2015年3月26日木曜日
オランダに学ぶ家庭医療 ~家庭医療セミナー in いわき 実践家庭医塾~
本日は、後期研修医の本多由李恵先生が、家庭医療先進地(オランダ)視察の報告をしてくれた。
オランダの家庭医(約9000人)は、たった7%の医療費で、保険診療の95%以上を扱っている。
この事実は、究極に効率の良い医療と提供していることを示しているだろう。時に無駄な医療を行わないという決断もなされているだろう。
特に興味深かったのは、在宅医療のシェア6割を占め顧客満足度No.1の地域ケア企業 Buutzorg(ビュートゾルフ・コミュニティー・ケア)は、多職種ごちゃまぜで、患者に必要なケアを小回りを効かせて提供し、在宅管理可能な症例や在宅看取りを増やしたり、在宅管理期間の延長に寄与しているということ。
こういった臨機応変なサービスを提供していけば、日本やいわきでも有効なのでは?などと考えたりした。
そして、安楽死が合法で実際に年間約2500人が安楽死しているというお国柄もあるのか?常日頃から終末期のケアについての基本方針の確認が家庭医によって確実になされているという状況が、これらの在宅ケアを可能にしているのだろう。
2015年3月23日月曜日
新たな一歩へ! 第101回FaMReF&福島県立医科大学家庭医療学専門医コース 第6期 研修修了祝賀会
2015年3月21日。
101回目のプロポーズ ならぬ 101回目のFaMReF!
どんな展開になるのか?「僕は知りましぇ~ん!」とか思いながら福島県が誇る楽都 郡山へ移動。
ちなみに福島市で行われている第8回声楽アンサンブルコンテスト全国大会での合唱王国福島県勢の活躍は相変わらずだ。
前置きはさておき、まずは後期研修医の振り返りのコーナー。
全体として、家族・社会背景への介入に関する疑問や悩みが多いように感じる。
その際に、患者を診る医師の視点に偏ると、家族の誰かがケアを妨げる悪役になっていることに気付くことがある。その家族もケアの対象に含めていく視点はとても大事だけれど、とても難しいと思う。せめて、その視点を忘れないようにする意識と努力は続けたい。
3月のFaMReFのメインは、今年度で研修を修了する後期研修医による恒例の「家庭医療の後期研修全体を振り返って」をテーマにしたフリーなプレゼン大会&場所を変えての研修修了祝賀会
今回は、県外で初期臨床研修を終え、東日本大震災の翌月から福島入りして、4年間頑張ってくれた2人だ。
困難を力をつけるチャンスと前向きにとらえ、実際に様々な経験を通して実力をつけたり、診療環境ごとに求められる内容が異なる中で、地域を診るということに関して新しい視点を見出してくれた。
研修中に妊娠・出産・育児を経験した川名瞳先生は、ご自身の経験を示しながら、女性の就労支援や、ファミリー・ライフ・サイクルに則したケアの重要性を伝えてくれた。経験をもとに、自身や自身の家族、患者さんとご家族のケアに役立てていってもらいたい。
東北若手医師ネットワーク(Tohoku Wakate-Ishi Network:TWIN)で活躍された北村俊晴先生は、医学教育への熱い想いを語ってくれた。4月からは引き続き大学教員として、更に教育の分野でも能力を発展させてもらいたい。
葛西教授による恒例の Cinemeducation の題材は…
「JOBS(スティーブ・ジョブズ)」(2013)
同僚と協調できず他人のためには働けないとこぼしていた、スティーブ・ジョブズも、結局は多くの他人の心を掴む仕事を成し遂げている。
目の前の日常の殻の中では、前例にとらわれた安定を優先し、革新的な発想は生まれにくい。
だからこそ非常識な発想への理解者が必要!
多くの失敗や試行錯誤を重ねながら、明日を切り拓いていく…
門出の春にふさわしい題材であった。
101回目のプロポーズ ならぬ 101回目のFaMReF!
