2021年12月21日火曜日

他の医師が匙を投げた患者を好んで診たがる ちょっと変態な医師


総合診療医、と聞いて皆さんはどのような診療をおこなう医師なのか?

なんらかのイメージが湧きますでしょうか?

総合、と言うからには、基本的に何でも屋さんなわけなんですが、ただ単にとりあえず何でもかんでも診る、というだけではなくて、患者さんのとらえ方や医療のあり方に関して総合診療医は、共通のある特徴的な考え方に基づいて行動しています。

その方法論が、患者中心の医療の方法です。

言い換えますと、総合診療医というのは、患者中心の医療の方法が上手に実践できるように、生涯をかけて修行し続けるお医者さんということになります。

ところで、患者中心の医療の方法とはどんなものでしょうか?

実は、その概要を解説するだけでも分厚い本一冊が完成するぐらい奥の深いものなのですが、わたくし自身、機会がありリハビリテーションについて学びなおした結果、驚くべき発見がありましたので共有させていただきます。

 実は「リハを学ぶと総合診療医が完成する」と言ったご高名な先生がおられるほど、リハには、患者中心の医療の方法を上手に実践するために必要な考え方が満載であることを、私自身もリハを勉強していく過程で発見しました。これは大きな気づきでしたし、とても驚きました。

しかし、残念ながら、現行の研修プログラムの多くは、系統的にリハを学べるものではないので、総合診療専門医を取得するだけでは、リハについて充分な知識や技術は身につきません。必然的に、総合診療医の多くは、リハに対して苦手意識を持っています。

しかし、総合診療医は 実はリハの考え方への親和性がもともと高いです。

総合診療医にとって多職種協働の視点は基本です。

何とかしたいという想いを共有しケアの改善に活かそうとする習性があります。

また、医学的介入による治癒困難事例であっても、総合診療医の守備範囲ですし、

リハに終了が無いように、お看取りまで、場合によってはその後も、残されたご家族を対象とした継続的ケアも特徴づける能力の1つです。

人生の どのステージにおいても必ずあるできることを見出そうとする習性があります。

総合診療医の幅広い視点は…

リハの深い機能評価と、生活機能向上・支援の視点と、とても融合しやすいと思います。

そして、総合診療医が高めようとする能力は、地域ニーズへの柔軟な対応であって、

自身の専門領域や関心で制限されることはありません。

また、今の日本における地域リハのニーズとして、老年症候群による要介護者の急増や、慢性臓器障害の増加があって、従来の医学的介入では根本的な改善が期待できない場面が多いわけですが、人生の どのステージにおいても、必ずあるできることを見出そうとチャレンジすることは、総合診療医の能力を高めることに直結します。

更に、医療者不足を補うためには、健康増進活動が必要ですし、不要な延命や救命の抑制も求められますが、これはまさに、健康増進と疾病予防、老年医学、終末期ケアを守備範囲にする総合診療医が頑張るべき領域だと思います。

 わたくし自身が学びながら気づいた、総合診療とリハの共通点ですが、とにかく「患者のとらえ方、医療のあり方」における考え方が同じなんです。

まず、身体疾患だけにとらわれることなく、患者・家族の考え方や感じ方への対応や、患者を取り巻く環境への配慮を重んじます。

「疾患の根絶」「病因さがし」だけでなく「健康度向上・社会活動参加→QOL向上」「健康になるための要素やケアに役立つ資源がないか?家族だけでなく、近隣の人々なども含め、とことん探します」

ケアの対象外という概念がありませんので、多くのお医者さんが嫌がりそうな、問題が多岐にわたって複雑であったり、ケアが困難な事例ほど、かえって萌えます。

また、教育・研究、地域ケア・行政への関わりも視野に入れています。

総合診療医ならこんなリハが提供できそうだな?というイメージは湧きましたでしょうか?

