2015年6月13・14日に、つくば国際会議場で開催された、第6回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に参加してきました。
今回のメインテーマは「人びとの暮らしを支える医療人の育成」でした。次世代の地域医療を担う人材を育てるために、我々が何を学び、何をなすべきかを共有する機会にしたいという
前野
哲博
大会長(筑波大学医学系
地域医療学
教授)の想い通りに、地域に望まれる総合診療医の教育のあり方について、各シンポジウムや教育講演、発表等で活発な議論が繰り広げられました。
メインシンポジウム「総合診療医のキャリア形成を考える」では、3名のシンポジスト(WONCA元会長Chris van Weel先生、福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座
葛西龍樹
主任教授、シンガポール家庭医学会会長Lee Kheng Hock先生)それぞれが、医療事情や文化・時空の垣根を超えて「総合診療専門医はプライマリ・ケアの専門医であるべき」という共通認識・理解のもと、診療・教育・研究のすべての領域において地域を基盤としたプライマリ・ケア設定の環境での研修が必要であることを強く主張されていた。そして、人びとの暮らしを支えることができる医療人を育成するために、永きにわたって諦めることなく、たゆまぬ努力を続けてこられたこと、そしてこれからも次世代の地域医療を担う人材を育てるための活動を更なる加速度をもって活動し続けていくという決意が感じとれました。
今回の学術大会全体をとおして感じたことは、若手医師・研修医・医学生の活躍が著しいということです。今回学会発表を経験した当院の渡邉聡子医師・藤原学医師・本多由李恵医師のように、プライマリ・ケアに求められる役割を正確に理解した次世代の医療人の活躍が、目前に迫った我が国の超高齢社会におけるヘルスケアシステムの充実のために不可欠です。
これまで当院が取り組んできた家庭医(総合診療医)・病院総合医の育成のための活動、地域に根ざした医療啓発活動は、まさに時代に求められている重要な役割を担っているということを再認識しつつ、今後は、いわき市鹿島地域における当院の役割を、単に医療連携という切り口だけでなく、地域社会全体における公共的資源として組み込んでいく、組み込まれていこうという広い視野をもって、地域のあらゆる分野の方々との協働を続けていこうと思います。
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