かしま病院 病院長 石井 敦が、大好きなふるさと“いわき”から、家庭医療・総合診療の実践と教育・普及活動の新しい形を発信します。 医療と地域をつなぐ「いとちプロジェクト」 「医療を街に置く」ということはどういうことなのか? 何気ない日常を通して探求していきます。
2021年6月12日土曜日
情報の鵜呑みにご注意を! ~第163回 家庭医療 レジデント・フォーラム~
2020年10月27日火曜日
消えたBPSモデル ~第157回 家庭医療レジデント・フォーラム from 喜多方(オンライン)~
2020年10月25日、今回もオンラインで家庭医療レジデント・フォーラムが開催されました。
専攻医からの提示事例は、EBMの実践を通して、終末期の意思決定、家族志向ケアなど、総合診療医に求められる複数の領域にまたがる多くの能力が鍛えられるものでした。
直属の指導医とのやり取りを通じて成長してゆく学びの過程を垣間見ることができたし、フォーラム当日も、他の指導医らから、また別の視点から多彩なフィードバックがなされました。
指導医レクチャーのテーマは「BPSモデル」でした。
家庭医療専門医取得のために課せられるポートフォリオの花形領域であったBPSモデルが、新・家庭医療専門医では姿を消しました。この事実に対して、レクチャーを担当した豊田先生の解釈は秀逸でした。「本物の家庭医を目指すなら、BPSモデルは標準装備でしょ!」と言わんばかりに、BPSモデルは消えたのではなく、根っ子に潜り込んだわけで、つまり、すべての領域において当然のごとく常に意識しておくべき、本幹をなす基礎中の基礎であり、かつ最重要なアプローチであるとの主張でした。
全体として、運営側も参加者らも徐々にオンラインセミナーに慣れてきて、小グループに分かれてのディスカッションも、さほど違和感を覚えることなくスムーズに進むようになってきました。ウェブで共有できるホワイトボードを用いると、各グループで出た意見がリアルタイムにアップされるので、その場で他のグループの議論内容も直接確認できるし、そのまま記録にも残せるので、参加できなかったメンバーも後で学べます。
より良い学びの機会になるように取り組んでくださった喜多方の指導医陣に感謝申し上げます。
2018年7月12日木曜日
最新・最良のエビデンスと患者の想いを紡ぐ芸術 ~実践家庭医塾~
無症候性高尿酸血症へのアプローチはどうするか?
シンプルでよく経験する状況だけど、エビデンス的にも未だ結論が出ていない上に、個々の患者さん毎に、その他のリスクや背景は千差万別。
当然、患者中心の医療の方法を駆使して、患者の想いを紡ぐ職人技が必要です。
推奨される二次予防投薬を受け入れてくれない患者さんとどう向き合うか?
こちらはやや複雑で難しい状況ですが、やはり、患者中心の医療の方法を駆使して、患者さんが歩んできた長い病気の経験・物語を紐解いて、丁寧に紡いで行けば、突破口が見い出せるかもしれません。
難しい状況でも、いや、難しい状況だからこそ、諦めずに患者さんと関わり続ける努力と根気が試されます。家庭医療は生涯修行が必要な職人技なので、まさにゴールのない芸術の世界です。
2018年4月21日土曜日
春爛漫の桃畑を抜けて ~第5回 PEACH!!~
快晴の中、せっかく桃の里でのお勉強の機会なので、先ずは地域風土の視察から…
阿津賀志山~白石市往復の18㎞ラン!
