2012年11月14日水曜日

東京慈恵会医科大学付属病院 臨床研修(地域医療)説明会

福島県立医科大学 家庭医療学専門医コースの研修協力医療機関であるかしま病院(福島県いわき市)が、来年度から東京慈恵会医科大学付属病院臨床研修(地域医療)の研修施設の一つとして新規登録していただけることになった。

そんなわけで臨床研修医1年目の皆さんに研修内容の説明をさせていただくために東京へ
臨床研修医2年目のローテーションとして、多くの研修医の皆さんに来てもらえるようにアピールしたいところだ。


東京へ向かう途中のスーパーひたちの車窓より、ダブルの虹が!

 それにしても、大学病院とはいえ、一期46名って、都会の研修医って多いんだねぇ~!!!
こんなところでも、医師の偏在を実感するのは悲しいが・・・

都会の香りにモジモジ、慣れないスクール形式の会場でのプレゼンにソワソワしながらも、いわきで研修することの意義を自分なりに頑張って伝えたし、一応 笑いもとれたので良しとしよう。
あとは、良い結果を期待するのみ。

2012年11月11日日曜日

ラーメンの名店に学ぶ患者中心の医療面接

客がラーメンを味わうことに集中できるように、店内に仕掛けがしてあることで有名なラーメン店に念願かなって初参戦することが出来た。
全力で食べることだけに専念できるように、座席に座ると眼前にラーメン以外のものが見えないようにしてあるだけでなく、注文前にアンケート形式で、麺の硬さ、スープの濃さなどの詳細を選択記入できる。
本当は細かい好みがあるくせに、普段、店員の方に面と向かうと緊張して「全てお任せでお願いします」なんて言いたい気持ちになる自分としては、大変ありがたいシステムで、自分好みに仕上げてもらった一品を夢中で食べた。
そして、気づいたら器の底が見えていた。


ヤバイ、、、

たしか、前日の最後の食事もラーメンだったのに、まさに内臓直撃!

日常診療でも、本当は医師に伝えたい細かい事情があっても「先生にお任せします」と遠慮してしまう患者さんは多いはず。
そのことを肝に銘じ、日々よりきめ細やかな患者中心の医療面接を心がけることで、患者さんの要望を充分に引き出し、提供する医療のすべてを一滴残さず受けていただけるような、そんな医療人になりたい。

88888888×∞+11111111=∞ ポッキーと関ジャニ∞

ちまたでは、ポッキーの日
つまり、11月11日11時11分なんていうゾロで盛り上がっていたかもしれない時に、
我が家のファミリーカーは、常磐道上り線、ちょうど東海パーキングエリア内で、走行距離メーターが88888888という8が8つ並び米寿×4で非常におめでたい瞬間を迎えていた。

更に不思議なことに、向かう先は、
東京ドームの関ジャニ∞のコンサート。
8が転じて末広がりが無限大である。
弾丸トラベラー一家を支える愛車の晴れ舞台と言えよう。
ちなみに、ジャニーズのチケットは家族分ゲットしにくい仕組みになっているので、我が家では、女子会をドーム内で、男子会をドーム外(アソボーノ:我が家の託児所)で行なうという“ならわし”になっている。

2012年11月10日土曜日

地域・家庭医療学講座の未来を語ろう! (第77回 FaMReF)

<第77 Family Medicine Resident Forum (FaMReF)@郡山>

今回はスケジューリングに問題があったらしく、こじんまりした開催となったが、そこは少数精鋭!
いつもよりもフランクかつ活気あるディスカッションが実現した。



Reflection of the Month 思春期診療」
   後期研修4年目 若山隆先生

身体症状を訴える中学生のケアに関わった経験をもとに、思春期特有の心理・社会的問題への対応について学んだ。
オープンクエスチョンによる沈黙の長さ、背景に潜む問題抽出の難しさ、患者が医療機関へ期待することを理解する難しさなど、思春期の患者の特徴を意識したアプローチの重要性を実感した。

複雑に絡み合う複数の背景を、出来る限り深く理解してアプローチしていきたい。


② あっちゃんの考える診断学「腹痛編」
  助教 石井敦
数多い腹痛患者の中から重篤または緊急性のある疾患を見逃さないコツについて、実経験症例をまじえて検討した。

フロアの活発なボケとツッコミのお陰で、テンポよく楽しく学べたと思う。
それにしても腹痛の原因は多岐にわたるので、腹痛診療に簡易なマニュアルは馴染まず近道は存在しない。
急がば回れの精神で、患者さんごとに一人ひとり丁寧に診療することが、結局は最も近道で間違いが少ない道であることを再認識した。


地域・家庭医療学講座の未来を語ろう
  助教 川井巧先生
講座について日頃思っていることを、みんなで言葉に表出してみた。
フリーディスカッションを通し、苦境の中にある福島においても、前向きに家庭医として成長していこう。家庭医としてできることを続けていこう。という共通認識を共有・再確認することができた。



<第77 FaMReF@郡山 第2部 (夜のFaMReF) 1次会>
いけす料理の名店「黒潮」で、女将の勢いに圧倒されながら、旨いものジャンジャン、バンバン食べちゃうよ!


