2012年5月31日木曜日

地域医療学生実習 情報交換会

昨日は、地域医療の臨床実習を選択してくれた6年生を中心に、希少な鉄板焼きの名店(やきやき)に集まっていただき、実習に関する情報交換会を行なった。



これから実習を行う学生さんの要望をスタッフが聴く
すでに実習を終えた学生さんの感想をスタッフが聴く
すでに実習を終えた学生さんが、自分とは違う地域で実習した学生さんの話を聴く
これから実習を行う学生さんが、実習を終えた学生さんから情報を得る
すでに実習を終えた学生さんが、スタッフのアドバイスを聴く
これから実習を行う学生さんが、スタッフのアドバイスを聴く


様々な立場とシチュエーションが交錯することで活発な情報交換がなされ、貴重な経験たちが数多く共有されたようである。

みんな総じて 将来の地域医療を担う医療人としての使命を充分に自覚していて、とても心強く感じたのと同時に、彼らが医師として羽ばたくころ、彼らが「地域に生き、地域で働くことのできる」地域での医学環境を今よりずっと充実させておくことが僕たちの使命である。とあらためて自覚した。


ちなみに ここの名物「ガリガリ君サワー」
焼酎の水割りにガリガリ君(ソーダ味)がそのまま突っ込んであるという いたってシンプルなメニューだが、以前いただいた時より味が濃くておいしかったような・・・
当たり棒が出たらもう一杯!という噂だが、そもそも昨日は飲み放題プランだったので、もともとお代わり自由だったりする。
というわけで、当たりが出るまで粘る強者は現れなかった。

2012年5月28日月曜日

お祭りに学ぶ地域医療

地域に生き、地域で働くことのできる医師の育成が、福島県立医科大学が提案するホームステイ型医学教育研修プログラムのモットーであり、それは家庭医という職業人にとっても極めて親和性の高い目標と言える。

地域を深く理解するための手段としてどのようなものが良いのか?

日頃、それぞれがそれぞれの生活を営んでいる中で、地域住民同士が深く交わることができる機会は案外少ないように思う。
隣組のお付き合いですら軽薄になりつつある現代。
地域の催しに積極的に参加する人も減ってきている。

そんな折…

昨日、ひょんなきっかけで地域のお祭りの神輿の担ぎ手として駆り出されることになった。

出陣前 (まだ)呑んでませんよ!

昨年は震災の影響で開催できなかったため2年ぶりの地域のお祭りである。
私たちの復興への願いを後押しするような見事な快晴の中、祭りは始まった。


担ぎ手の集合時、例年お祭りに備えて肉体を鍛え抜いているという屈強な方から、私を含め勝手が分からずに借りてきた猫状態の者まで様々であるが、常連の皆さんですら日頃ほとんど交わることはないという。
そんな連中が集まり、酒を酌み交わし、力を合わせて一つの神輿を担ぐ。

一人ではできないことをみんなでやる。

このシチュエーションに身を置くと、現在の地域医療の現状を思い出さずにはいられない職業病な私。
各自、主体的に自身の役割を理解し、その役割を全うする。
それらが集合体として機能してはじめて目標を達成することができる。

そして、皆が目的意識を持って同じ方向を向いている限り、参加者は多ければ多いほど、一人ひとりの重荷は軽くなる。


正直、神輿はとても重くてメチャクチャきつかったけれど、互いに顔を見合わせ歯を食いしばりながら威勢のよい掛け声で励まし合い、なんとかやり遂げていく・・・

住み慣れた街も、日頃は車で通過してしまう路をゆっくりと練り歩くことで、より愛着がわいてくるというもの。
担いでみなければ分からない公道を堂々と占拠できる快感と、一人ではできないことをみんなでやり遂げる達成感を味わうことができた。

勿論、様々な事情で祭りに参加できなかった方々にも、ちゃんと役割はあって、沿道からの掛け声は大変ありがたく、勇気をもらえるものだったりする。

しかし、

担ぐ阿呆に 観る阿呆!
同じ阿呆なら 担がなきゃ損!損!

というわけで、喜びの大きさは中にドップリ浸かってしまった者には到底敵わないのである。
今回、地域を愛し互いに支え合おうという熱い気概をもった人たちの中に、思い切って中に飛び込んだことで、この地域の今まで知らなかった部分を身をもって深く理解できたように思う。

で、美味い酒が呑めるのだから言うことないわけで・・・

地域を深く理解するための手段としてその地域の祭に参加することは超おススメである。



今のいわき市の医療事情を鑑みるに、

日頃、医療従事者それぞれが、それぞれの診療に勤しんでいる中で、地域医療を支えている者同士が深く交わることができる機会は案外少ないように思う。

そんな折…

一昨日、日頃お世話になっている某医療・福祉法人のお祝い事にお呼びいただき参加してきた。

会には、日頃親しくさせていただいている方々が大勢いらしていた一方で、最近お会いできる機会がめっきり無くなっていた方々や、日頃お世話になっているにもかかわらず直接的な面識がなかった方々までが大集合し、まさにいわき市内の医療・福祉関係者総出の大パーティーとなった。

