2015年2月18日水曜日

専門医との非専門医、多職種との連携で繋ぐ認知症のケア

2015年2月17日夜、いわき南部地区 認知症医療連携懇話会
 認知症のケアには、家族や多職種の協働が求められる代表的な疾患であり、医師による予防指導、診断や治療だけでは到底完結しないことは言うまでもない。
Opening Remarksで述べさせてもらった通り、東京都在宅高齢者実態調査(2009年)によると、認知症患者が今後やりたいことのトップは、家でのんびり過ごすこと。
 認知症になっても、今までと同じ場所で、今までと同じように過ごしたいという希望を持っている。
 一方、それを叶えるためには当然家族の協力が重要になる。
認知症の人と家族の会(2010年調べ)によると、認知症介護者の半数弱が ほとんど一日中介護に時間を費やしているようだ。
 結果として、家族が認知症になって生活がしづらくなった理由として、8割弱がストレスや疲労感が増したことを挙げている。
 本人の希望を叶えつつ、家族のケアが必須であることが明白である。

本日のメインプログラム
「認知症の現状と未来」認知症治療の実践
 舞子浜病院 名誉院長 田子久夫 先生
 認知症の疫学から発症要因や予防、治療薬選択のコツなどを、幾つかの症例を交えてご教示いただいた。
お話の中で認知症は単なる一つの疾患というよりも、複合的な要因で発生するし、個々の症状に応じた薬剤選択が重要であるということが強調されていたように思う。確かにしばしばアルツハイマー型認知症と血管性認知症が合併する。生活習慣病としての認知症とその管理の幅広さと奥深さを再認識した。
 医師として患者さんの全身状態と社会背景を把握診断し、病態、状況に応じ上手くBPSDをコントロールできれば、ケアに要する労力はかなり軽減されるだろう。
 認知症における医学介入の限界を認識しつつ、主治医としてできる限り適切な医学介入を試みていきたいところだ。
認知症学会認定専門医が極端に少なく10人に満たない福島県
特に、いわきでは田子先生が孤軍奮闘の状況
この人数でこのCommon Diseaseに対応していくには、非専門医や多職種が協力して標準的はケアを提供できるようにしていく必要がある。
専門医を持たない市内の各医療機関で、標準的な治療ができるように既に田子先生も診療マニュアルの整備の準備をされているとのことで期待している。

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