「私、お暇をいただき『かきかえ』させていただきました。」
地域医療の臨床実習中の学生さんに伝えると、
「えっ、先生。 暇じゃなくても いつも超速で『かきかえ』てるじゃないですか?」
目を丸くする学生さん。
ここでは運転免許の書き換え(更新)という意味で使ったのだが、日本の家庭医療の業界では、「かきかえ」とは、あっちゃんのコミュニケーション法で述べたとおり、同じ疾患の患者さんであっても、個々に異なる病気の経験を探り、Narrative-based Medicine:NBM を実践するためのツール(か:解釈、き:期待、か:感情、え:影響)の覚書である。
つまり、疾患に対する患者さんの「かきかえ」を確認し配慮することから、良好なコミュニケーションと質の高い患者中心の医療が始まる。
2週間、「かきかえといてね」 「かきかえは?」と言い続けてきた結果、家庭医療を実践する人間の職業病を伝染させることに成功した嬉しい瞬間だった。
ご褒美に美味いものを鱈腹ご馳走した。
「遠慮しないで まるっと食べちゃっていいよ!」って言ったら・・・
本当に丸ごと食べようとしていた。
それにしても運転免許センターは、実にスピーディーなベルトコンベアー状態で、「書き換え」の舞台でありながら、ほとんど「か・き・か・え」はしてくれなかった。
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