2015年2月26日木曜日

キューバに学ぶ多死社会に向けた施設看取りへのチャレンジ ~家庭医療セミナー in いわき 実践家庭医塾~

今月は初期研修医のローテーターが不在だからというわけではないが、家庭医療後期研修医の渡邉聡子先生から とてもアダルトな香りのテーマで話題提供!

どのくらいアダルトかというと・・・
 
 
 
 
家庭医療先進地 キューバ視察の報告!
キューバでは医療費の自己負担がなく、国民1人あたりのGDPが6分の1でありながら、先進諸国なみの平均寿命を誇る。
キューバのプライマリ・ケアのベースを支える家庭医-看護師オフィスでは、個人カルテだけでなく、家族カルテやワクチン施行、健診受診歴記録が管理され、その地域住民全体の保健情報を疾病の有無に関わらず掌握できるようになっている。
家庭医1人につき、1000人ほどの住民が割り当てられ、患者や住民の健康問題に対する責任の所在が明確となっている。
しかも、家庭医が地域のすべての家庭に年1〜2回ほど家庭訪問し、自宅環境に問題がないか、チェックしアドバイスをくれる。
かなり積極的で強固な予防医療体制といえよう。
もう一つのプライマリ・ケア施設は総合診療所
家庭医-看護師オフィス20に対して1ヶ所の割合で設けられている。
日本の小規模病院の機能を無床化したイメージのようだ。
国民一人ひとりが、ゆりかごから墓場まで完全に家庭医を持っている。
しかし、これだけプライマリ・ケアが整備されたキューバでも、ここまで来るのに30年かかっているし、今のいわきと同じような悩みや問題を乗り越えてきた歴史があるという。
私たちも諦めずに追いつき追い越せでやっていきたい。

そして、次のアダルトなテーマは...いわきでの看取り

これからの超高齢社会、つまり多死社会。
病院で看取ることができる数は頭打ちとなり、むしろ病床数制限により既に減少に転じている。
かといって、核家族、老老介護のご時世・・・ケアのマンパワーが絶対的に不足していて、介護保険等のサービスをフル活用しても、容易に自宅でも看取りが増えるとは思えない。
ここで重要になってくる第3の看取りの場としての介護施設。
家族にとっても施設職員にとっても、施設で看取るという選択肢は まだまだ定着していない印象だが、長い間お世話になった場所、お世話になったスタッフに見守られて最期をむかえることは、とても自然なことのように思う。
施設での看取りを希望する患者さんやご家族をサポートできるように、施設職員の意識改革にも取り組んでいきたい。
医療の利用者も、古典的なお姫様が白馬の王子様に救われるのを待っている、つまり医療資源に頼りっぱなしになるのではなく、個々が元来の自分らしさを保ちながら自立した最期、つまり最新のお姫様アナと雪の女王が王子様に頼ることなく、むしろ王子様を蹴って、ありのままの自分を自ら獲得していける時代にしていこう!

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