春爛漫の桃畑を抜けて、猿の群れを目撃しながら 延べ標高差350mの登山ランに、わたくしの筋肉は喜んでいました。
冒頭に、症例検討とポートフォリオ検討が1事例ずつありました。
前者が議論のフォーカスが傷病中心であるのに対して、ポートフォリオ検討では学習者(事例報告者)の成長の過程が議論の的となります。
同じイベントの中で連続して行うことにより、ディスカッションを通して両者の違いが浮き彫りになり、学習者中心の医学教育の充実のためにも、学習手段としてのポートフォリオの有用性を再認識し、更に有効活用していきたいと思いました。
次に、英国ロンドンから英国総合診療医・指導医の Will Brook 先生による特別講演。
「Images of Primary Care」と題し、London の Welcome Library や New York の The Burns Archive などに収蔵されている、医療に関する古い写真を紹介しながら、世界の医療、プライマリ・ケアの歴史についてお話いただきました。
存在そのものが癒す力をもつ家庭医によるケア、患者中心の医療の方法の奥深さをしみじみ感じる時間となりました。
最後のセッションは、福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 北村俊晴先生によるワークショップ「すぐできる!エビデンス検索」データベースからの情報検索
短時間で必要な情報にたどり着くための「コツ」、英語が苦手な人でも大丈夫な二次資料のワンランク上の使い方が紹介されました。
情報検索に不慣れな臨床研修医の皆さんでも、ていうか、だからこそ、やってみると色々発見があったようで、先ずはデータベースとお友達となって、毎日触ってみて、自分なりの裏技を見つけたりするのも上達のコツかと感じました。
福島県内の総合診療医育成のための5つのプログラム。
今後、それぞれが益々コラボして、より良い学習の場を提供していけたら良いと思います。
2015年8月24日月曜日
ステテコ、フンドシもOK? 「家庭医療サマー・フォーラム in ふくしま 2015」
チーム全員が iPhone ユーザーかつ日本酒(ぽんしゅ)好き! ということが判明したのです。
そして、初日のお勉強が終わったら、お待ちかねの今回の目玉 特別企画!
2015年NHKのど自慢グランドチャンピオンで、いわき市の名誉市民に認定された石井敦子さん、雅子さん姉妹と、そのご家族らが、サマー・フォーラムに来てくださいました。
というわけで、近所のお祭りに盆踊り要員として集団乱入!!!
みなさん狂喜乱舞し、いわきの夏の夜を存分に楽しんでおられる様子でした。
さて、2日目のメインプログラムは 「患者中心の医療の方法」の一部であるEBM(主に診断)を「ドクターG」的に丁寧に考えた後に、それだけでは終わらない「家族志向ケア」の意味するところを深く掘り下げるレジデント企画ワークショップ!
家族会議のVTRを観てからのディスカッションでは、どのチームでも予想通り、いや予想以上の盛り上がりをみせていました。
臨床推論の面白さ、家族と関わることの重要性や家族もケアの対象であること、そして家族志向ケアそのものの楽しさを多くの参加者の皆さんに理解していただけたのではないでしょうか?
2014年11月27日木曜日
不確実性と向き合うこと ~実践家庭医塾~
今月も、いわきに地域医療の臨床研修に来てくれている研修医に学びの経験を発表してもらった。
今回、研修医が着目したテーマは、超高齢社会に突入している我が国では、もはや避けては通れない“不確実性への対応”であった。
貧血と心不全を患った とある超高齢者のケアにあたり、どこまでの検査をするべきか?治療はどこまでやるべきか?