総合診療医が心がけていることとしては、患者の意向を引き出し、それを反映したゴール設定をすること、家族の負担に配慮して、家族機能や生活環境の調整や再構築をサポートすること、多職種の専門性を最大限に活かして、分からないことは分かる人に聞き、任せられるところは専門職に任せるということ、家族会議や人生会議を促進すること、慢性臓器障害や老年症候群への対応、特に、エビデンスとコストのバランスをとった方針決定、包括的視点の総合評価が求められていることを認識して行動します。

そして、予防から急性期、看取りまで責任をもって、一貫した継続的ケアを提供します。

結局のところ総合診療医は、なんでもありなので、なんでも気軽に相談していただけるとありがたいです。

特に、複雑な問題を抱える困難な事例ほど、すこしでも良い方向に運ぶためには、みんなで知恵を出しあう必要があります。

そういった事例を数多く経験することが、総合診療医の実力を上げるための筋トレになりますし、そういった事例に好き好んで立ち向かっていく、ちょっと変態なお医者さんが、総合診療医ということでしょうか(笑)


 

2021年11月7日日曜日

セクシャルヘルス/性を考慮したケア ~167回 家庭医療 レジデント・フォーラム~

本日の家庭医療 レジデント・フォーラムの指導医レクチャーのテーマは、セクシュアルヘルス/性を考慮したケア、いわるゆるセクシュアルマイノリティーでした。

しかし、セクシャルマイノリティーと言われるLGBTQ+の方々が、マイノリティーと表現するにはあまりにもコモンな問題であることを再認識しました。

なんせ、11人に1人が抱える問題だからです。

これは、左利きの人の比率に匹敵する多さですので、プライマリ・ケアに従事する私共にとって需要な課題です。

そもそも、LGBTQ+は、性的少数者を表す言葉のひとつとして使われています。

  • L:女性の同性愛者(レズビアン)
  • G:男性の同性愛者(ゲイ)
  • B:同性愛者(バイセクシャル)
  • T:こころとからだの性の不一致(トランスジェンダー)
  • Q:こころの性別、恋愛の方向が定まっていなかったり、その変化している途中であるなどの人々(クエスチョニング)

それらに加えて、それ以外の性を表す「+(プラス)」を付けて LGBTQ+ という言葉が使われるようになってきました。
また、LGBTQ+のことを理解し、応援する人のことを「ALLY(アライ:味方、支援などを意味する英語が語源)」と呼びます。

これだけ多くの LGBTQ+ の方々が’おられるということは、カミングアウトされている方々以外に、それをせず(出来ず)にいる多くの方々が潜在していることを意識したケアが求められることを知ることが出来ました。





複雑な想いに対して柔軟な対応ができる家庭医の存在はとても重要だと再認識しました。






2021年10月17日日曜日

家庭医の予防医療 ~第166回 家庭医療レジデント・フォーラム ~

本日の家庭医療レジデント・フォーラムのテーマは予防医療・健康増進でした。
「家庭医は患者さんとの接触の機会すべてを疾病の予防の機会ととらえる」という格言があります。
それはそうなんですが、実際の診療の現場では、推奨される予防に関する介入すべてを実践するのは、なかなか難しいです。
介入の推奨度から優先度を意識して、院内掲示やパンフレット、問診票の内容などを工夫してスムーズに予防に関する話題に入れるようにしたり、カルテ内で検診や予防接種の実施状況を整理しておいたりするだけで、随分と抜けを防ぐことができそうです。

また、予防医療・健康増進をサポートする上で切っても切り離せないのが、行動変容の促進のアプローチですが、指導医レクチャーでは、分割、前進、利用の3つの手法を用いた解決志向アプローチが紹介されました。

肥満の方へのアプローチに関するロールプレイは、あまり危機感はないけれど、漠然と「痩せたい」という願望を持つ患者さんへの短時間の医療面接の中でどこまで行動変容に迫れるか?という感じで、なかなかチャレンジングなものでしたが、皆さん、あの手この手で奮闘されていました。