さっきまで泳いでたアジもウマヅラもみんな活き造り!
うーん、確かに馬面してる。
命を頂戴する以上、残った骨も唐揚げにして残さずいただきます。


<第77 FaMReF@郡山 第2部 (夜のFaMReF) 2次会>
確かにやりました。


1次会で鱈腹食べておきながら「別腹」と言い訳しながら〇~メンを・・・

2012年11月8日木曜日

福島発 地域医療再生のキーワード:非常識と創生

傷つきまくりの福島の崩壊した地域医療を再生するためにはどうしたらいいか?
福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座では、限られた人員ながらスタッフ一同、知恵のある者、ない者(=俺)、みんなで意見を出し合って今後のことを考えている。

医療従事者が減少した地域の医療現場では、残る医師や看護師に負担が集中する。その結果、ますます限界を感じて離れて行ってしまうというのが、医療提供スタッフ減少の負のスパイラルと考えられていて、まさに、今の福島は県全体がそのような状況に陥っている。

ゆえに、一旦 負のスパイラルに陥ってしまった地域の医療を再生することは、常識的に考えてヒジョ~に困難である。

だから、思い切って非常識的に考えてみた。

そもそも・・・

本当に地域医療は崩壊したのか?
再生させる必然性はあるのか?
素朴な疑問に立ち返った時、もともと地域医療と呼べるものは無かったんじゃない!
という結論に達した。

もともと無いのだから崩壊もしてないし、そんなもん再生する必要もない。

全く違うちゃんとしたものを新しく創る、つまり創生すれば良いのだ。

「創生」

なんかドキドキするよね、この響き。

そもそも地域医療は、電気・ガス・水道などのライフラインと同じく、日常生活の安定のために欠かせない、とっても公共なものである。
国民の生活がある限り、その網の目は隅々まで通っていなければならない。
ところが、これまでの仕組みでは、私的な医療機関は病院も診療所も好きな場所を選び、医師は好きな科と好きな働く場所を選び、それで満たされない部分を公的な医療機関が必死に人を集めて埋めている。
医療を提供する側が過酷な労働環境に耐えかねれば、そうでないところに自由に鞍替えできる。
当然、過酷な労働環境のところは、いつも人集めに奔走しなければならないという非常に不安定な供給体制である。
たしかに福島では原発事故の影響でその流れが一気に加速した。
しかし、もとのしくみを変えない限り、これは福島だけの問題ではない。

「いまのままでは、いずれ日本全域で福島と同じことがおきる」

いまこの場で、この時を過ごし、この現実を目の当たりにしている自分たちが、このことを強く発信し、死に者狂いで変えていかなければ、他に誰がやるか?

僕は生涯 福島の、いわきのライフラインとして生きていきたい。

なんて言うと格好つけてると思われそうだが、医療を志す以上、そんなこと誰もがあたりまえに持っている感情だと思う。
大事なのは、その個々の想いが実際の行動として活かせるしくみを創ること。

しくみを動かすことができる方々にお願いしたいことは、ライフラインとしての地域医療の整備をもっともっと公的な位置づけに誘導すること。
これは決して、公共事業を増やして無駄金を使うという意味ではなく、地域に必要な医療の内容と供給のバランスを整えるための陣頭指揮をとって欲しいということである。
既存のものをフル活用しつつ、今後の医療資源の配置には随時制限を加えていく。

そうしなければ、医療供給の偏在は益々顕著になるのは目に見えている。

病院での勤務を続けたいのに、過酷すぎるのでやむをえず開業する。
やむをえず開業した先生に診て欲しいか?
やむをえず開業した先生に質の高いプライマリ・ケアが提供できるか?
そもそも、もともとやりたくない仕事を情熱や使命感をもってやり続けられる人はいないだろう。
そんな不幸はもう沢山!

