2015年5月28日木曜日

二次医療圏から見た風景とは? ~家庭医療セミナーinいわき 実践家庭医塾~



今年も、東京慈恵会医科大学病院の臨床研修医が、月替わりでいわきに学びに来ています。
今月の彼は武闘派アスリート!
暇を見つけては、車に頼らず自分の脚でいわきの街並みを走りまくり、この地の風土を肌で感じでくれた。
そんな彼が、地方都市の二次医療圏から見た風景は、いささか衝撃的だったようだ。
大学病院など高度先進医療を担う特定機能病院(三次医療圏)では、「○○科の○○先生に○○病の患者さんを診て欲しい」という、いかにもピンポイントな紹介状を持参して受診する患者さんが比較的多い。当然、紹介を受けた医師がなすべき仕事・役割が非常~に分かりやすい。
ところが、当院のような中規模医療機関(二次医療圏)では、むしろ「何科の先生に診てもらえばいいか分からない」という理由で受診する患者さんが かなり多くみられる。

「おやっ?」

「何科の先生に診てもらえばいいか分からない」という患者さんの相談にのる。
それって、診療所(一次医療圏)の役割では?

「何科の先生に診てもらえばいいか分からない」と言って、かかりつけ医がいるのにもかかわらず紹介状を持たずに来院する患者さんがあまりにも多いので、その何人かに聴いてみる。
「かかりつけの先生には相談しましたか?」

A:「相談して薬をもらったけれど良くならないので…」
B:「相談したけれどスルーされたので…」
C:「相談したけれど専門外だから他に行くように言われたから…」
D:「怖くて相談できない…」
E:「相談したら叱られた…」

「一体なにが起きているのか?」

研修初日から衝撃を受けた彼が地域で学び行き着いた結論とは…

「地域医療とは、単に地域で医療を行うことではなく、地域に必要な医療を提供すること」
「地域に必要とされる医療と、実際に地域で提供されている医療とのミスマッチを是正しなければならないし、医師はその能力を身に付ける努力をするべきだ」
彼の力強い訴えに深く共感した。

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