2021年9月26日日曜日

マインドフルネスの活用 ~第165回 家庭医療レジデント・フォーラム~

 本日の家庭医療レジデント・フォーラムの指導医レクチャーでは、日頃からプライベートでも仕事でもマインドフルネスを取り入れている若山先生から、ワークを交えたマインドフルネスのお話がありました。


ネガティブな思考の反芻や心配事は、うつ病などの精神疾患を引き起こす要因になりますが、マインドフルネスに基づく介入は、反芻や心配を減らすのに有効であるという複数の報告があります。

Querstret, Dawn; Cropley, Mark (2013). “Assessing treatments used to reduce rumination and/or worry: A systematic review”. Clinical Psychology Review 33 (8): 996-1009. 

Gu, Jenny; Strauss, Clara; Bond, Rod; Cavanagh, Kate (2015). “How do mindfulness-based cognitive therapy and mindfulness-based stress reduction improve mental health and wellbeing? A systematic review and meta-analysis of mediation studies”. Clinical Psychology Review 37: 1-12. 

1970年以来、マインドフルネスの臨床応用が開発され、心の健康に関する問題の予防や治療効果があるようです。

すぐに自身の診療に活用するのはなかなか難しい概念のようにも感じつつ、振り返ると実はすでに無意識のうちに活用している部分もあるような…

自身の日常では、ひたすらランニングしている時が、この状態に当てはまるように思います。

その瞬間 瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれない状態で、ただ観るとという境地を目指していきたいと思います。

2021年7月29日木曜日

家族機能のアセスメント ~第164回 家庭医療レジデント・フォーラム(特別編)~

2021年7月25日開催の家庭医療レジデント・フォーラムは、東京慈恵会医科大学附属病院 家族支援専門看護師の児玉久仁子さんに講師を務めていただき、家族機能のアセスメントについてかなり深いところまで突き詰めて学びました。

児玉さんの講義によると、よく言う家族療法はシステム的家族療法で、システム論1980年代までに発展し、そこに徐々にナラティブアプローチが加わり、以降の世代に広がっていて、家族看護は看護学のアプローチが加わっていったもので、メディカルファミリーセラピーは、身体・精神・社会モデルに準じて行われる家族療法で、これが総合診療医になじみ深い家族志向のプライマリ・ケアという位置づけになるそうです。

家族志向ケアでは、ヘルスケアの主役は家族という背景を持った患者であり、治療者もシステムの一部であると考えるのですが、臨床家もシステムの一部というのは、歴史的に新しい考え方のようです。

今回は特に家族システム論の中の家族機能について掘り下げて学びました。

家族機能には相互作用の連鎖(パターン)があり、一定のルールに則った特徴的な行動パターンが繰り返されます。

そこには原因と結果があり、通常では原因をなくすようにアプローチするわけですが、家族関係に当てはめると上手くいかないようです。例えば、アルコールを飲むので生活習慣病の管理が悪いケースで、本人の立場は「妻が怒るからお酒を飲む」というので、妻が怒らなければ解決するのかと思えば、妻からすれば「夫が朝から飲むから怒る」という具合に、悪循環は、それぞれの相互関係で巻き起こっていて、原因はシンプルではないということです。


家族の相互作用を確認し、やりとりを細かく聴取し、ここでは「何があったか」に焦点し、「誰が悪い」「何が悪い」ではなく、「誰も悪くない」とはっきり伝えることが大事で、アプローチポイントは、ネガティブなフィードバックをせずに、実践の中で出てきているポジティブな部分、家族の良いところを探すことのようです。

問題そのものに切り込むのではなく、その背景にある良い部分にフォーカスすることが、悪循環を好転させるきっかけになるようです。


専攻医が提示した事例は、まさに、自宅退院を希望する患者とそれを頑なに拒む家族に対し、家族の行動の背景に潜む優しさや几帳面さに気づきフォーカスしたところ、八方ふさがりにみえていた事態が、一気に好転するというものでしたので、このアプローチの有用性を実感できるものでした。



2021年7月22日木曜日

指導医のモヤモヤについて気軽に語り合おう!