医療圏ごとに医師の定員を設けている英国に比べて、日本では医療供給の地域偏在が顕著である。自由開業制、開業医の専門分化などが地理的偏在を加速させているとおもう。
だからまず最初に、医療の供給体制を地域や診療科目ごとにデザインすればいい。
いわゆる医療過疎といわれる地域も含めて、はじめから必要な医師数を病院何名、診療所何名、〇〇科何名という具合に割り振ってしまうのだ。
諸外国が驚くほど短期間で水道や送電線を整備したこの国に、それが出来ないはずは無い。

これから医療を志す人たちには、地域住民のライフラインとして生き続ける覚悟をもってこの道に飛び込んできて欲しい。
医学部やその他、医療人を選考・育成する立場にある方々には、そういう人間であるか否かちゃんと見抜いて選考し、その資質を大切に育て伸ばして欲しい。
なりたい医師像と実際やっている仕事がマッチしていれば百人力!
それを生きがいと感じることができる人間の集団であれば、多少過酷な環境であっても、互いに支え合って楽しく頑張れるし、崩壊などするはずが無い。

幸いなことに、自分は今の状況の中で働くことは嫌いじゃない。
そして、同じ想いをもったアホな仲間もいる。
福島で働きながら学び、成長できること、そして「非常識」に「創生」なんて大それたことをいって盛り上がれることをありがたいと思っている。

2012年11月6日火曜日

診る前に「専門外」とはいかに?

患者さんを、疾患の領域で区別するという発想が無い家庭医にとって、専門外という概念はしっくりこない。

だから、

「専門外なので診れない」

プライマリ・ケアの現場にもかかわらず、患者を診もしないでそう発言する医師が存在することに愕然とする。
もちろん、専門の科が明確で、その主張が妥当な場合はあるが、
少なくとも、
「私は地域のプライマリ・ケアを担っている」
日頃そのように発言されている先生方には、患者を診る前に「専門外なので診れない」とは言って欲しくない。

そもそも、専門外かどうか?(自分に対応できるかどうか?)
軽症かどうか?
軽症に見えるが実は重篤な疾患の可能性が否定できないのか?
そこで対応が困難なのであれば、どこの何科に行けばよいのか?
そういったことを患者を診て判断するのがプライマリ・ケアを担う医師の重要な役割であり、求められる能力であり、たとえ他科専門医の治療が必要な状況であっても、かかりつけ医として果たすべき役割は、その治療前にも治療中にも治療後にも必ず存在する。

当然、仮に診察したとしても、

「私には分からないので、どこか大きい病院に行ってください」

これもプロとして診たとは言えない。
プライマリ・ケアを担う医師は、診断や治療が自分の守備範囲を超えると判断しても、その患者が適切な医療が受けられるための水先案内人という重要な役割を持っているからだ。
そうでなければ、急病患者さんの多くは、途方にくれながら直接病院に殺到し、病院の各科専門医の先生方に、プライマリ・ケア医の役割をも日々強いることになる。
(残念ながら、時間外診療の現場は既にそうなっているが・・・)

自分はどうか?

まだまだ未熟者で、自分で治療を完結できる範囲はとても狭いけれど、少なくとも
「どうしたらいいの?」
という疑問には、どの医学的領域であっても、適切にアドバイスし、適切な治療が受けられるように誘導したいし、そのように行動しているつもりである。

昨今、国や地方自治体などで、地域医療を担う医師の増員を誘導する動きが盛んであるが、具体的に「どこで、どんな役割をする医師を どれだけ増やせば良い」というビジョンがあるのだろうか?
病院の各科専門医の先生方が、その専門領域の医療に専念でき、その専門性をいかんなく発揮できる環境を創出するためには、質の高いプライマリ・ケアを提供できる医師を確保することも不可欠であるということを強く訴えたい。

2012年11月1日木曜日

家庭医療専門医 ~あなたにとって何でも相談できる身近な医師を~

「家庭医療専門医」ってなんでしょう?

今更ながら、日本プライマリ・ケア連合学会が作成した一般の方向けの資料を紹介します。
http://www.primary-care.or.jp/public/primarycare_iryo.pdf

ここでは、いま求められる新しい医師として家庭医療専門医を分かりやすく解説しています。

以下のような状況で、みなさんはどこに足を運びますか?

・何科にかかればよいか分からないとき
・お腹が痛くなったとき
・高血圧や糖尿病など生活習慣病になったとき
・インフルエンザなど予防接種を受けたいとき
・頭痛と肩こり、腰も痛く、背中もかゆいとき
・“じんましん”が出たとき
・タバコをやめたいと思ったとき
・自分がガンじゃないか心配なとき
・子どものおねしょで悩んだとき
・更年期障害で悩んでいるとき
・身体がしんどくて何もやる気がでないとき
・夜,目が覚めて眠れない日々が続くとき
・包丁で手をザックリと切ってしまったとき
・背中の痛みが続いていて,大きな病院を受診した方がよいのかどうか悩むとき
・おじいちゃんの介護に手がかかるようになり,主治医意見書を書いてほしいとき
・がんの末期だが,住み慣れた自宅で余生を過ごしたいと思ったとき
・おばあちゃんが認知症でだんだんと食べられなくなり,寝たきりになって往診が必要なとき
・内科と眼科と整形外科,皮膚科,泌尿器,すべての受診が困難になったとき

実は、これらはすべて家庭医の仕事(守備範囲)の具体例です。

日常的な健康問題は多種多彩ですが、このようなとき安心してかかれる医師や医療機関があれば心強いですね。
しかも、いろいろな問題を一緒に相談して解決できれば、素晴らしいと思いませんか?

