2013年5月23日木曜日

ともちんが問題提起する終末期ケア

昨夜は英国・台湾からのゲストさんたちと福島駅前のシダックスで歌いまくり呑みまくり。
日本が誇るカラオケ文化は世界に根付いているのね。

今日は心地よい気だるさを吹き飛ばす快晴!
吾妻連峰を眺めながらウキウキ気分でいわきに帰還。

英国の家庭医お2人もいわきへ!
特にその1人は、5年前にいわきにホームステイしていたほどのいわきフリーク。
震災の時も私たちのことをとても気にかけていてくれていた。
無事、大家さんとの再会が実現。

さて、今日のメインイベントは…
毎度毎度臨場感のある、どリアルな提示をしてくれる ともちんの実践家庭医塾。
おいらも前座で久々の英語プレゼンをさせていただいたが、ろれつが回らなくてコマッタッス。
そして、ともちんのメインプログラムでは今日も期待通り、終末期のケアにおける問題点を容赦なくズバズバ斬りまくってくれた。
今宵は、終末期に襲いくる数々の問題だけでなく、英語の壁がヌリカベのごとく立ちはだかり、行く手を阻んでいたが、ともちんはそれらを果敢に斬りまくり、結果 ディープなディスカッションに突入していった。

家庭医主導の家族カンファレンスなどで、終末期に入る前にすでにリビング・ウィルの確認が済んでいるのがスタンダードな英国と比べて、そういった議論がタブー視されていたり、具合が悪くなれば救急車を呼んで病院に行ってできる限りの処置を受けるのが当たり前のようになっている風習が根強い日本では、たとえ本人が望まなくても、結果的に効果が期待しがたい栄養管理や救命処置を施されることも少なからずある。
わが国でももっと積極的かつシステマティックにこういった議論をする機会を増やし、その情報を治療にかかわる医療機関・スタッフらが共有できるようにする必要があると強く感じた。

2013年5月19日日曜日

病院総合医は地域医療をどう支えるか

学会も佳境に入った。
最終日に重く充実したプログラムのラインナップでヘトヘトながら一踏ん張り。

シンポジウム「病院総合医は地域医療をどう支えるか」
病院総合医育成と医師確保 音羽病院 松村理司先生

大学病院の立場から
千葉大学総合診療部 生坂政臣先生

研修医教育による病院再生と地域医療・医師不足問題の改善
江別市立病院 濱口杉大先生

被災地医師不足総合病院から
岩手県立釜石病院 遠藤秀彦先生

シンポジストの先生方のプレゼンを聴いて感じたことは、
質の高い教育を提供すること。
部門やスタッフ・研修医がアイデンティティーを持って取り組めるように配慮すること。
管理者や他科医師や他職種・地域のニーズにマッチしていること。
当然ながらそういったことが明暗を分けるということだ。

個々の状況を分析して、アイディアを出して、愛するふるさとを守っていけばいい。
ちょいとやる気を いわきに持ち帰って、また明日から頑張ろう。 

もう一つの収穫はこれ!
待ちに待った家庭医の父の名著の和訳本。
親方が苦労して日本語にしてもなお、深過ぎてじっくり噛み応えのあるものに仕上がっている。

名残惜しみながら帰路へ。
ベタなのでやめとこうと思いつつも、結局は牛タンをいただいて仙台をあとにした。
総じて情熱的な集団になってきている印象!
多くの先生方の努力が、日本の未来に寄与することを祈って・・・寝る


地域医療の現状と未来を考える ー診察室を出よ、そして街をみようー

学会の参加者はダントツの過去最大だったそうで、午後で興味のあった糖質制限のセッションは超満員で断念

街を徘徊すると青葉祭りのお囃子や歓声で賑やか!。

ひねくれ者の僕は、学会の夜は、その土地の定番の料理を出してくれる有名店ではなく、他人から「何で?」と言われるような ちょっと怪しいお店についつい入ってしまう。
というわけで仙台に来たらやっぱり、、、「いわき」でしょ!
ナンデヤネン!
恐る恐る大将に店名の由来をたずねると、やはり大将の出身地。
美味しい料理を振舞っていただいた。
そして昨年の福岡で味をしめたカプセルホテル。
例えるなら、専用のロッカーとベッド+テレビ付の寝れる押入れが割り当てられた、大浴場のある健康センターといった感じ。
夜更かしして、帰ってひとっ風呂浴びて寝るだけの学会の夜には親和性の高い素晴らしいシステムである。

