外受診を減らすことが肝要です。
 「いわきの医師を応援するお姉さんの会」の会長を務める宮野さんからは「いわきの若い医師の胃袋をお姉さんの手料理でガッチリつかもう!」というコンセプトで発足した会の誕生から現在までの活動報告がなされました。医師を応援するための会の運営を通して、互いの立場を理解・尊重し、深い学びと明日への原動力になる集いへと醸成されている過程がよく理解できました。市民から発生した活動は、今や大きなムーブメントに発展しています。「お医者さんのために始めた会は、実は自分たちのためのものだったことに気づきました」宮野さんの言葉はとても感動的で印象に残りました。
「いわき市の地域医療を守り育てる基本条例」を単なる理念に終わらせることなく、いわきが誇る実効性のある条例として成熟させていくために、市民一人ひとりが自身の健康について主体的に考え行動し、私たち医療・介護関係者、行政らも一体となって、この市民中心の地域医療創生の動きを全力で盛り上げていきましょう。

2017年9月28日木曜日

福島県いわき市×山本雄士ゼミ

 2017923日~24日、医師不足をはじめとする諸問題に真っ向から取り組んでいるいわき市の熱意が結集し、ついに山本雄士ゼミのいわき開催が実現しました。
ゼミを主催する山本氏は、1999年東京大学医学部を卒業後、循環器内科、救急医療などに従事されたのち、2007年ハーバードビジネススクールを修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役。厚生労働省保健医療2035推進参与に就任。過去には、内閣官房医療イノベーション推進室 企画調査官などを歴任。ヘルスケア全体のシステムマネジメントを中心に、国内外での政策提言や数多の講演活動で大変ご高名な方です。「医療からヘルスケアへ」をご自身のミッションに掲げ、「医療は病気になってはじめて関わるもの」という考え方を転換し、人々がより長く健やかでいられるケアを、社会全体にシステムとして浸透させるために日々精力的に活動されています。
医療の質と量とのバランスの取り方、制度の持続性、医療機関の経営や労働環境の改善等、複雑かつ多くの課題を解決していくためには、医学にとどまらない知識とスキルを持った人材が、これからのヘルスケア業界をリードする必要があると山本氏は考えています。山本雄士ゼミは、こうした人材を育成すべく20115月にスタートしました。以来、月1回のペースで、ハーバードビジネススクールで実際に使われているケースを用いたケーススタディーを行っています。参加者は、山本氏のファシリテーションと参加者同士のディスカッションとを通じて、ケースに対する理解を深め、自らが見出した問題点と解決策を具体性をもった戦略へと昇華させていきます。また、ケースを通じて医療業界の基本構造や経済の原理原則等を学ぶほか、マネジメント手法や医療における自身のキャリア設計にも役立つ知見を得ることができます。医療に限らず幅広い分野や多様な世代からの参加も当ゼミの特徴で、業界・世代を問わず多くの方々が学び、仲間と出会い、刺激しあう場として毎回エネルギッシュな議論が繰り広げられているようです。

さて、前置きが長くなりましたが、ゼミ当日は医学生を中心とした20名の精鋭たちが全国からいわき市に集結し、これまでいわき市を知らなかった“よそ者”目線かつ若者目線で、いわき市の現状を全力で体感し、本気で考えてくれている情熱がビシバシ伝わってきて、とても嬉しくなりました。特に感銘を受けたのは、山本氏がゼミ生たちに「いわき市の人たちの生の声から何かを感じ取って欲しい」というメッセージを繰り返し送っていたことです。現場から施策を創出しようという姿勢に心を打たれました。そして、山本氏による講義やケーススタディー、グループワークは、一貫して、理念やお題目にとどまることなく、目的を達成するために誰が、いつまでに、何を、どのように、という具合に、具体性を持った行動目標へ落とし込んでいくものでした。今回のゼミから飛び出したアイディアは、即座に市医師会長や地域医療課の担当者らへの具体的かつ実現可能な指示へと変換されていきました。日頃よく経験する○○を語る会とか、△△連携会議とか、顔の見える☆☆とか、有能な人財が雁首揃えて時間と労力を費やして一堂に会し「これからみんなで頑張っていきましょう!」ということで、その都度和気あいあいとした雰囲気で終了するけれど結局何も進まない種々の会議体にウンザリしていた私としては、当ゼミは激しく共感できる心地よい空間であり、医学教育や地域包括ケア、都市計画に携わる身としてお手本とすべきものでした。


