今宵の実践家庭医塾は、研修医からの事例報告だけでなく、家庭医療に興味を持って長年参加してくださっている塾生の先生からの事例報告がありました。
患者中心の医療の方法の実践を通して、終末期の栄養管理についての意思決定と院外看取りを支援した貴重なヴァージンケースを発表していただきました。とても嬉しいことです。
これからの多死社会にむけて訪問診療の充実に取り組んでいる当地で、院外看取りの輪をますます拡げていきたいと思います。
そのためには、互いの不在時にカバーし合えるネットワークの構築が不可欠です。
所属法人では、介護施設を中心に訪問診療のチーム化や、訪問診療導入時の終末期の意思決定確認の標準化を図っています。
その結果、院外でのお看取りとなる患者さんの数が増えています。
この取り組みを続けることを後押ししてもらえるようなプレゼンでした。
専攻医によるプレゼンのテーマは「家族志向ケア」
服薬アドヒアランス不良で入退院を繰り返す認知症の高齢者に対し、家族の状況を見直し、家族カンファレンスを通して家族がケアのパートナーとして機能できるようにマネジメントした結果、再入院を抑制することができた事例でした。
家族カンファレンスは、家庭医にとって外科医の大手術に相当します。
周到な準備と事前のシミュレーションが必要であると同時に、実際に家族カンファレンスが始まると、良くも悪くも事前のシナリオが裏切られること数知れずです。
この予期せぬ事態に臨機応変に対応し、最良のマネジメントを紡いでいく・・・
ここが家庭医の腕の見せ所であり醍醐味でもあります。
0 件のコメント:
コメントを投稿