どんな展開になるのか?「僕は知りましぇ~ん!」とか思いながら福島県が誇る楽都 郡山へ移動。
ちなみに福島市で行われている第8回声楽アンサンブルコンテスト全国大会での合唱王国福島県勢の活躍は相変わらずだ。
前置きはさておき、まずは後期研修医の振り返りのコーナー。
全体として、家族・社会背景への介入に関する疑問や悩みが多いように感じる。
その際に、患者を診る医師の視点に偏ると、家族の誰かがケアを妨げる悪役になっていることに気付くことがある。その家族もケアの対象に含めていく視点はとても大事だけれど、とても難しいと思う。せめて、その視点を忘れないようにする意識と努力は続けたい。
3月のFaMReFのメインは、今年度で研修を修了する後期研修医による恒例の「家庭医療の後期研修全体を振り返って」をテーマにしたフリーなプレゼン大会&場所を変えての研修修了祝賀会
今回は、県外で初期臨床研修を終え、東日本大震災の翌月から福島入りして、4年間頑張ってくれた2人だ。
困難を力をつけるチャンスと前向きにとらえ、実際に様々な経験を通して実力をつけたり、診療環境ごとに求められる内容が異なる中で、地域を診るということに関して新しい視点を見出してくれた。
研修中に妊娠・出産・育児を経験した川名瞳先生は、ご自身の経験を示しながら、女性の就労支援や、ファミリー・ライフ・サイクルに則したケアの重要性を伝えてくれた。経験をもとに、自身や自身の家族、患者さんとご家族のケアに役立てていってもらいたい。
東北若手医師ネットワーク(Tohoku Wakate-Ishi Network:TWIN)で活躍された北村俊晴先生は、医学教育への熱い想いを語ってくれた。4月からは引き続き大学教員として、更に教育の分野でも能力を発展させてもらいたい。
葛西教授による恒例の Cinemeducation の題材は…
「JOBS(スティーブ・ジョブズ)」(2013)
同僚と協調できず他人のためには働けないとこぼしていた、スティーブ・ジョブズも、結局は多くの他人の心を掴む仕事を成し遂げている。
目の前の日常の殻の中では、前例にとらわれた安定を優先し、革新的な発想は生まれにくい。
だからこそ非常識な発想への理解者が必要!
多くの失敗や試行錯誤を重ねながら、明日を切り拓いていく…
門出の春にふさわしい題材であった。
ラベル:
レジデント・フォーラム,
医学教育,
家庭医療
2015年3月11日水曜日
2015年3月11日 ~あれから4年~
あれから4年
もがき続けてきた4年
振り返れば
何も変わっていないように感じる
それでいて
気付くと
僕の周りは大きく変わっていて
かけがえのないものを失いながら
より輝けるものを求めて歩いている
歩み続けてきた4年
振り返れば
なにかを変えようとしてきた足跡がある
もう迷うことはないと
気付いた
世界は大きく回り始めていて
失ったものすべてをのみこむ勢いで
僕らを一つに結び付けようとしている
さあ、勇気をもって
もがき、歩み続けよう!
5年目への道を…
2015年3月10日火曜日
残るは高校生! ~未来の地域医療を創る教育~
これまで、数々の医学教育に関わってまいりました。
既に実地で活躍されているベテラン医師を対象としたプライマリ・ケアの生涯教育プログラム「実践家庭医塾」
研修医や医学生を対象とした診療指導や講義
小学生を対象とした医師職業体験プログラム「キッズ医者かしま」
学校や幼稚園の教職員を対象としたエピペン実習講座
中学生を対象に医療人として生き様を知ってもらった「いわき志塾」
船舶衛生管理者の資格獲得のサポート「シップ医者かしま」
病院職員向けの健康管理講習会
ベテラン医師⇒研修医⇒医学生⇒小学生⇒教職員⇒中学生⇒船舶衛生管理者⇒病院職員
残っているのは…
乳幼児を除けば、もう高校生しかないよね!
というわけで、今日は医療系を志す地元の高校生を病院に招いて、生の医療人とたわむれてもらいながら、憧れの種々の医療職を実体験してもらいました。
みんな一様にキラキラと目を輝かせて楽しんでくれていたように見えた。
最も感心したのは、医療職は手に職を持った技術者でありながら、どの職種でも、患者さんや家族との個別のコミュニケーションがとても重要であるし、我々がそこに注力していることに、参加者の多くが気づいてくれたこと。
だからこの仕事は、深く、やりがいがあって、楽しく、やめられないんだなぁ~
高校生諸君!
大いに悩んで、いい仕事を選んでくれたまえ。
2015年2月28日土曜日
いわきの医療人からの熱い報告 〜第90回 常磐医学会〜
2015年2月28日、今年で90回を数える歴史深い常磐医学会が開催されました。
①各医療専門職、②研修医、③専門医からの3部門に分かれ、それぞれの立場からの経験や取り組みが報告されました。私は第1部の座長として参加させていただきましたが、このように、市内の医療機関で活躍している多職種が一堂に会して学び、交流を持つことはとても意義深いものです。発表演題を見渡しても、単なる疾患のマネジメント方法に関する内容にとどまらず、危機的ないわきの医療を未来につなげるため、より広い視野に立って、多職種や複数の医療機関や福祉施設が力を合わせ、地域全体の医療を良くしていこうというメッセージが込められた発表が多いように感じられました。
さて、研修医部門では、かしま病院で家庭医療の後期研修中の渡邉聡子先生が「ありのままの姿みせるのよ、ありのままの自分になるの
~多死社会に向けた施設看取りへのチャレンジ~」と題して発表してくれました。これからの超高齢社会は言うまでもなく多死社会という側面を持っています。しかし、病院で看取ることができる数は病床数に依存して頭打ちとなり、むしろ在宅医療を推進する国の政策により、既に減少に転じています。しかも、核家族、老老介護があたりまえのご時世…
介護のマンパワーが絶対的に不足しているため、介護保険等のサービスをフル活用しても、思うように自宅での看取りが増えていない現状です。ここで重要になってくるのが第3の看取りの場としての老人介護施設です。家族にとっても施設職員にとっても、施設で看取るという選択肢は まだまだ定着していない印象ですが、長い間お世話になった場所、お世話になったスタッフに見守られて最期をむかえることは、とても自然なことだと思います。聡子先生の発表では、施設での看取りを希望する患者さんやご家族をサポートするために、施設職員の意識改革にも取り組んで行こうという強い意気込みが感じられ、見事に研修医部門賞を獲得しました。
医療の利用者も、古典的なお姫様が白馬の王子様に救われるのを待っている、つまり医療資源に頼りっぱなしで「すべてお任せします」というのではなく、個々が元来の自分らしさを保ちながら自立した最期、つまり現代のお姫様であるアナや雪の女王が王子様に頼ることなく、むしろ王子様を蹴って、ありのままの自分らしい生き方を自力で切り開いたように、ありのままの自分らしい最期を自ら選択し獲得していける時代を創っていきましょう!