2021年7月21日、初めて開催された「ふくジェネトレーナーズラウンジ(ジェネトレ)」に参加してみました。ジェネトレは、福島県⽴医科⼤学 医学部 総合診療医センター主催の指導医向けオンライン講習会で、指導医養成が専門領域の及川沙耶佳先生(福島県立医科大学 医療⼈育成・⽀援センター)をアドバイザーに招き、学⽣や研修医の教育にやりがいを感じながらも、教育に対してモヤモヤや不全感を感じる指導医らが、教育について気軽に語り学べる場を提供する目的で企画されました。

栄えある事例提示のトップバッターとして、先ずは私自身の拙い医学教育の実践例を紹介させていただきました。私が医学生の臨床実習教育を担当する際に注力している点は、なるべく多く実際の臨床経験(患者さんを診るということ)をしてもらうことです。座学や机上の自学だけでは定着しなかった記憶や技術が、患者さんやご家族との関りを通して定着し、学習を促進すると信じているからです。実際に多くの学生は、臨床経験を通して高いレベルの気づきを得てくれます。中には指導医の期待をはるかに上回る深い学びを得る学生もいます。一方で、同じように臨床経験を積ませても、その経験の意義をあまり理解してくれない学生もいて、この差はどこから生まれるのか?というモヤモヤがありました。参加者の先生方と賑やかに語り合いながら、私のモヤモヤについても共感していただきました。

その後、アドバイザーの及川先生から私の事例について解説をしていただき、経験的学習理論の理解が重要であることを知ることができました。やみくもにたくさん経験させるだけでなく、学生の過去の経験とリンクして、もともとある知識と関連化し臨床に応用できるように、指導医として、一人ひとり違う学生に関心を持ち、それぞれにとって最適な気づきの促進の仕方を探求していこうと思います。


2021年6月26日土曜日

家庭医療/総合診療 サマー・オンライン・フォーラム 2021

 福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座では、家庭医療/総合診療を学びたいという医学生・研修医向けに、2006年から毎年サマー・フォーラムを開催しています。

 第1部では、在宅医療をテーマに、家庭医とともに訪問診療を疑似体験できるワークショップでした。参加者はこのセッションを通して、患者の病状にフォーカスした視点、家族・社会背景を含めた全体を見渡す視点、流れを読み戦略を練り実行する視点、これら3つの目を駆使して、より良いケアに活かしていく患者中心の医療の方法の有用性や楽しさ・やりがいを体感できたようです。

 第2部では、健康の社会的決定要因をテーマに、患者の現状を整理し、そうなっている原因を探り、実現可能な具体的な支援を導きだすワークをおこないました。健康の社会的決定因子には、収入・教育・住居・医療サービスへのアクセス・幼少期の体験・社会的支援・コミィニティ・仕事・食事や栄養状態などがあります。これらの状況をそれぞれ確認することで、いま起きている問題点が整理しやすくなり、更に、何故そうなっているのかを分析することで、これからの戦略が立てやすくなることを実感することができました。

 このサマー・フォーラムは、昨年からオンラインでの開催となっていますが、今年も医学生・研修医を中心に40名を超える参加があり、大盛会となりました。



2021年6月12日土曜日

情報の鵜呑みにご注意を! ~第163回 家庭医療 レジデント・フォーラム~

 

今回のメインテーマは「論文との上手な付き合い方」でした。
コロナ禍の影響で、休憩時間に医局でくつろいでいる時に、製薬会社のMRさんから予定外の情報提供を受けることは皆無になりましたが、以前は、自社製品の有用性を示す論文を紹介するために、熱心に足しげく病院を訪問されるMRさんが数多くおられました。
そういった場合、研究のスポンサーが製薬メーカーだったり、その他あやしいことこの上なくて、わざわざ時間をかけて目を通す気が失せるわけです。
今回は、一流雑誌に載るような、一見して自身の診療に活用してもよさそうな立派な雰囲気のいくつかの論文を、専攻医3名が紹介・明快な解説をしてくれました。しかし、丁寧に批判的吟味をしていくうちに、やはり鵜呑みにできないものが潜在していることを再確認する結末となりました。
葛西教授によるシネメディケーションでは、ウイルス感染症パンデミックを描いた映画「コンテイジョン」を教材に、映画で描かれている不確かな情報に惑わされパニックに陥る人々と、現在のコロナ禍にある私たちの状況を重ねて、家庭医として、最新で最良の医学情報の活用と、情報の発信をしていくという私たちの役割について議論しました。



