地域包括ケアシステムの構築と在宅医療の充実が喫緊の課題となっているいわき市では、昨夜、市医師会主導の「在宅医療ネットワーク」発足会議が開催されました。
限られた医療資源で広大な市内全域の在宅医療を充実させるためには、「在宅医療のグループ化と、在宅・病院連携のルールつくりが必要」と考えられ(平成27年度の病院・在宅医療連携会議での意見)、市医師会理事会でも、このことを推進していくことに合意が得られました。
既にこの趣旨に賛同し、参加・協力を表明している医師が42名おり、うち6割以上の医師が、「在宅医療ネットワーク」発足会議に出席しました。
わたくしは別の会議と掛け持ちであったため、会議の全貌は把握できませんでしたが、初回なので顔合わせと、総論的な内容が主体だったものの、早速 熱い議論もなされ、在宅医らが協力して互いの不在の際などのカバーをし合い、また、そのことで、ネットワークに参加する医師を増やしていけるよう働きかけていくこと、急性増悪時などにも在宅医が責任をもって連携する病院への情報提供ができるシステムとルールつくりをしていくこと、その具体的なルール案などが概ね合意を得たようです。
さて、こういった高齢者の在宅医療を語るうえで、切っても切り離せないのが、終末期の医療内容に関する意思決定や看取りの場所の選択です。
今宵の実践家庭医塾では、積極的な治療が適用できない病状の高齢者における療養や看取りの場所の選択についてディスカッションしました。
いわゆる良い終末期・看取りを実現するためには、医療の利用者側の死への準備と、医療を提供する側のシステムの整備が必要であり、いわき市医師会やいわき市の取り組みが実を結び、この地域が安心して多死社会をむかえることができる街に生まれ変わることを祈ってやみません。
今回の家庭医塾の冒頭では、医療人を志す県内の中学生を対象とした子供の夢応援事業「医学教室」の実施報告がありました。
地域包括ケアシステムを学ぶことができるワークショップを提供しましたが、まさにこれからの日本を支えていく人財の発掘に寄与する取り組みであったなぁ~と自負した次第です。
また、今回の家庭医塾では、もう一つ嬉しいことがありました。
初代キッズ医者の研修修了生として初めてこの春から医学部に進学することが決まったばかりの高校生が、家庭医塾に参加してくれたのです。
「まだ早すぎる」という既成概念を取り払って毎年小学生を対象として開催しているこの取り組みを、今後も続けていくべきという決意を新たにしました。
2017年1月19日木曜日
2017年1月15日日曜日
県内は大雪の中 ~第119回FaMReF~
最終的には豪雪にもめげずにメイン会場に集結した10名と遠隔地から延べ3名の参加があり、通常規模で行うことが出来ました。
メインプログラムの専攻医のポートフォリオ発表は、救急医療の領域で作成した事例ながら、高齢者への医療の適用や、終末期の意思決定、看取りの受容のサポート、医師間・スタッフ間の情報共有システムの構築など、多岐にわたる学びの機会となった示唆に富む症例でした。
議論のポイントが多すぎて、学会への提出用としては不向きかもしれませんが、家庭医として視野を拡げるという意味では、発表者にとっても、参加者全員にとっても、とっても勉強になる議論が出来ました。
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