2017年9月24日日曜日

自由な語りに極意あり ~第125回 FaMReF@保原~

今月の家庭医療レジデント・フォーラムは保原中央クリニック家庭医療科での開催
レジテントの日々の経験からもたらされる学びの機会
診療、教育、研究それぞれについてバランスよく問題点があぶり出されるが、はからずもキャラがあまり被らない感じにバラついた個性豊かな指導医陣らが、それぞれの立場でコメントを挟んでくる
メンバーが入れ替わりながら、発想の坩堝へと成長してきた当講座の歴史を感じる
日頃直接ディスカッションできないメンバーと月1回直接会える機会は大事にしたい

2017年8月27日日曜日

ほんとの空に下で学ぶ“家族” ~家庭医療 サマー・フォーラム in ふくしま~


天気に恵まれて、安達太良山の山頂の乳首まできれいに望める爽快な週末
二本松の岳温泉を会場に、泊りがけで家庭医療のディープな世界を学ぶ 家庭医療サマー・フォーラム in ふくしま が開催されました。
今年のテーマは“家族”


初日は、ライフワークバランスを考えることを通して、医師自身の家族について深く学びました。


家庭医は夜つくられる…
大量の酒が見る見る消えていきました。


安達太良高原の朝ランは気分爽快でした。


2日目は、患者の家族にフォーカスした家族志向ケア!
カオスな家族カンファレンスのロールプレイの経験は生涯忘れることが出来ないでしょう。

2017年7月29日土曜日

医学生を対象とした「いわき地域医療セミナー」

福島県内では、福島県の地域医療に興味のある全国の医学生を対象に、地域医療体験研修を開催しています。地域医療への理解をより深めてもらえるように、県内各自治体や各地域の医療機関が主体となって、地域医療の現場を実際に「見て」「聴いて」「感じる」ことができる企画です。県内の病院・診療所の見学、医療従事者との意見交換、地域住民との交流など、各地域の特色を活かした、他では体験することができない研修を目指しています。
いわき市でも2015年度から「いわき地域医療セミナー」と称し、地域医療体験研修を開催していますが、実は、いわき地域における昨年度までの研修内容は、いわき市立総合磐城共立病院を中心に展開されている急性期の高度先進医療の見学を中心としたものでした。でも「それって大学病院で学んでいる医学生にとって、きっと日常と大して変わり映えのない世界だよね~」と個人的に思っていました。
しかし、今年度からは参加者のみなさんに、より広く包括的にいわきの医療の全貌を理解してもらえるよう内容が一新され、訪問診療や地域包括ケアに積極的に取り組んでいる当法人も当研修プログラムに組み込んでいただけることになりました。しかも、地域医療の充実にテコ入れをしている福島県立医科大学では、この地域医療研修を今年度から3年生の必須プログラムとして位置付け、医学生たちが地域医療の実情を深く学べるように配慮しています。その結果、7月から9月にかけて計4回、23日のプログラムに延べ47名の医学生たちがエントリーしてくれました。
「いわきの地域医療を学ぶために当院での研修で提供出来ること…。それは、良い意味で若者の夢を打ち砕くこと!」研修の受け入れに際し、そんな悪巧みを思いついた変人(わたくし)のいたずら心に火がついたことは言うまでもありません。日進月歩、華々しい進歩をとげている医療技術。しかしながら、超高齢社会の波の中、現代の高度先進医療を駆使しても解決し得ない、老衰や認知症などの終末期の患者さんは急増しています。看取りを前提とした超高齢者のケアこそ、この機会に若き医学生に敢えて考えて欲しいテーマである。という結論に達しました。
さて、実際の研修では、参加者の学年が若いこともあり、なるべく患者さん目線から訪問診療を見て欲しいと考え、各参加者にマンツーマンで担当患者さんを割り振らせていただきました。ほとんどの方が85歳以上の超高齢者です。診察を待つ間に「医師に何を期待するか?」などの“患者さんの想い”を聴き出すという無理難題的な課題を与えました。ところが、驚いたことに、多くの医学生たちは私たちの日常診療では語られていなかった患者さんたちの物語を見事に聴き出してくれました。常日頃から患者さんの背景を深く理解しようと努めていても、まだまだ不十分であることを再認識することが出来ました。学生さんたちには「学年が上がり卒業して医師になっても、患者さん側から見える風景と医師側から見える風景は違うということを認識して行動して欲しい」というメッセージを贈りました。診察の後、一通りの振り返りを終えたところで学生さんたちに「今日出会った患者さんたちの10年後は?」と、敢えて意地悪な質問をぶつけました。その時の皆さんの表情は忘れられません。まさに一同「そんなこと(患者さんの死について)考えていなかった」という感じでした。私は「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師になって欲しい」と続けました。