昨夜、街を堪能したからというわけではないが、翌 学会最終日
シンポジウム「地域医療の現状と未来を考える ー診察室を出よ、そして街をみようー」
日本でプライマリ・ケアに従事する医師には、地域全体を診るという観念が不足していると常日頃思っていた。
そして、診察室や訪問診療だけで解決できる健康問題は、患者さんの数も、個々の効果も、限られている。
同じ思いと問題意識を持ったシンポジストの先生方と、街をみるということについて考えた。
医師として街をみるということは、その地域の人々が、その人らしく生き甲斐を持って生きていけるように、予防を含めたあらゆる医学的活動を(医師本人も)生き甲斐をもって行うということだ。
けれど、考えてみれば、そもそも医療自体が非日常。
医師などの医療関係の多職種がどれだけ連携・協力したところで、その人らしく生きるためには、日常を支える家族や医療以外で関わっている人たちの力にかなうはずはない。
そして現在の地域医療や救急体制は、全くと言っていいほど地域のニーズにマッチしていない。
地域全体に必要なもの。
そんな大きなコンテクストの中で、その一部である医療はどんな役割を担うべきか?
こういった根本的ところから、地域住民・行政とタッグを組んで創りなおすべき時がきていることを確信した。

2013年5月18日土曜日

杜の都にて 第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会


第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
舞台は杜の都仙台。
本来なら、いわきから常磐線特急で直行できるアクセスのよい土地だったのだが、言わずもがな、津波被害と原発事故により、未だに寸断されたままの2つの地域。

何年ぶりかの高速バスに乗車して仙台に向かった。
学会会場近くの公園には、三春から伊達政宗に嫁いだ愛姫にちなんで、三春滝桜の子孫の愛姫桜が葉を蒼々と繁らせていた。


シンポジウム「世界のプライマリ・ケアを担う医師のキャリア形成プロセスとアウトカム」
英国、オランダ、台湾、ハワイのプライマリ・ケア領域の教育システムが紹介された。
特に、日々の診療に追われ、教育や研究に割くことができる時間に制限のある私たちにとって、教育と研究を同時に修得できるカリキュラムが充実しているオランダのシステムは興味深かった。
いずれの国も日本に比べて恵まれているわけだが、それでもそれぞれ問題を抱え、その問題意識を糧に、現在進行形で更により良いものに改善しようとしている。これらの海外の取り組みを参考にしながら、私たちは日本の実情に合わせて大きな舵取りをしなければならない時が来ている。そんな危機感を持った参加者の熱い空気がフロアに充満していた。


学術セミナー「女性の頭痛 ー月経と片頭痛の関係、トリプタンの使い方を中心にー」
広南病院頭痛外来 松森保彦先生
積極的な片頭痛の診断と、QOLの改善に寄与する上手な投薬の重要性を改めて認識した。
持続時間の長い月経時の片頭痛に対しては長時間作用型トリプタンとNSAIDsを併用するといいという処方のコツや、片頭痛の予防、薬物乱用頭痛対策などを学んだ。
それにしても、広南病院。
広瀬川の南にあるのでそういうそうだ。
初めて知った。

2013年5月17日金曜日

心から知ってほしい! 福島の家庭医療



福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座では2006年から、現、日本プライマリ・ケア連合学会認定の家庭医療学専門医コースを運営し、これまで22人の研修医が在籍しました。(研修中含む)
研修修了後の個々のニーズに対応し、能力を更に開花させてもらえるように、2013年度から研修期間を4年から3年に変更し研修修了後のフェローシッププログラムを整備しました。

ここがポイント!
家庭医療を学ぶためには、地域に生き、地域で働くことが最適な環境です !  
本プログラムは、福島県内各地の医療機関を研修拠点にしているため、都市部・農村部・僻地など地理的条件や、無床・有床診療所・中小病院など医療機関の規模にいたるまで、多彩なセッティングが提供可能です。あなたの将来の家庭医像に合った研修環境をカスタマイズすることができるのです。

かゆいところに手が届く充実の指導医陣!!
本プログラムでは、直属の指導医はもちろん個性豊かな各拠点の指導医が後期研修医のニーズに合わせて総動員で研修をサポートします。
フォリオ作成支援、模擬試験など、家庭医療専門医試験の受験支援体制も充実しています。



ご質問・ご意見・ご見学など いつでも遠慮なくどうぞ
960-1295 福島市光が丘1番地
TEL/FAX: 024-547-1516
e-mailcomfam@fmu.ac.jp (担当:玉木)
URLhttp://www.fmu.ac.jp/home/comfam/

2013年5月14日火曜日

どうやって構築する? いわきの在宅緩和医療




昨日おこなわれた第88回いわき緩和医療研究会のメインプログラム
『緩和ケア連携パスによる地域ネットワークの構築』
千葉県がんセンター緩和医療科 坂下美彦先生

少子高齢化、そして勤務医不足が顕著ないわき市においては、在宅緩和医療、在宅看取りの役割はますますの大きくなっていくことが予想される。 
人口あたりの医療資源が意外に少ない千葉県での現状と対策、取り組みを参考に、これからのいわきでの緩和医療について考える機会を得た。

長年診てきた患者さんを最期まで看取りたいけれど、症状マネジメントに自信がない。
そんな診療所医師は多いはず。経験豊富な医師から症状コントロールに関して適切なアドバイスが受けられれば、安心して連携パスに参加できる。
そんな、問題意識をもって、できることを少しずつやっていきたいという診療所の先生方を、地道に少しずつ仲間に加えながら、システムを根気強く育ててこられたご苦労に敬意を表しつつ、なかなかやはり近道はないものだなあ〜と感じた。

