2018年5月27日日曜日

ほんとの空のもと、大学・大学院の役割を再考してみた ~第133回 家庭医療レジデント・フォーラム @ 福島県立医科大学~

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医大での家庭医療レジデント・フォーラム参加のために、快晴のほんとの空を眺めながらの、いわき→福島への移動…安達太良山が美しい!

冒頭の中村光輝先生渾身の指導医レクチャーの中の格言「臨床研究にとって最も重要なのは、臨床上の疑問と研究デザイン」
専攻医開始時に大学院進学は100%ないと考えていた彼が、研修修了時には100%大学院進学したいという真逆の考えにたどり着いた経緯を分かりやすく解説してくれました。
殊に、プライマリ・ケア領域の研究においては、第一線の臨床医ほど有用な臨床上の疑問にたどり着くことができる…つまり、良い研究者になることができる!
そのことを再認識し、アイディアあふれる研究に取り組みたいと思うことができる素晴らしいセッションでした。


専攻医によるポートフォリオ検討では、認知症末期の栄養管理に関する方針決定において経験した本人の意思を尊重するプロセスについての学びが示されました。
終末期の意思決定は、患者本人はもとより、家族・背景、社会状況ぜーんぶをひっくるめた配慮が必要なので、患者中心の医療の方法実践の集大成の場だと思います。

続いて、講座の女性専攻医が企画し、女性医学生を対象に開催したプライマリ・ケアの勉強会「プライマリ女子の会」の活動報告
女性の家庭医としてのキャリアや日常を身近に感じることができる機会は、女性の医学生にとってとても興味深いようで、多くのライフイベントに実際にどのように向き合ってきたか?についての生の体験談を共有し、まずは知ってもらい、安心して進路を選択してもらえるような企画に発展することが期待されました。

女子会企画に引き続き、午後もリクルート関連の指導医レクチャー
企業秘密的な部分があるので詳細はひかえますが、まずは私達一人ひとりが、それぞれのフィールドで誰にも負けない何かを見つけ追究することが、選ばれ生き残るための道標になると思いました。

大学開催ということで、かな~りアカデミックなムードで展開し、日頃の臨床を見直す良い機会となりました。


2018年5月17日木曜日

きめ細やかな個別ケア ~実践家庭医塾~

今宵の家庭医塾は、初期研修医と指導医から2本立ての発表!

研修医からは、ジェネリック医薬品に関する話題提供がありました。
日頃あまり深く考えていなかったテーマですが、諸外国に比べてジェネリックがあまり普及していない事情・事由が示され、小グループ・ディスカッションは大いに盛り上がりました。
あらためて考えてみると、確かに日本の制度内では患者さんが、ジェネリックのメリットを実感・理解しにくいし、そこまでお得感を得られないかもしれません。加えて、安全性を検証するシステムや有害事象が発生した場合の補償体制も不十分に感じます。
そもそも医療費削減が目的であれば、特許切れと同時に先発品の薬価自体を下げれば良いのでは? など、様々なアイディアが飛び出しました。
いずれにしても、一律に物事を進めるのではなく、患者さん本人と医師の考えをバランスよく考慮し、個別のケアが重要であるということ、つまり、ジェネリックの問題ひとつとっても、私たちがいつも大切にしている患者中心の医療の方法の実践につながっていくことを再認識しました。

続いて、専門医試験の準備でケツカッチンなスーパー・ドクターF(SDF)から、徐々に死期が近づきつつある不安定な状態の高齢者の意思決定の支援のおなはし…
いわずもがな、高齢者のケアにおいては、悩みどころ満載で、考慮すべき要素が多いこと多いこと…
そこは いぶし銀レベルのSDFですので、Jonsenの4分割法などを活用しながら、独居の終末期という、自宅への退院が かな~り絶望的な状況にも関わらず、ご本人の意向を見事かなえる形での在宅ケアの導入!
安定の問題解決能力を発揮した過程と結末が示されました。