「みんなで力を合わせて、いわき市の医療・福祉を支えて行きましょう!」

招待客が多くなった事情は、理事長先生のそんな思いからくるものだと理解している。
理事長先生は良好な医療・福祉の連携をとるために、日頃から顔の見える付き合いを大切にしている。

一人ではできないことをみんなでやる。

各自、主体的に自身の役割を理解し、その役割を全うする。
それらが集合体として機能してはじめて目標を達成することができる。

そのためには、日頃いわきのために歯を食いしばって頑張っている者同士が、一堂に会し直接語り合い、励まし合ったり、互いの目標を確認し合ったりできる場が必要なのかもしれない。

皆が目的意識を持って同じ方向を向いている限り、いわきの医療・福祉を支える人間は多ければ多いほど、一人ひとりの重荷は軽くなる。

無論、昨日の神輿がとても重くてメチャクチャきつかったように、今のいわきの医療・福祉事情は担ぎ手の数が足りずに神輿の歩を進めることが困難な状況にある。
それでも、互いに顔を見合わせ歯を食いしばりながら励まし合い、なんとかやり遂げていきたい!
私たちには、いわきに生きている者にしか分からない喜びと、一人ではできないことをみんなでやり遂げる達成感を味わう権利をもっているのだから・・・

様々な事情でいわきを去ることを余儀なくされた方々にも役割はちゃんとあって、いわきへのご支援や励ましは何物にも代えがたい勇気となる。

今のこの時代に「いわきに生き、いわきで働くことができる」こと、そのこと自体 少なくとも私にとっては最高の喜びなのである。

「同じ阿呆なら いわきじゃなきゃ損!損!」

今のいわきだからこそ味わうことができることが必ずあるはずだ!

2012年5月24日木曜日

外来診療指導 ~喜多方市 地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」~

5時起きで、裏磐梯の絶景を拝み、日本猿と戯れ、喜多方ラーメンを食したら
あとは一杯ひっかけながらのんびり温泉につかるしかない。

と思いつつも、

実際にたどり着いたのは、「ほっと☆きらり」

名前といでたちは温泉っぽいが、残念ながら日帰り温泉施設ではなかった…

ここは、2009年度に国の地域医療再生臨時特例交付金を受け策定された福島県地域医療再生計画において喜多方市に地域・家庭医療センターを整備することが盛り込まれ、昨年度にオープンしたばかりの新しい診療所である。

喜多方市 地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」では、福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座所属の家庭医が、赤ちゃんからお年寄りまで家族全員を対象に、内科・小児科の病気を中心に、外科や整形外科、婦人科、皮膚科など一般的な病気の外来診療や訪問診療などの幅広い診療を行なっている。
一方、この施設は、県地域医療再生計画において家庭医の診療及び臨床教育の拠点として位置づけられており、優れた家庭医を育成するという重要な役割を担っている。


当講座の家庭医療後期研修の修了生2人が、手創りで築き上げてきた夢のお城。
新しい地域医療の形を着実に具現化している姿が頼もしく感動的であった。
学生を教育するという文化も根付いていて、学生の臨床実習に多くの患者さんが快く協力してくださっていた。


学生さん達も所長の熱意と患者さんの協力に後押しされて、充実した学びの機会を得ているようだった。
ここの良い点をいわきにも持ち帰り、より充実した教育の場を提供していきたい。

幸せな通勤 (福島市~喜多方市編)

今日は福島市から喜多方市への通勤。

大変! って思ったらもったいないので、ここは遠距離通勤自体を楽しみたいところ。

折角なので全国有数の観光スポット経由で行ってやろう。

というわけで、5時起きで 土湯峠~裏磐梯高原に抜けてレークラインを爽やかドライブ!
福島県の観光有料道路は今、無料開放しているのでお勧めなのだ。


秋元湖畔を抜けると裏磐梯の絶景が!!!
途中、路上にサルの群れを発見!


警戒心無さ過ぎでなかなかどいてくれない。


勿論、喜多方に着いたら、生活習慣病の脅威に思いを馳せながら「朝ラー」体験!

ラーメンに漬物って・・・増塩食?


これで、今日も1日頑張れそうだ!

2012年5月21日月曜日

控えめな太陽が教えてくれること ~金環日食@いわき~

2012年5月21日。

朝の犬の散歩中、既に日食が始まってるではないか!


悲しいかな、言わずと知れた今日は月曜日。
分かっちゃいるけど後ろ髪(そんなもん無いか…)引かれながら職場へ!

金環日食@いわき (午前7時35分)その時は、いつものように外来前の病棟朝回診の最中におとずれた。

こればっかりは「次回(300年後?)暇だったら再挑戦!」というわけにいかないので、ちょうど回診中だった患者さんごと東向きの窓のある廊下に連れ出して一緒に観賞!