2021年5月19日水曜日

世界家庭医の日

 519日は世界家庭医の日です。この家庭医の日は、世界中の医療システムにおける家庭医とプライマリ・ケア チームの役割と貢献にハイライトをあてる日として、世界家庭医機構が2010年に制定しました。「なぜ519日なのか?」それは私に質問してはいけません。なぜなら、私が調べた限り理由は不明だったからです(笑)。正解が分かった方はコッソリ教えてくださいね(笑2)。

この日が制定された経緯や日付の由来もよくわからない私が言うのもなんですが、普段とても地味で地道に、あたりまえで身近な医療を、身近な皆さんに、包括的かつ継続的に提供している家庭医が、年に一度ぐらい主役として注目される日があってもいいな~って思います。

2021年の世界家庭医の日のテーマは「家庭医と未来を構築しましょう!」です。そして、より良い未来に向けて課題を克服するための要員として、4つのパートナーが示されています。

1つめは「プライマリ・ケア チーム」です。言うまでもなく、多職種連携はより良いケアの要です。

2つめは「患者さん」です。医療の利用者である患者さんが、医療の提供者側に全部お任せすることなく、主体的にケアに参加することは、質の高い患者中心の医療を実現するための源です。

3つめは「最新の技術」です。患者さんが最新の技術や知見による恩恵を適切に享受できるよう常に自身の医学知識をアップデートし続け、適切な医療連携を提供することは、家庭医に課せられた重要な使命です。

そして、最後の4つめは「あなた」です。家庭医は「あなたの専門医」です。あなたの脳でもなく、心臓でもなく、胃腸でもなく、あなたとあなたを取り巻くすべての環境や状況、あなたの大切な人たちやペットや物、すべてをひっくるめて、いまのあなただけでなく、昔のあなたも、これからのあなたも、あなたのお子さんも、お孫さんも、ずっとずっとケアし続けていきたいと考えています。

いまのところ、家庭医の日を知る人は相当のマニアだけかもしれませんが「打倒 父の日!」ぐらいの気概で頑張っていきます(笑3)。



2021年4月4日日曜日

新専攻医オリエンテーション ~第162回 家庭医療レジデント・フォーラム~

 4月の家庭医療レジデント・フォーラムは、新人のオリエンテーションがメイン。

今年度もめでたく3名の新専攻医を迎えることができました。

当面オンライン開催が続きますが、移動時間が要らない分、どうしても外せない別の業務と重なっても、部分参加しやすいのはありがたいです。

私たちが生涯かけて追究し続けている、プライマリ・ヘルス・ケアというものの本質を再確認する時間となりました。




2021年4月1日木曜日

こんな夜更けに登山かよ! ~秘境への往診の巻~

年度末と年度初めをまたぐ夜間往診のオンコール当番

今宵の出動はあるのか?

「暇だな~」なんて思っても、決して言ってはいけないのがこの業界の掟

実際に言ってみたらどうなるか気になって仕方がない

我慢しきれず、思わず「暇だな~」って、言ってもうた~

というわけで、その瞬間を境に電話が鳴りっぱなしとなりました

市内一円に大車輪の出動・周遊の旅となりました

極めつけは、低山しかない いわき市にありながら、険しいことで有名な二ツ箭山の ぽつんと一軒家さんからの往診ご依頼…(汗)

