2014年8月8日金曜日

柏プロジェクトに学ぶ いわきの地域医療

2014年8月7日 職場の協力を得て業務調整の上、柏プロジェクト見学ツアーに参加させていただきました。

今回の説明会場となった柏地域医療連携センターは、いつまでも住み慣れた地域で安心して暮らせるまちを目指して、地域医療•介護の連携を強化し、広めるための取り組みをしてきた柏市の庁舎の一つという扱いでありながら、地域医師会•歯科医師会•薬剤師会等の関係団体の事務局も入り、地域医療•介護の発展と、市民の療養生活を支援するための中核拠点として整備された施設で、医療や介護に関する相談•啓発、在宅医療が必要な方への調整支援、医療•福祉の連携強化といった機能を担っています。
これまでの市の取り組みが実ってか?毎月50件程度の相談があり、日々地域医療の充実のために貢献しているようです。
とはいえ、今年度オープンしたばかりの新しい施設でまだ存在が市民に周知されていないのか、柏駅で拾ったタクシーのおんちゃんが「地域医療連携センター???」状態になってしまったので、説明会開始時刻ギリギリの到着となってしまいました。(笑)







午前中は、柏市の保険福祉部 福祉政策課の方から参加者全体(計4自治体や医師会等から約45名の参加者)に向けて下記の解説をしていただきました。

①UR都市機構による豊四季台団地の建替え事業について
②柏市福祉政策課による柏市における長寿社会のまちづくり
 ~豊四季台プロジェクト~

昭和39年から一気に分譲され、入居者が一気に高齢化し、局地的に超高齢社会が出現したこと。
バリアフリー仕様でない古い団地の建物で、生活困難となった要介護者が、住み慣れた団地を後にしなければならない状況になっていたことなどがきっかけに生まれたこのプロジェクトについて紹介していただきました。

豊四季台団地の中心エリアを案内していただきましたが、街には古い建物と、機能的な真新しい建物が混在し、今まさに生まれ変わろうとしている姿を感じることができました。
特に、地域包括ケアシステムの先駆的なモデルとして誕生した「ココファン柏豊四季台」は、住まい•介護•医療•生活支援•地域サービスがすべて一体化した複合拠点となっていて、居ながらにして包括的サービスが受けられるように、
1階部分には、診療所や訪問看護ステーション、居宅介護ステーション、ケアプランセンター、地域包括支援センターがズラッと軒を連ねている理想的な構造でした。




午後には、この日 福島県から参加した喜多方市の方々と、このプロジェクトのアドバイザーとなっている 吉江悟先生(東京大学 高齢社会総合研究機構・医学部 在宅医療学拠点 助教)と、柏市で在宅医療を実践されている家庭医療専門医の織田暁寿先生(ホームクリニック柏 院長)を囲んでの、ディスカッションの時間を設けていただきました。プロジェクトに関する詳細や実際のご苦労が見えてきて、とても参考になりました。

今回の視察を通して、多職種連携の在宅医療研修プログラムの実施や、主治医ー副主治医体制(グループプラクティス)の整備などによる、24時間365日在宅療養支援体制の確立への柏のみなさんの熱心かつ地道な努力の足跡を感じ取ることができました。
そして、柏市のように在宅医療推進の取り組みにおいて有名かつ様々な条件に恵まれた地域であっても、在宅医療への参加•協力が得られていない先生方がまだまだ多く、実際のところ派手で劇的な特効薬も魔法のような変身もなくて、むしろ変化に対応するために現在進行形の課題をたくさん抱えていることも知ることができました。
それでも、多職種が全体を見渡す視野を獲得しつつ、その中における自分の立場での役割を理解し行動することの積み重ねが、地域全体を動かし、変えていく原動力になっていくことを証明しつつあります。

もはや私たちいわき市民も、四の五の言ってないで、行政と医師会•地域住民らがガッチリと力を合わせ、今目の前に与えられた環境の中で考えうるベストを目指して、地道かつ根気強くひたすら前に進むしかありません。
そういう意味では、今の現状はともかくとして、いわき市や市議会•いわき市医師会が目指している方向性は間違っていないと思います。大事なのは歩みを止めないこと、そして諦めないことだと確信しました。

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