2019年2月21日木曜日

Clinical Skills Assessment ~実践家庭医塾~

今宵の実践家庭医塾では、F先生から 日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医試験で用いられている臨床技能評価法 Clinical Skills Assessment;CSA の紹介がありました。
CSAは、評価を受ける者(医師役)が模擬患者の診療にあたり、その技能を評価します。
福島県立医科大学の家庭医療学講座でも、CSAを用いていますが、評価基準として、英国 RCGPで専攻医のトレーニング中に利用される、診療所外来のフィードバックツールを用いています。1回の診察ですべての項目を満たさなければならないわけではありません。専攻医がこれらの能力をすべて獲得できていることを、数回のセッションを通して確認するためのツールです。

【Consultation Observation Tool:Detailed Guide to the Performance Criteria】
PC1 患者が診療に積極的に関われるよう促している
 この項目は医師のアクティブリスニングスキルや、オープンクエスチョンの使い方、不要な会話の妨げ、非言語的メッセージの利用についての評価です。ただ、多くの診療では促すことの必要性は低いです。促しが必要なときに適切に対応できるか、という点の評価です。
PC2 患者の問題の深い理解につながるようなサイン(キュー・きっかけ)に反応している
 この項目は、重要なキューに対応できているかどうかの評価です。患者の非言語的なキューに対して反応できているでしょうか。キューに対する医師の反応は、言語的反応(動揺や心配している患者への声掛け)、非言語(沈黙の使用)、動作(体勢を変える、患者に触れる、ティッシュを差し出す)などのいずれもあり得ます。
PC3 主訴をコンテクストを通して理解できるよう、心理社会的情報を適切に利用している
 医師には、健康問題の心理的側面、社会的側面(職業的側面を含む)を考慮することが期待されます。それらの側面は事前に情報が得られているかもしれないし、患者が自発的に話すかもしれないし、医師が尋ねて話すかもしれません。健康問題を検討する際に、これらの情報を利用する能力が備わっているでしょうか。
PC4 患者の健康観を探っている
 この項目には「患者の受診理由を探索する」という目的で「Idea, Concern, Expectation」(考え、気がかり、期待)を探索することが含まれます。患者が実際に考えていることを見つけ出すことができるかどうかです。「あなたはどう考えているのですか?」という質問には答えは何も返ってこないでしょう。「あなたに何が起こったのだと思いますか?」「この症状であなたが最も恐れていることは何ですか?」などの質問は、有用な反応をもたらすでしょう。
PC5 可能性の高い疾病の診断に有用な情報を的確に入手する
 可能性の高い診断仮説(鑑別診断)に関連する質問をしているかどうかで評価できます。この能力は診療中のどの段階でも発現されることがある(身体診察中でも、診察後でも、説明のときでも、診療後でも)。この納涼区において、Closed Questionは効果的な質問方法である。健康問題を定義するための一部分として、十分な症状についての情報と病歴の詳細を得られるかどうかです。患者の安全に配慮しつつ、General Practice における疫学的現実も考慮すする必要があります。
PC6 診断仮説に合致した、または患者の関心に合致した、的確な身体・心理診察を選択する
 この能力は、診察の方法の選択を評価する項目です(実施方法の正誤を評価する方法としては適していないため。議論することは可能)。
PC7 臨床的に的確な診断にたどりつける
 臨床的に適切な診断、または診断仮説が作られているかどうかで評価します。
PC8 適切な表現で問題や診断について説明する
 この項目は、患者が抱えている問題に対する説明を評価します。患者と共有された所見の内容、説明内容の質が要点です。優秀な研修者は患者の「健康信念」(PC4で評価した内容)を取り入れます。この能力はPC4が欠如している状態では達成されないでしょう。場合によっては、促さなくとも患者が自分から健康信念を表明するかもしれませんが。
PC9 診断に関して患者の理解を確認する
 この能力は、説明後にどの程度理解されているかを確認できることです。「わかりましたか?」と訪ねて患者のうなずきを確認するだけでは不十分です。積極的に患者の理解を確認することが必要です。「確認のために、今日ご理解いただいたことを教えてください」など。医師と患者の会話で、理解を確認し説明が理解され受け入れられたかを確認することが必須です。
PC10 診療方針(処方も含む)が診断と合致しており、現代の医学知見と照らし合わせて適切である
 治療計画が診断仮説と合致していることはもちろん、現代で認識されている医学知見と照らし合わせて適切であることは必須です。薬剤の選択も「好み」で選ぶのではなく、安全で理にかなっていることが重要です。
PC11 患者は重大な診療方針の決定において選択に加わる機会がある
 治療の選択肢を共有して、医師と患者が共同で意思決定を行うことが求められます。患者の望み、希望も意思決定において検討され(希望通りにいかないこともあり)、エビデンスを参考にした決断を行います。
PC12 リソースを効果的に利用する
 時間を有効に使えているか、他職種を有効に使えているか、など医師が利用可能な「リソース」を有効に利用できているかどうかを評価します
PC13 再診の間隔および再診が必要な条件を明確にする
 この項目は、受診を効果的に活用できるようにするために必要です。いつ来るべきか、どんな状況であればどうするべきかを患者に伝えられているかを評価します。