こんな場所↓

その後どうなったのか? 詳しい状況をお知りになりたい方はこちら

https://atsushii.blogspot.com/2013/04/blog-post_6646.html


2021年3月21日日曜日

学習機会の設計 ~第161回 家庭医療レジデント・フォーラム from 大原綜合病院~

本日の家庭医療レジデント・フォーラムも、今となっては標準となっているオンライン開催でした。

本日の家庭医療レジデント・フォーラムでは、コロナ禍で形を変える学習機会について深く考え学ぶ機会になりました。

もともと目的があって行われていた勉強会も、これまで通りの開催が難しくなり、「どうすれば開催できるか?」といった視点に重きが置かれ、ともすると開催自体が目的になることも起こりがちです。

今回のフォーラムを通し、「ニーズ」と「ゴール」を明らかにして学習機会を設計し開催すると、勉強会でのディスカッションを通じて新たなニーズに気づき、新たなゴール設定が創出されるという経験をしました。

ちなみにこれは見やすいスライドのセッションの中で、あらためて腑に落ちた一枚です。



2021年3月14日日曜日

福島から未来を始めよう ~誕生! 日本プライマリ・ケア連合学会 福島県支部~

本日、日本プライマリ・ケア連合学会 福島県支部設立総会が執り行われ、つつがなく支部が誕生しました。

準備段階から私が感じます福島県支部の特長としては、各施設や各専門職の垣根を取り払って、プライマリ・ヘルス・ケア向上のために、互いの立場から情報を発信し、一致団結して協力し合って高め合っていこうという共通認識が強く感じられるというところです。

言わずもがな、福島では他地域では経験のないような困難な状況下で、もがき、試行錯誤して、各持ち場を守り抜き、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び、乗り切ってきた数多の同胞がいます。

いまこそ、これから始まる未来に向けて、それらの英知を結集・共有し、質の高いプライマリ・ヘルス・ケアを実現することで社会に還元する時なのだと思います。

全会一致で福島支部長に選任された、福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 葛西 龍樹 主任教授は、設立記念講演会の締めの一言で、桑田佳祐さんの「SMILE」のフレーズ「ここから未来を始めよう」を引用され、私たちの経験・情報・考え・要望を共有し、プライマリ・ヘルス・ケアの質を高めませんか?と、燃えたぎる熱い想いを表明されました。

設立記念講演会で、プライマリ・ケア認定薬剤師の松木友治先生が語った、プライマリ・ケア認定薬剤師は、制度上の単なる「かかりつけ薬剤師」ではなく「住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるようサポートする薬剤師」です。というフレーズが、個人的に本日 最も心に刺さり、腑に落ちました。家庭医・総合診療医は、制度上の単なる「かかりつけ医」ではなく「住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるようサポートする医師」であるという思いで長年仕事をしてきたので、同じ思いを持ちながらも周りに仲間が少なくて心折れそうになり、それでも信念を貫き通している専門職の方々がいることを確認でき、勇気と活力をもらうことができました。

福島県支部設立の陣頭指揮を執って、多くのつながりを創出してくれた、福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 菅家 智史 先生に、心からの謝意と敬意を表します。 



2021年3月11日木曜日

大切な今を生き 未来を創る ~東日本大震災から10年によせて~

 東日本大震災から まる10年の今日。

発災時刻の午後2時46分には「黙祷」するつもりでしたが、実際は救急対応をしている間に、その瞬間は過ぎていました。

振り返れば、いつもこんな感じで、その瞬間 瞬間を、もがきながら必死に生き、日々を重ねてきました。

その結果、随分と波乱万丈で激動の10年間を過ごしてきたものだと思います。

そこは、我ながら感心するのを通り越して呆れてしまうほど、喜怒哀楽が濃密に煮詰まった世界でした。もしも神様が存在するのなら、随分と激しいお方なのでしょうか?