「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師が絶対的に足りない」というのが私の持論です。逆に、そのような医師が充足すれば、2030年の超高齢多死社会問題は一気に解決します。その実現ために日々活動している私たちの姿を、見て、聴いて、感じてくれたなら、このセミナーは大成功です。学生さんたちが何を想い、いわきを後にしたのか?気になるところです。



2017年7月15日土曜日

薄磯海水浴場 7年ぶりの海開き

津波で壊滅的な被害を受けた薄磯海水浴場
本日、7年ぶりの海開きでした
背後に控えるスーパー防潮堤が、何か切ないですが、、、
震災直後は「海が怖い」と小名浜港にすら近寄りたがらなかった息子が 波と戯れる姿を見ると、自然の偉大さを感じずにはいられませんでした
日本のハワイ(いわき)の裏ダイアモンドヘッドは勇壮!
ものほんの湘南と異なり、東北の湘南(いわき)は基本すいているのでお勧めです







2017年6月29日木曜日

いわき市地域医療を守り育てる基本条例

いわきの医療はまさに危機的事態に直面しています。医療は、電気・水道・ガスなどのライフラインと同じように、市民生活に欠かせない必須のものです。これがなければ高齢者はもちろん、出産・子育てを控える若い世代が安心して住み続けることはできません。しかしながら当地いわきでは、震災前から医師のいわき市外への流出が続く一方、外部から赴任した医師がいわき市に定着しないという事象が発生していました。そして、その医師不足という現実が、震災後に一気に顕在化しました。医療従事者が流出する中、大規模な避難、廃炉・除染作業員の受け皿となった当地の医療需要は高まり、更に過酷になった医療現場は、疲弊した医療スタッフの流出という悪循環を生んでいます。
この事態を打開するためには、いわきが「医療・介護スタッフが働きたい場所」として、日本全国、更には世界中から選ばれる街に生まれ変わる必要があります。つまり、住民が、いわきで働く医療・介護スタッフをプロフェッショナルとして尊敬し、医療・介護スタッフが地域に溶け込めるようなサポート体制を整えることが重要です。
このような状況下、いわき市新条例が、2017年6月の市議会で可決されました。この条例は、救急医療をはじめとしたいわき市の地域医療が置かれている厳しい状況について、市や医療機関だけでなく、市民の皆さんにも充分に認識していただき、それぞれの立場で課題解決に取り組むため、市、市民及び医療機関が果たすべき役割を明らかにし、相互に連携・協力して、地域医療を守り育てるための様々な活動を行うことにより、将来にわたり、市民が安心して良質な医療を受けることができる体制を確保することを目的に制定されました。
条例では、地域医療を守り育てるための、市、市民及び医療機関の役割を明らかにしています。市の役割は、救急医療体制の維持及び強化、医師の確保、保健や福祉との連携などの基本的施策を策定し、実施すること。市民の役割は、かかりつけ医を持つこと、受診に当たっては、医師などの医療の担い手に信頼と感謝の気持ちを持ち、その指導と助言を尊重すること、夜間又は休日の安易な受診をしないことなどに努めていただくこと。医療機関の役割は、患者の病状に応じた機能分担と連携により地域医療を充実させること、患者との信頼関係を築くこと、保健や福祉との連携を図り、在宅医療に取り組むことなどに努めることと明記されています。
このような内容の条例は東北初だそうです。この条例は、いわゆる理念条例であり、罰則規定はありませんが、「オールいわきで危機を好機に変えよう!」という意識づけに寄与し、それぞれの立場で課題解決に取り組むきっかけになれば良いと思います。