具体的にこんなシチュエーションをどう思われますか?

<80歳男性:家入磐衛門さん>
・大腸がん手術後にて、3 ヶ月毎に隣の市(車で45分ほど)の消化器病センターを受診
・血圧とコレステロールの薬と胃薬をもらいに1 ヶ月毎に町内(車で15分ほど)の診療所(内科)を受診
・腰痛と膝の注射に町内(車で5分ほど)の整形外科クリニックを2 週間毎に受診
・6 ヶ月に1度、町内(車で25分ほど)の眼科医院で白内障のチェック
・最近、尿の出が悪くなり、町内(車で15分ほど)の泌尿器科クリニックに、月に1~2回の通院をはじめた

随分大変そうですね~
腰痛と膝の問題があるので、自力での受診は難しそうですし、通院の介助ができる家族はいるのでしょうか?
いろいろな医療機関を受診し、各専門家の治療を受けています。
我が国でよく見られる状況です。
このような患者さんが、あなたの周囲にもいるのではないでしょうか?
本当にこれでいいのでしょうか?

腰痛や膝の治療(痛み止め)が、胃の病状を悪化させることがあります。
また、それぞれの症状に対して異なる医師を受診すると、検査が重なったり、治療や薬が重複したりします。
お薬手帳の活用や医師同士の連携である程度は対処できますが、磐衛門さんのように5 か所の医療機関を受診している場合、全体を把握することは至難の業です。

病気の原因は、単に臓器の異常だけとは限らず、生活や仕事、家族や友人との関係なども関わります。
治療を受けるのは、心と体と固有の社会背景を併せ持った「あなた」という人間であって、「胃腸」や「膝」だけではありません。
家庭医は、症状のある臓器だけを治療しても、根底にある本来の問題を解決しなければ効果は限定的であることを知っているので、社会的背景を含めて総合的に治療します。

次に、例えばあなたが「腹痛」や「頭痛」などの理由で医療機関を受診するとき、同時に何らかの「思い」や「考え」を持たれているのではないでしょうか?
体の問題と同様に、あなたの気持ちや置かれた状況、ご希望なども重要です。
家庭医は、あなたの心に抱く思いを大切に考えます。

「患者中心の医療の方法③」をご参照ください。

家庭医が持つ視野はとにかく広角です!

そもそも、処方している薬はちゃんと飲めているのか?
認知症や嚥下障害など複合的な問題が絡んでくると、決まった時間に正しく服薬できない患者さんは少なくありません。
薬を飲ませてくれる家族がいるのか?
逆に、元気な働き盛りの人は、多忙で薬を飲み忘れてしまうかもしれませんし、そのことが後ろめたくて、薬が余っていることを医師に告げることができない人もいます。

その他、大事な視点として、高齢者の方の多くは、受診に付き添いまたは送迎が必要です。
そのことで、ご家族が時間的・経済的な負担で、生活を犠牲にしていませんが?
強引に本人が単独で受診し、移動中に危険な目に会ってないでしょうか?
訪問診療の必要性などを含め、ケアマネージャーさんと相談しながら、介護など各種医療補助の手続きや経済面の検討なども行います。

疾患の予防に対しても積極的で、
インフルエンザワクチンを毎年接種していますか?
車に乗るときはシートベルトをしていますか?
癌健診をいつも受けていますか?
疲労がたまりすぎていませんか?
気分が落ち込んで、何もやる気がしないと感じることはありませんか?
現在わずらっている病気に対する治療を続けていくだけにとどまらず、今後あらたに病気にならないように、予防医学や健康増進も考慮しながら、あなたの生活をサポートしていきます。

そして、避けては通れない、誰にも必ずいつかおとずれる死。
最期のお別れの時まで、できるだけ通常どおりの生活を送ったり、痛みなどの苦痛をできるだけ取ることをサポートしたいと、家庭医は考えています。

誰もが、長年にわたり、あなたやあなたの家族、地域のことをよく理解した真のかかりつけの町医者である家庭医が提供する医療が受けられる社会の実現を願っています。