しかし、瞬間 瞬間を必死に生きて創ってきた今日は、結果がどうであれ、無駄なものは何一つないと信じています。

これからも、大切な今を生き 未来を創っていきます。


2021年2月21日日曜日

コロナ禍を逆手に取ったオンライン診療道場 ~第160回 家庭医療レジデント・フォーラム~

この時期のレジデント・フォーラムは、 例年であれば総合診療専攻医の専門医試験対策を兼ね、臨床技能評価を行うのが恒例となっています。講座スタッフが模擬患者に扮して、対面診察の技能を評価します。

今年はオンライン開催を前提に準備をしていく過程で、これからの時代に益々ニーズが高まるオンライン診療を課題にしてみたら一石二鳥で良いのでは?ということになりました。

で、実際にやってみて本当に良かったと思います。やってみて初めて分かる、普段の診療との勝手が違うポイントや困難さに関して多くの気づきがありました。

診療の様式に合わせて、より良いやり方を模索し、ニーズに順応していくのも、総合診療医にとって大切な役割であり、求められる能力なんだと思います。




2021年2月20日土曜日

コロナ禍でリハビリ動画が繋いだ家族の絆 ~第96回 常磐医学会~

2021年2月20日、今年で96回を数える歴史深い常磐医学会が開催されました。
例年であれば、市内の医療機関で活躍している多職種が一堂に会して学び、直接交流を持ち、演題発表後には盛大な懇親会も催されるのですが、今年はCOVID-19感染対策のため、初のWeb開催となり、懇親会も中止されました。
演題を見渡しても、コロナ禍に関連したものが多く、当院の総合診療専攻医の佐々木聡子先生も「コロナ禍でリハビリ動画が繋いだ家族の絆」と題し、コロナ禍における面会制限下で、患者の想いやリハビリの成果を家族と共有するための新しい試みが、退院調整に寄与した経験事例を報告してくれました。
その患者さんは自宅退院を前提とした回復期リハビリ目的に当院へ転院してきたものの、転院後種々の合併症を発症し、リハビリは計画通り進捗しませんでした。COVID-19流行による家族の面会制限の中、当院での病棟期限が近づいた時点で、家族はリハビリ継続を目的に療養型病院への転院を希望しましたが、主治医の佐々木先生は、本人の意欲を維持・向上させるためには、入院期間を延長することは最善の選択ではないのでは?と感じていました。家族に口頭で説明を試みましたが、意図が充分に伝わらないもどかしさを感じていたようです。
そこで、自宅退院の可否を再検討してもらうため、家族に実際のリハビリの様子を遠くから参観していただいたり、参観できなかった他の家族のために、リハビリの一部始終を動画に収め、皆で供覧し家族会議をしてもらったりした結果、各種サービスや同居の家族のサポートを得ながら介護や看護の指導を行い、当初の目標(自宅退院)が実現しました。
百聞は一見にしかずと言いますが、時間を割いて多くの言葉で説明しても伝わらないことが、写真1枚や動画1本で伝わってしまうことはよくあります。
直接会って相談できるのがベストですが、それができにくい今、電話の音声だけでは伝わりにくいことを、動画やTV電話などを駆使して伝える工夫がとても重要になっています。


2021年1月24日日曜日

慢性の健康問題こそチームプレーのみせどころ ~第159回 家庭医療レジデント・フォーラム from 保原~

本日の家庭医療レジデント・フォーラムも、今となっては標準となっているオンライン開催でした。

本日のメインテーマは「慢性疾患のケア」

継続的に長期に患者とかかわる家庭医にとって、慢性疾患のケアは、それ自体が腕のみせどころですし、最大のやりがいでもあります。

しかし、実際に家庭医が患者さんと共有できる時間は、患者さんの人生全体からみると、ほんの僅かですし、患者さんを取り巻く環境すべてに直接的に介入することは不可能です。

これらの足りない部分を補うためには、公的な資源や多職種を巻き込んだチームアプローチを駆使して、継続的な支援を提供し、患者さんのセルフケア能力を開拓していくことが、良好なアウトカムにつながることを再認識しました。

フォーラムのために充分な準備をしてくださったホストサイトの保原中央クリニック のチーム力に敬意を表します。