これらのことができているかを模擬診察を通して評価されるわけですから、ほとんどの被検者はキンチョーするし、普段の診療の通りにやるのは難しいですが、実際にやってみると、自身の癖や抜けやすいところに気付いたり、とても勉強になるようです。


2019年1月24日木曜日

終末期の肺炎について考える ~実践家庭医塾~


超高齢者が、肺炎で入院してきたら、何を考えてどのようなアプローチをすればよいでしょうか?
臨床研修医が経験事例を通して丁寧にまとめてくれました。
発表者本人が普段あまり考えたことがなかったテーマで、医療人としての視野を拡げるきっかけになったようで、とても意義深いプレゼンテーションとなりました。

    嚥下障害の原因は?
・口腔・咽頭の構造異常
→口腔内・咽頭悪性腫瘍、扁桃腫大、甲状腺腫瘍
・口腔・咽頭の機能異常
→脳血管障害、脳炎、脳腫瘍、MG、筋無力症、
オーラルフレイル
・食道構造異常→食道狭窄、外部からの圧迫(TAAなど)、食道腫瘍、plummer-vinson症候群
・食道機能異常→アカラシア、強皮症、薬剤性

    嚥性肺炎のアプローチは? (抗菌薬以外の肺炎治療を中心に)
ABCDEアプローチ
                                                 大浦誠ら;the journal of therapy, 2018
A Acute problem
B Best positin/Best meal form
C Care of oral
D Drug, Disorder of neuro, Dementia/Derrium
E Energy, Exersice, Ethical

    末期肺炎のAdvance Care Planning(ACP)とは?
なぜACPが必要か?

終末期の患者では患者の意向がわからないことが多い。
→終末期には70.3%が意思決定能力を喪失しているといわれている。
                                                         Silveira MJ et al;N Engl J Med, 2010

終末期がいつからか不明瞭
→認知症、加齢による衰弱の疾患軌跡は全身の機能が低下した時間が長く続き、緩やかに死亡までの間に機能が低下していく。
        Henry C, et al; A Guide for Health and Social Care Staff
→誤嚥性肺炎で入院し初めて終末期肺炎と気が付くといった介入の遅れが生じる。

具体的に何をするか
・経口摂取を継続するか、人工栄養を導入するか、そもそも治療をどこまでするか・・・・

→倫理的問題が強い
Jonsenらの臨床倫理の4分割表を使用。
                                         Jonsen AR, et al;臨床倫理学, 2006

2019年1月18日金曜日

福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座 & CFMD家庭医療/総合診療レジデンシー東京 合同リトリート(第141回 FaMReF)

2019年1月12・13日の両日 開催された第141回 FaMReF…
歴史あるFaMReFの記念すべき第141(石井)回目は、CFMDの皆さんとの合同リトリートという形で賑やかな開催となりました。



初日は
西村真紀先生の 明日から診療所で使えるOC/LEP
葛西龍樹教授の Cinemeducation



2日目は
当講座がガイドする Clinical Skills Assessment
喜瀬守人先生の キャリアに関する考察 

懇親会では、福島までお越しいただCFMDのみなさんと、親交を深めることができ、充実した学び多い2日間となりました。