2017年6月22日木曜日

「秀樹 感激!」ならぬ「龍樹 還暦!」 ~実践家庭医塾~

今日の家庭医塾では、臨床研修医からは、超高齢社会にふさわしい「せん妄」をテーマに学びの経験を発表してくれました。
専攻医は、さすが、家族の力というものをあらためて実感させてくれる事例を紹介してくれました。
また、スペシャルゲストとして、英国の医学生Sheffield大学5年生のJemmaさんが登場!
英国の医学教育についてプレゼンしてくれました。
彼女は、ハイテクな医療・介護ロボットを視察するために、日本を訪問しました。
当日、癒しロボットと出会えて幸せそうでした。

家庭医塾終了後には、Jemmaさんの歓迎会と研修の慰労会を行いました。




実は・・・
家庭医塾のために毎回 遠路いわきまで駆けつけてくださる葛西龍樹教授が、来月めでたく還暦をお迎えになります。
まさに、ハウス バーモントカレーでおなじみの「秀樹 感激!」ならぬ「龍樹 還暦!」状態なのです。
というわけで、いわきが誇る似顔絵ケーキで盛大なサプライズを仕込んでみました。
葛西先生にとても喜んでいただけた様子(多分)で、よかったです。

2017年6月4日日曜日

朝ラーの香り漂うレジデント・フォーラム ~第123回 FaMReF@喜多方~

 麺なしラーメン、ではなく麵が見えない肉の量
 久々の朝ラー体験「ごちそうさまでした」


今回は喜多方開催ということもあり、開会前に名物の朝ラーにチャレンジした参加者が、確認できただけでも6名以上いました。
大変おいしくいただきました。
本日のメイン・プログラムは、いわきチーム2名の専攻医によるポートフォリオ検討でした。
終末期とメンタルヘルスの2領域からの発表でしたが、共通する教訓としては、個々のコンテクストに寄り添った対話を繰り返し、患者さんの理解の程度や受容の段階に合わせて、共通の理解基盤を見出し、それにもとづいて実現可能な目標を設定していくことが、より良いケアのために大変重要な役割を果たすということでした。
そりゃあ、あたりまえと言えばあたりまえの事なのですが、実例を通して再確認し、その都度生まれる改善の余地を見出して、成長していければ良いのだと思います。

2017年6月1日木曜日

今日から始めよう! プライマリ・ケアに役立つ診断学 ~いわき市休日夜間急病診療所開所記念セミナー~


今宵は、まさに新築移転オープン当日をむかえた いわき市休日夜間急病診療所(休夜診)の開所記念のセミナーの講師のご依頼をいただき、お話しさせていただきました。

いわきの一次救急医療を支えるべく、休夜診での診療協力に新たに手上げしてくださった多くの先生方がおられます。その志に敬意と謝意を表します。
一方で、協力医師の標榜科は様々ですので、診療に参加するにあたって「時間外診療のスキルを学びたい」という熱心な声があがり、医師を対象としたセミナーが随時企画されています。
初回のテーマは小児科で、2回目の今回は診断学、次回は妊産婦への対応などが予定されているようです。

本日は、「今日から始めよう! プライマリ・ケアに役立つ診断学」と題し、休夜診で求められる ①緊急疾患を見逃さないコツ、②高頻度疾患の診断に役立つ症候 に絞ってお話しさせていただきました。各論としては、休夜診を訪れる患者さんの中で特に多い「風邪」っぽい患者さんにおける①、②を主にお示ししました。

嬉しいことに、沢山のご質問やご意見をいただき、活発な質疑応答となりました。
先生方の関心の高さや、日常診療の診断過程における疑問の多さを実感しました。
確かに、診断過程は曖昧で不確実でとっつきにくい部分が多いですが、だからこそ言語化できる部分は言語化して、再現性のある教訓を蓄積し、活用していくことが重要なのだと再認識しました。

多くの軽症患者さんが自ら歩いて受診する休夜診では、一見みんな風邪の患者さんに見えるでしょう。
今日のお話が、「きっと風邪だろう」「風邪であってほしい」という根拠のない思い込みを乗り越えて、風邪の患者さんの中に紛れ込んでいる重症患者さんの存在を見抜くための一助になることを願っています。