今のいわきでは、患者・家族から在宅緩和医療の希望があっても、震災後の医療ニーズの増大・ソロプラクティスでの24時間対応の難しさ・そもそも麻薬免許を取得していないなどの理由から、退院後の訪問診療をお願いできる診療所が絶対的に不足している。
当然、病院勤務医不足は更に深刻で、病院医師の訪問診療も難しく、希望をかなえられるケースは限定的である。

「このままではいけない」ということだけは確信しつつも具体策が浮かばず、議論が煮詰まった感じがなんとももどかしかった。

2013年5月9日木曜日

(ご案内) 家庭医療 サマーフォーラム in ふくしま 2013

 福島県立医科大学医学部 地域・家庭医療学講座では、毎年夏に「家庭医療 サマーフォーラム in ふくしま」を企画しています。初期研修医や学生を主な対象とし、当講座スタッフによるレクチャーやワークショップを通し、福島で家庭医療について深く学んでいただく企画です。

2013年度は、8月24日(土)~25日(日)、喜多方市家庭医療センター ほっと☆きらり での開催となります。今回は、初期研修や医学部教育で学ぶ機会の少ない「訪問診療」「外来診療」をテーマに、家庭医ならではの明日から役立つTipsを準備しています。また、家庭医療後期研修医の思考プロセスを疑似体験するワークショップも企画しています。




家庭医療 サマーフォーラム in ふくしま 2013


日時 2013年8月24日(土)15時30分 開始
   2013年8月25日(日)12時30分 終了予定
   終了後オプション 喜多方ラーメン・会津若松観光(希望者のみ)

場所 喜多方市 地域・家庭医療センター ほっと・きらり
  (8月24日(土)14時集合で東北新幹線 郡山駅から送迎します。
  申込時にお知らせください。)

対象 初期研修医、医学生 (その他の皆様も歓迎します)

参加費(宿泊費、懇親会費含む)
    医学生  6,000円
    研修医  8,000円
    その他 12,000円
(1日だけの参加はご相談ください)

内容

「外来診療のイロハ」 
 救急外来のように「明日の日中受診してくださいね」とは言えない、日中の「一般外来」。処方薬は何日分出せばいい? 次来てもらう日取りはどうやって決めるの? など未経験者は悩むことばかり。これから一般外来に入る研修医、すでに外来診療しているけれどなんとなく不安な研修医へ贈る、家庭医ならではの外来診療のTips。

「家庭医療レジデント体験ワークショップ」
 家庭医療後期研修、といっても、具体的にはどんな研修? このワークショップでは、具体的な事例を通して、家庭医療後期研修医がどのように学びを深めていくのか、ワークショップで疑似体験します。

「訪問診療のABC」
 在宅医療・訪問診療の充実が叫ばれる今、赴任した医療機関で不意に「先生、訪問診療お願いします」と言われたら。訪問診療未経験の医師に向けた、訪問診療で抑えるべきポイント、陥りやすいピットフォール、そして訪問診療の魅力をお伝えします。
 「家」に訪問するからこそできる、訪問診療の醍醐味を。

「Cinemeducation」
 葛西教授による、映画の一部分(クリップ)を用いたディスカッション。家庭医は、様々な人々の人生に関わります。映画を用いて、そのクリップの感想を語り、家庭医に求められる感受性を養うセッションです。

申し込みはメールの件名を「サマーフォーラム参加申し込み」、本文に 氏名  所属  役職(学生・研修医・その他) 郡山駅送迎希望の有無 を明記の上、comfam@fmu.ac.jp へご連絡ください。
喜多方でお会いしましょう!!

2013年5月1日水曜日

寄り添う医療を体験してみよう! ~家庭医療レジデント1日体験~


福島県立医科大学医学部 医学部 地域・家庭医療学講座の後期研修医らが、家庭医療レジデントの日々の学びの体験を多くの医学生に模擬体験しながら理解してもらいたいと、アイディアを出し合ってあたためてきた企画を、学生向けワークショップという形で、69日(日)に開封します。 
「家庭医療ってなんだろう」「家庭医レジデントって何を学ぶの?」
このワークショップでは、そんな疑問を持つあなたが実際にレジデントになったつもりで症例と向き合い、仲間と話し合う中で答えを探します。そこにある家庭医の楽しさ、奥深さをぜひ感じて下さい!
家庭医療レジデント1日体験
〜ワークショップで見える、レジデントの真実〜

日時:201369日(日)10時〜12

場所:福島県立医科大学 6号館(新講義棟)1階 第1講義室

講師:福島県立医科大学 家庭医療学専門医コース 後期研修医
 山入端 浩之、川名 瞳、北村 俊晴、中村 光輝 ほか

主催:福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座

対象:医学生(学年は問いません。福島医大に限らず、他大学からの参加も大歓迎!)
       医学生以外の方で興味のある方はお問い合わせ下さい

参加費:無料

お申し込み・お問い合わせ:comfam@fmu.ac.jp(講座事務担当:玉木)