まさに不確実性への対応に迫られた体験をもとに、気づいたことや学んだことを見事にまとめあげてくれた。
そもそも、医療には100%確実で安全なものは、検査においても治療においても一つしか存在しない。
その一つとは遅かれ早かれ全員に平等にいつかお迎えが来ること。
極端な話をすれば、医療を利用すると決めた時点で、そのことが裏目に出て命に関わることもあるという現実を受け入れなければならない。
治療や検査をするべきかどうか迷うぐらいなら、むしろ何もしない方がいいかもしれない。
医者に殺されることを100%防ぐ唯一の手段は、医者にかからないことである。
逆に、医療を利用すれば、結果として不利益を被ることもありうるという大前提を理解せずに、検査・治療方針に関する選択の自由なんてありえない。
そのことを許容できないのであれば、医療を利用する権利はないと思う。
医療を受けるリスクを受容するかわりに、医療の恩恵を獲得にいく。
医療とて、賭け事や勝負の要素がある。
そして、患者が高齢であればあるほど、死が不可避な状況が多くなり、どんな戦術をとろうとも、はじめから負け戦の様相が強くなることもまた事実。
こういった大前提を医療の利用者に十分に理解してもらって、ようやく同じ土俵に乗り、そこから各々の倫理観や哲学・死生観などを考慮して、個別の方針決定をしていくという過程には、多彩なコミュニケーション能力・多大な労力や時間を要する。
したがって、こういった内容の話し合いは、例えば患者さんが既に急変し切迫した状況下になってしまった後に家族とじっくり冷静に相談するなんて離れ業はほぼ無理である。
だからこそ、土壇場になってバタバタするのではなく、かかりつけ医の責務として日頃から患者本人の考えを中心とした医療提供に関する要望。特に終末期の栄養管理や延命処置等に関する重要事項に関して予め決めておくとよいし、それは本来そうやって時間をかけて行うべき内容である。
こうした努力を積み重ねて、不要な入院や救急搬送、そして何よりも患者本人に無駄な苦痛を強いる事態を回避できる社会を創っていこうと強く思った。
2014年11月9日日曜日
ようこそいわきへ! ~第97回 FaMReF@いわき~
家庭医療レジデント・フォーラム(Family Medicine Resident Forum: FaMReF)
今日の会場はいわき!
「力を合わせて全体の進歩を図る」
かしま病院の病棟にある熱い日めくりカレンダーも、いわき開催を祝福しているようだ。
レジデントからの話題提起
日々の診療を通して高齢者の転倒の問題は多いし重大であるということを実感をしているというあるレジデント
しかしながら、転倒・骨折を予防するために有効な手段や・指導方法は、案外良く分からなかったりする。
玄関などのマットにつまずかないように配慮する
ヒッププロテクター
バリアフリーや手すりなどのハード面の整備
栄養管理や健康体操などによる身体機能の維持・向上
多職種の意見や協力をあおぐ
薬剤の副作用の可能性の吟味・・・
本当に有効なのか?
何が最も有用で効率的なのか?
この問題ひとつとっても臨床上の疑問は尽きない・・・
こういったところから新しい研究テーマを見出していこう。
次のレジデントは、最近たまたま予測し難いような病態の患者さんを立て続けに経験し、ある程度検査や治療ができる環境だと、検査や治療をどこまでやるべきか迷うという。
まず、難しい病態なのにどうして診断できたのかを振り返ってみよう。
そこに、どんな時は検査を省けるのかというヒントが隠されているかもしれない。
次に、診断はついたものの、どこまでの治療をすれば良いか?
超高齢社会では、患者がどうありたいのかという健康観を考慮せずに治療方針は決められない。
しかも、多様な要素が複雑に絡み合ったなかで、総合的に判断してくことが求められる。
一人ひとりの患者さんに対して、この時は、こう判断してこうした。
そういった積み重ねのデータが、医療経済への寄与も含め、今後の医療界の財産にできるよう、まとめあげていくことになった。
そして本日のメインのプレゼンは、後期研修医のS先生
「地産地消」と題し、いわきへの熱い思いを持つ仲間として、地元から地元を支える医療人を輩出していこうという、妄想半分・本気半分の作戦会議となった。
震災を経験した子供たちは、社会貢献したいという傾向が強まったという(ベネッセ教育総合研究所調べ http://berd.benesse.jp/magazine/opinion/index2.php?id=2013 )
地元愛の強い若者の夢が叶えられるように、私たちが憧れの大人として影響を与えていこうじゃないか!