いつもお世話になっているお天道様とお月様を同時に拝むことができる幸せ。


「(金環日食が)今日なの忘れとった!」

と、ちょっと天然な患者さんが世紀の天体ショーを見逃すかもしれなかった危機も救い、
一石二鳥な5分間のかな~りプレミアムなブレイク!(自己正当化)

前日までの曇りの予想を覆す見事な晴天の中 あたりは急に薄暗くなり、見事なリングを綺麗に観察できた。

さすが「サンシャインいわき」である。

ちなみに、金環日食を地球から見ると、当然のことながら輪っかなわけだが、
「見えた」「見えない」と一喜一憂している私たちがいる地上を宇宙から見下ろすと、
単に月によって日陰になった世界である。

宇宙から見た皆既日食(1999年8月11日、ミール宇宙ステーション)


「目の前の患者さんと接する時、できる限りの想像力を働かせて、普段の患者さんのありようと、その背景を、深く知る努力をしなさい。それでも、まだまだ分からないことの方が多いことを自覚しなさい。」

講座のボスは、私たちに このようにいつも厳しく指導する。

今日の太陽のように、今日の診察室では、たまたま患者さんが控えめに見えても、実は家での真の姿は星一徹(亭主関白・頑固ジジイ)な人かもしれない。
今日の月のように、今日の診察室では、たまたま患者さんの奥さんが患者さんの前にしゃしゃり出ているけど、ひとたび自宅に帰れば患者さんからしいたげられている人かもしれない。

極端なことまで想像すればキリがないが、そのくらいの広い視野と多彩な角度から物事を見極められるようになりたい。

2012年5月18日金曜日

Family Medicine Summer Forum in Fukushima 2012

「探してた未来… キミの医師像が見つかる!」

今年もやってまいりました・・・熱い夏!
当講座の一大イベントの告知をさせていただきます。
詳細が決まり次第、随時 福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座HP
(URL: http://www.comfam.jp/ )
にてアップされていくに違いない。(願望と自身への叱咤激励を込めて…)



Family Medicine Summer Forum in Fukushima 2012

日時:2012年8月11日(土) 14:00~18:00
                      8月12日(日)   9:00~12:00

会場:福島県男女共生センター「女と男の未来館」(福島県二本松市郭内一丁目196-1)

プログラム:
<1日目>
・Reflection of the Month
  家庭医療後期研修医による診療経験に基づいた振り返り

・整形外科的診察法「診察のコツを教えます!」
  福島県立医科大学 整形外科学講座 准教授 大谷晃司 先生

・Cinemeducation
  映画を用いた家庭医療の教育セッションです

・その他

<2日目>
・症例模擬カンファランス
  家庭医が患者中心の医療の方法を適用していく過程を学びます

・その他

 ※ その他 懇親会・各種イベント等盛り沢山です

対象者:学生、研修医ほか家庭医療に興味のある方

参加費:(宿泊費・懇親会費込) 学生 5000円、初期研修医 8000円、その他 12000円

申し込み期限:2012年8月1日

主催者(下記)まで事前にお申し込み下さい

主催:福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座
    URL:http://www.comfam.jp/
    TEL/FAX:024-547-1516 内線2931
     E-mail:comfam@fmu.ac.jp        (担当:國分、玉木)

2012年5月16日水曜日

変わりたいと望むよりも、変わらぬ努力を続けること

どんなに変わりたいと望んでも、行動を伴わない限り、決してその願望が叶うことはない。

一方、日々行動を続けていても、その先に目指す目標がない限り、下手なボート漕ぎのように同じ場所をグルグル回り続け、実を結ぶことはないだろう。


「日本の医療を再建するためには、質の高いプライマリ・ケアを提供することができる家庭医の存在が不可欠であるし、国民の誰もが、よくトレーニングされた家庭医による医療を受けられる社会を実現したい」

これは、12年前に私が初期研修を終えた頃から変わらない“私の信念”である。

しかし・・・自分の信念とは裏腹な家庭医療へのためらい

「何科に進むの?」 初期研修当時の上司に尋ねられた時
家庭医療について熱く語ると必ず醸し出させるあの微妙な空気。

「先生は何科ですか?」 一般の方に尋ねられた時
他の科であれば、僅か一単語で済むはずの返答が、大学の講義のように長~いレクチャーを要するもどかしさ。

いつしか心も折れ、家庭医療を追究することも、語ることも控えめになってはいなかったか?

これまでの自分を振り返る時、自分の信念を実現させるための行動も、実現させよういう気持ちも、全然足りなかったことに気付かされる。


母校に帰ったヤンキー先生 曰く

伝えようとする努力もせずに
解ってもらおうなんて考えるな
でもお前が少しでも伝えようとしていたなら
俺は全力でお前のことを解る努力をする


家庭医療の必要性を伝えようとする努力もせずに
家庭医療の必要性を解ってもらおうなんて考えるな
でも僕が少しでも家庭医療の必要性を伝えようとしていたなら
きっと誰かが全力で家庭医療の必要性を解る努力をしてくれるだろう


今日もこのブログを訪れてくださる方々がいる限り
私は 未来を見据え 目の前のことを粛々とこなしていける