2018年11月29日木曜日
多彩な学びの足跡 ~実践家庭医塾~
今宵の実践家庭医塾では、臨床研修医2名が それぞれの経験事例をもとに学んだことを自由にプレゼンしてくれました。
K先生は、浜通り特有の危機的な救急医療事情に驚きつつ、社会的な問題にまで広げて考察し、一般の方が救急車を適正利用できるように開発された全国版救急受診アプリ「Q助」を紹介してくれました。
T先生は、脳梗塞と思いきや神経梅毒?という若干Dr. G的な変化球事例を紹介してくれました。梅毒の急増が問題視されていることを鑑みると、今後このような事例は必然的に増えてくるかもしれません。脳血管障害を疑う切迫した状況下で、性交渉にかかわるデリケートな質問をどのように進められるか?いろんな意味で示唆に富む事例でした。
閉塾後に、1ヶ月の地域医療研修修了セレモニーが挙行されました。
理事長から修了証書と寄せ書きが授与され、プチ・サプライズといった感じでした。
2018年11月18日日曜日
在宅医療に必要な知識と技術を学ぼう ~139th FaMReF@ほし横塚クリニック ~
まず、在宅医療に関する制度的な内容や郡山市における現状や取り組みについてレクチャーがありました。
訪問診療のニーズがある時に、かかりつけ医が積極的に在宅医療に取り組みやすい社会やシステム、ネットワーク創りの重要性を再認識し、いわきで取り組んでいる在宅医療ネットワークを、更に推進していくことが重要だと思いました。
次に、在宅でのポケットエコーの活用法についての紹介があり、だいぶ注目されるようになってきている肺のエコーについても解説してもらい、いつでも、どこでも、誰のどこにでも使える気軽さで、ますます活用していきたいと思いました。
次に、ほし横塚クリニックにおける訪問診療の現状について報告がありました。
入院治療の限界と考えられ、退院時に予後不良と評価されていた患者さんが、自宅退院・訪問診療導入後に、ご家族の献身的な介護などに支えられ、生き生きと過ごすことができて復活し、結局 元気になったという印象的な事例が紹介されました。関わった人達が、それぞれの役割を果して、きめ細やかな対応をして、すべての歯車がかみ合った結果、在宅療養のメリットが最大限に発揮されたようです。
ホストの ほし横塚クリニック家庭医チームは、なんともアットホームな感じで、日頃の診療もあたたかみに溢れている のだろうな~ というのが連想できました。
ラベル:
レジデント・フォーラム,
医学教育,
家庭医療,
在宅医療
2018年11月1日木曜日
「おひとりさま」をケアするということ… ~実践家庭医塾~
今宵は、SDF(超医師〇〇)氏が、天涯孤独な患者さんと関わった経験事例から、健康の社会的要因の影響をダイレクトに受けやすい「おひとりさま」のケアについての省察を発表してくれました。
一般的に健康の社会的決定要因には以下のものがあります。
①社会格差
②ストレス
③幼少期の環境
④社会的排除(少数民族・外国人・身体障害者、避難民・ホームレス等)
⑤労働(裁量権のない環境等)
⑥失業
⑦社会的支援
⑧薬物依存
⑨食事
⑩交通
⑪検診受診率
その他の新たな問題となる可能性がある要因として…
・ジェンダー(LGBTQなど)
・難民・移民・留学生
・思想(SNSを含む)
・雇用の流動性・不安定性
・高齢化
直接的な診療という形でのサポートがしにくい事例では、家庭医だけの力では如何ともし難いところ…
社会を動かす大きな力が必要です。
日本プライマリ・ケア連合学会でも、実は地味に下記の内容の「健康格差に対する学会の行動指針」を示していることが紹介されました。
1) あらゆる人びとが健やかな生活を送れるように社会的な要因への働きかけを行い、健康格差の解消に取り組みます。
2) 社会的要因により健康を脅かされている個人,集団,地域を認識し、それぞれのニーズに応える活動を支援します。
3) 社会的要因に配慮できるプライマリ・ケア従事者を養成し、実践を通して互いに学び合う環境を整えます。
4) 健康格差を生じる要因を明らかにし、効果的なアプローチを見出す研究を推進します。
5) あらゆる人びとが、それぞれに必要なケアを得られる権利を擁護するためのアドボカシー活動を進めます。
6) 上記 1-5 を達成するために、患者・家族および関係者や関係機関(専門職・医療や福祉の専門機関・地域住民・支援ネットワーク・NPO、行政・政策立案者など) とパートナーシップを構築します。
(日本プライマリ・ケア連合学会の健康格差に対する見解と行動指針)
何とも壮大な話ではありますが、生活習慣病などの疾患でも、患者個人のがんばりだけでは解決しにくい、生活背景に潜む隠れた健康リスクを洗い出したり、独居高齢者の生活支援など、社会的サポートが得られるのに 受けていない ということはないかチェックしたり…
こういった部分は家庭医として果たすことができる役割なのではないだろうか?というTake Home Messageで、SDF氏のプレゼンは締めくくられました。
一般的に健康の社会的決定要因には以下のものがあります。
①社会格差
②ストレス
③幼少期の環境
④社会的排除(少数民族・外国人・身体障害者、避難民・ホームレス等)
⑤労働(裁量権のない環境等)
⑥失業
⑦社会的支援
⑧薬物依存
⑨食事
⑩交通
⑪検診受診率
その他の新たな問題となる可能性がある要因として…
・ジェンダー(LGBTQなど)
・難民・移民・留学生
・思想(SNSを含む)
・雇用の流動性・不安定性
・高齢化
直接的な診療という形でのサポートがしにくい事例では、家庭医だけの力では如何ともし難いところ…
社会を動かす大きな力が必要です。
日本プライマリ・ケア連合学会でも、実は地味に下記の内容の「健康格差に対する学会の行動指針」を示していることが紹介されました。
1) あらゆる人びとが健やかな生活を送れるように社会的な要因への働きかけを行い、健康格差の解消に取り組みます。
2) 社会的要因により健康を脅かされている個人,集団,地域を認識し、それぞれのニーズに応える活動を支援します。
3) 社会的要因に配慮できるプライマリ・ケア従事者を養成し、実践を通して互いに学び合う環境を整えます。
4) 健康格差を生じる要因を明らかにし、効果的なアプローチを見出す研究を推進します。
5) あらゆる人びとが、それぞれに必要なケアを得られる権利を擁護するためのアドボカシー活動を進めます。
6) 上記 1-5 を達成するために、患者・家族および関係者や関係機関(専門職・医療や福祉の専門機関・地域住民・支援ネットワーク・NPO、行政・政策立案者など) とパートナーシップを構築します。
(日本プライマリ・ケア連合学会の健康格差に対する見解と行動指針)
何とも壮大な話ではありますが、生活習慣病などの疾患でも、患者個人のがんばりだけでは解決しにくい、生活背景に潜む隠れた健康リスクを洗い出したり、独居高齢者の生活支援など、社会的サポートが得られるのに 受けていない ということはないかチェックしたり…
こういった部分は家庭医として果たすことができる役割なのではないだろうか?というTake Home Messageで、SDF氏のプレゼンは締めくくられました。
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