2017年5月31日水曜日

今宵、いわきの医療は安泰になりました


豆粒みたいな僕らには真似できないような行動力と発信力がおありでご高名な先生のご見解ですので、穴が開くぐらい繰り返し読んで、100回かそれ以上噛みしめ、無い知恵絞ってその真意を理解しようと努力しましたが、残念ながら私には無理難題でした。
ですので、実際にいわきで医療・福祉を支える方々や、いわき市外からいわきを案じてくださっている方々のご意見を伺ってみました。
結果、まことに僭越ながら、発信されている情報には不正確な内容が含まれていることが分かりました。
どこがどう間違っているかを指摘できるような立場ではありませんので、それは差し控えますし、ハッキリ言って そんなことは私にとってどうでも良いことに思えてきました。
なぜなら、本件を通して結果的に私の心の中に生まれた かけがえのない化学反応があったからです。
それは「信頼の確認」です。
極端に人手不足な いわきで医療・介護の現場を担っている人間は、ハッキリ言ってみんな大変です。半端なく…
それなのに、みんなメチャクチャ頑張っているのです。
なぜ続けるのか?
それは…
それぞれが「使命とやりがいと誇り」を持って生きているからだと再認識しました。
逆に言えば、いわきで働くことに「使命とやりがいと誇り」を感じなければ、既にどこか別の土地に転居しているはずですし、とっくの昔に いわきの医療は崩壊どころか消滅していたでしょう。
一方で、人間は弱い者ですから、頑張り過ぎて心身ともに疲弊すると「自分だけが辛い想いをしているのでは?」という考えが大きくなり「うちは頑張っているのに、あっちはサボってる」とか疑心暗鬼になることもあるでしょう。
しかしながら、本記事で批判の対象になっている団体も、賞賛の対象になっている団体も、その現場を支える個々人は、「使命とやりがいと誇り」を持って、日々必死に生き、職務を全うしています。
そのことを再確認させてくださったこの記事は、ある意味スゴイです。
凡人には出来ないスーパーコンピューター並みの驚愕の計算力です。
既に いわきでは、行政・医師会・病院協議会・多職種・市民活動など、一丸となって難局を乗り切ろうと汗水を流していましたが、本件をきっかけに、その動きは加速するでしょう。
結果として、いわきの医療は崩壊しません。
全てに感謝申し上げます。

2017年5月23日火曜日

「縮充」して、地域の魅力を凝縮しよう! ~第8回 日本プライマリ・ケア連合学会 学術大会~

2017512日~15日、第8回 日本プライマリ・ケア連合学会 学術大会(以下、学会)が、香川県高松市を会場に開催されました。「うどん県」での開催だけあって、参加賞として「うどん券」が配布され、学会会場には屋台が…(笑)。コシの強いうどんを美味しくいただきました。

今回は、超高齢社会を見据え、いわき市医師会やいわき市・養生会が近年注力している地域包括ケア、病院外看取りに関する新しい知見を求めて、関連するシンポジウムを中心に参加しました。学会では、地域包括ケアに関する、各地での先進的な取り組みが紹介されていました。いずれも素晴らしい試みでしたが、そもそも今のいわき市と全く同じ状況の地域は存在しないので、そのまま模倣してもうまくいかないであろうことは容易に想像がつきました。
一方で、地域住民一人ひとりが、その地域の風土や特長を活かしながら、自分や家族、周囲の well-being(幸福・健康)の実現に向けて主体的に参加・行動し、結果として地域コミュニティーを住民自身がより豊かなものに変えていこうとする「参加」と「自治」をキーワードとした取り組みには、いわきでも参考にできる部分が多いと感じました。気候が穏やかで、観光資源にも恵まれ、農林水産業や工業も盛んな当地のアドバンテージを「参加」と「自治」の住民力で最大限に活用できれば、いわきはまだまだ頑張れると思います。

更に、鹿島地域の動きと照らし合わせて考えてみました。学会のシンポジウムを通して、「医商連携」「一円融合」のまちづくりを目指す鹿島地域の取り組みを加速させるためには、「参加」と「自治」に加えて、「縮充」という発想が重要であることに気付くことができました。縮充の語源は、ウールをアルカリ水のなかで揉むとできる、縮んで中身の詰まったフェルト状の素材(縮充ウール)です。縮充は縮小でも縮退でもなく、かといって拡充でも補充でもありません。縮みながら充実していくという発想です。人口を増やすとか、市街地を拡大するとか、経済成長を目指すようなまちづくりは、これからの人口減少時代、殊に原発事故にともなう避難から帰還への動きが加速し、更に小名浜にオープンするイオンモールとの競合が必至となる当地には不向きで、これからはむしろ縮充のまちづくりが求められるでしょう。縮充という視点から言えば、人口が減ったとしても積極的にまちづくり活動を展開する人の割合が増えれば良いのです。「自分たちのまちは自分たちで経営していくんだ!」という意識を共有する人の割合が増えることが重要であり、そういった意味では鹿島地域における地域住民主導の熱い取り組みは、超高齢社会を乗り切る「鹿島モデル」として世界に発信できる先行事例に発展する可能性を秘めていることを確信して帰還した次第です。