2015年2月27日金曜日
参加者募集中 『家庭医臨床道場〜臨床技能評価〜』
2015年4月5日(日)に福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 主催の
『家庭医臨床道場 〜臨床技能評価〜』が開催される。
同講座では毎年、後期研修医の外来診療能力向上を目的と した臨床技能評価を開催している。臨床技能評価では模 擬診察シナリオを独自に作成し、研修医が模擬診察を行い 、その様子を直接観察した指導医が形成的評価、フィード バックを行う。
同講座では毎年、後期研修医の外来診療能力向上を目的と
模擬診療を通して家庭医に求められる能力を発揮できるかチャレンジしてみよう!
という企画なので、例年 出題を準備する講座の指導医陣も気合が入るので、
参加者はもちろん勉強になるけれど、模擬患者役や、出題者、評価者、見学者みんなにとって、
かなり良い学びの場となっている。
詳しくはこちら
詳しくはこちら
↓
http://www.fmu.ac.jp/home/ comfam/news/news.php?srh=44
参加ご希望の方はこちらのフォームから
http://www.fmu.ac.jp/home/
参加ご希望の方はこちらのフォームから
↓
2015年2月26日木曜日
キューバに学ぶ多死社会に向けた施設看取りへのチャレンジ ~家庭医療セミナー in いわき 実践家庭医塾~
今月は初期研修医のローテーターが不在だからというわけではない が、家庭医療後期研修医の渡邉聡子先生から とてもアダルトな香りのテーマで話題提供!
どのくらいアダルトかというと・・・
家庭医療先進地 キューバ視察の報告!
キューバでは医療費の自己負担がなく、 国民1人あたりのGDPが6分の1でありながら、 先進諸国なみの平均寿命を誇る。
キューバのプライマリ・ケアのベースを支える家庭医- 看護師オフィスでは、個人カルテだけでなく、 家族カルテやワクチン施行、健診受診歴記録が管理され、 その地域住民全体の保健情報を疾病の有無に関わらず掌握できるよ うになっている。
家庭医1人につき、1000人ほどの住民が割り当てられ、 患者や住民の健康問題に対する責任の所在が明確となっている。
しかも、家庭医が地域のすべての家庭に年1〜 2回ほど家庭訪問し、自宅環境に問題がないか、 チェックしアドバイスをくれる。
かなり積極的で強固な予防医療体制といえよう。
もう一つのプライマリ・ケア施設は総合診療所
家庭医- 看護師オフィス20に対して1ヶ所の割合で設けられている。
日本の小規模病院の機能を無床化したイメージのようだ。
国民一人ひとりが、ゆりかごから墓場まで完全に家庭医を持っている。
しかし、これだけプライマリ・ケアが整備されたキューバでも、 ここまで来るのに30年かかっているし、 今のいわきと同じような悩みや問題を乗り越えてきた歴史があると いう。
私たちも諦めずに追いつき追い越せでやっていきたい。
そして、次のアダルトなテーマは...いわきでの看取り
これからの超高齢社会、つまり多死社会。
病院で看取ることができる数は頭打ちとなり、 むしろ病床数制限により既に減少に転じている。
かといって、核家族、老老介護のご時世・・・ ケアのマンパワーが絶対的に不足していて、 介護保険等のサービスをフル活用しても、 容易に自宅でも看取りが増えるとは思えない。
ここで重要になってくる第3の看取りの場としての介護施設。
家族にとっても施設職員にとっても、施設で看取るという選択肢は まだまだ定着していない印象だが、長い間お世話になった場所、 お世話になったスタッフに見守られて最期をむかえることは、 とても自然なことのように思う。
施設での看取りを希望する患者さんやご家族をサポートできるよう に、施設職員の意識改革にも取り組んでいきたい。
医療の利用者も、 古典的なお姫様が白馬の王子様に救われるのを待っている、 つまり医療資源に頼りっぱなしになるのではなく、 個々が元来の自分らしさを保ちながら自立した最期、 つまり最新のお姫様アナと雪の女王が王子様に頼ることなく、 むしろ王子様を蹴って、 ありのままの自分を自ら獲得していける時代にしていこう!
登録:
投稿 (Atom)