超高齢者が、肺炎で入院してきたら、何を考えてどのようなアプローチをすればよいでしょうか?
臨床研修医が経験事例を通して丁寧にまとめてくれました。
発表者本人が普段あまり考えたことがなかったテーマで、医療人としての視野を拡げるきっかけになったようで、とても意義深いプレゼンテーションとなりました。
①
嚥下障害の原因は?
・口腔・咽頭の構造異常
→口腔内・咽頭悪性腫瘍、扁桃腫大、甲状腺腫瘍
・口腔・咽頭の機能異常
→脳血管障害、脳炎、脳腫瘍、MG、筋無力症、
オーラルフレイル
・食道構造異常→食道狭窄、外部からの圧迫(TAAなど)、食道腫瘍、plummer-vinson症候群
・食道機能異常→アカラシア、強皮症、薬剤性
②
嚥性肺炎のアプローチは? (抗菌薬以外の肺炎治療を中心に)
ABCDEアプローチ
大浦誠ら;the journal of therapy, 2018
A Acute problem
B Best positin/Best meal form
C Care of oral
D Drug, Disorder of neuro,
Dementia/Derrium
E Energy, Exersice, Ethical
③
末期肺炎のAdvance Care
Planning(ACP)とは?
なぜACPが必要か?
終末期の患者では患者の意向がわからないことが多い。
→終末期には70.3%が意思決定能力を喪失しているといわれている。
Silveira MJ et al;N Engl J Med, 2010
終末期がいつからか不明瞭
→認知症、加齢による衰弱の疾患軌跡は全身の機能が低下した時間が長く続き、緩やかに死亡までの間に機能が低下していく。
Henry C, et al; A Guide for Health
and Social Care Staff
→誤嚥性肺炎で入院し初めて終末期肺炎と気が付くといった介入の遅れが生じる。
具体的に何をするか
・経口摂取を継続するか、人工栄養を導入するか、そもそも治療をどこまでするか・・・・
→倫理的問題が強い
→Jonsenらの臨床倫理の4分割表を使用。
Jonsen AR, et al;臨床倫理学, 2006