2017年4月23日日曜日

仲間が増えるということ ~第122回 FaMReF~

新年度最初のFaMReF
新しいレジデントと指導医を迎えての開催
新しい風が吹き込むと、新しい視点も加わって、ディスカッションにも深みが増すことを実感して、なんだか嬉しくなった
嬉しくなったので、お酒がいつもより美味くなって歓迎の宴は深まっていくのであった…




移り行く敗血症 ~実践家庭医塾~

今回の実践家庭医塾は、2016年に15年ぶりに改定された敗血症の新定義「敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第3版(Sepsis-3)」をネタに救急領域の発表。

新定義では臓器障害を伴う病態のみを「敗血症」とし、旧定義における「重症敗血症」という用語は消滅した。
そもそも敗血症は重症ということで…
また、診断基準としてSOFAスコアが採用されたほか、ICU外の場でのスクリーニングツールとしてqSOFAスコアが新たに考案されるなど、大幅に変更されている。
敗血症は集中治療室だけでなく、一般病棟や救急外来、急性期病院以外の場においてもよく遭遇するため、定義・診断基準の改定内容を把握することは、家庭医にとっても重要である。
旧基準のSepsis-2は、初代Sepsis-1定義と比べて診断基準の項目数が多く、臨床現場であまり活用されていなかった。その点、Sepsis-3でICU以外でも評価が簡便な「qSOFAスコア」が考案されたことは、より多くの臨床現場で役立つ基準に改良された感がある。
今後の日常診療に活用していきたい。

2017年4月1日土曜日

帰宅部 新入部員 大募集!!!

新年度ですね。
当法人では、新入社員を迎え入れるにあたり、健全な業務管理を推進するために、帰宅部活動を理事長公認で推進しています。
業務時間内にキッチリと仕事をこなし、定刻になれば後ろ髪(もともと私には後ろ髪が無いが…)をひかれることもなく疾風怒濤の如く職場からバイバイ菌!
無駄なやる気を出さずに、業務終了と同時に一目散に職場を後にする習慣さえ身につければ、初心者のあなたでも、すぐに帰宅部のエースをねらえます。

日頃の逃げ足の速さが発揮されるのか?
不定期で開催されるオフ会に遅刻する者は皆無!
帰宅部では、本日「残業ゼロ&オフ会遅刻ゼロ」3670日を達成し、現在進行形でギネス記録更新中なのです。

また、帰宅部の姉妹部で、理事長が代表を務める「かしまRC(Runners Club)」への入部も併せてお勧めします。
帰宅部で培った逃げ足の速さを活かし、各地のマラソン大会で好記録続出の実績ある部活動です。
帰宅部同様、面倒くさい定期練習や合宿等は皆無!
強いて挙げれば、地元が誇る「いわきサンシャインマラソン」の直前になって、慌てて「リハーサル&作戦会議」らしきものを年に1回やったり、天気が悪ければあっさり中止だったりという帰宅部に負けず劣らずのテキトーさなので、帰宅部との兼部も余裕で可能です。
併せてお気軽にご相談ください。

ちなみに、「帰宅部」、「かしまRC」ともに、入部資格はありません。
法人の職員である必要もありません。

どなた様もお気軽にお問合せください。
詳しくは

 

2017年3月18日土曜日

羽ばたく10の翼 ~第121回 FaMReF~

今年度、当講座は5名の精鋭達を福島産の家庭医として世に送り出します。
10の翼がそれぞれの色をのせて羽ばたいてゆきます。

今日のFaMReFのメインプログラムは、専攻医 第8期生らの研修修了記念講演です。
一人ひとりがそれぞれに真摯に家庭医療に向き合い追究し続けた福島での3年間を振り返り、渾身のプレゼンテーションをしてくれました。
これから専門医を取得していく彼らですが、その後も生涯にわたって家庭医として自ら学び続ける準備が整ったことをプレゼンテーションを通して確認することができました。
みんながそれぞれの強みをこれからもどんどん伸ばして成長していくのが楽しみです。