2014年1月26日日曜日
内部被ばく講演会に学ぶ患者中心の医療の方法
講師は、東京大学医科研の坪倉正治先生。
南相馬市立総合病院などで実施された内部被ばく検査のデータをもとに、私たちが今置かれている状況が分かるように、丁寧かつ明快にお示しくださった。
単に「心配いらない」という結論を押し付けるのではなく、この地で被ばくによる健康リスクを高めることなく生活することが可能であるというデータに基づいた根拠と、安全に生活するための注意点を正確に伝え、その情報をもとに個々人が身の振り方を自分達で選択できるようにすること。
費用対効果を高く保ちながら被ばくを低減しつつ、被ばく以上にずっと重大で明確なその他の多くの健康リスクを包括的に管理していくこと。
そういったことが、福島で医療を提供する者に求められる使命であることを再認識した。
恐らく、坪倉先生のお話がひじょ~に分かりやす過ぎて、かつツッコミどころもなかったためだと思うが、フロアからの質問も少なめだった。
同じいわき市に住んでいても、不安や苦しみの経験は、その程度も種類も千差万別。
そんな個々のコンテクストに配慮しながら、大事な情報を正確に伝えて個々人の判断材料を提供する。
そんな坪倉先生のスタンスに惚れた。
どんな場でも、EBMとNBMをバランスよく駆使しながら、家族・社会背景に配慮することを忘れてはいけない。
患者中心の医療の方法実践の修業中の身としては、坪倉先生の講演内容もさることながら、そういった優れたコミュニケーション能力を魅せていただき、自分にとってメチャクチャ勉強になる有意義な時間となった。
で、当然のことながら頑張って学んだ後に行きつく先は… デレスケ!
午前様で、今日は ホロスケ!!!
2014年1月11日土曜日
記念すべき? 第90回 FaMReF@福島医大
2013年9月19日木曜日
実践家庭医塾 ~日本流プライマリ・ケアの構築のために~
先ずは、前回に引き続き、地域医療研修のために東京慈恵会医科大学からいわきを訪れている臨床研修医の気づきをもとに家庭医療の専門性をさぐる試み!
現在ローテート中の彼女は、わが国のプライマリ・ケアの現場で噴出している多くの問題を実感せずにはいられない事例を、僅か2週間あまりの間に数えきれないほど目の当たりにしてきた。
そのもどかしさを参加者に伝えるべく、当日の家庭医塾開始直前まで鋭意準備してくれた。
日本の医療を良くしたい。
誰もが安心して暮らせる国にしたい。
そんな熱い想いを受け止めることができた。
これからも、日本の未来を創る仲間として一緒に頑張っていきたい。
次に、夏休みを利用していわきを含む福島県を訪問してくださっている、オーストラリアのJames Cook大学家庭医療学のClare Heal准教授から、家庭医の臨床研究について、ご自身の研究のご紹介を交えてレクチャーしていただいた。
プライマリ・ケアの現場から生まれた素朴な疑問やニーズをきっかけに、日常診療に役立つエビデンスを、日常診療をしながら生み出していく文化が根付いていることにあらためて感心した。
プライマリ・ケアの整備という面では、診療にせよ、教育にせよ、研究にしても、ずっと先を行くオーストラリアなどの先輩諸外国の姿を参考にしながら、日本流のプライマリ・ケアを構築していくのが僕らの使命である。
2013年8月17日土曜日
第16回福島アドバンスド・コース(FACE) ~須藤博先生をお迎えして~
初日のメインは「SpPinな身体所見」ということで、確定診断に有用な身体所見について、指先から頭頸部に始まり足先まで全身に至る身体所見を、実際の病歴と照らし合わせながら、丁寧に解説していただいている。
あらためて学んだ大切なことは、日常病ほど非典型例が多いし、実際の臨床はとても難しく奥が深いということ。
そして、考えられる疾患を広く想起できることは最も重要である。緊急度や重要度が高い疾患はもちろんのこと、実は頻度が高いのにも関わらず、あまり知られていない疾患は案外多い。それらを常に想起できれば、多くの患者さんに多くの恩恵をもたらすことができる。
自分が経験の無いような症状を訴える患者さんに出会ったときこそ「自分が知らない疾患ではないか?」と疑いながら、より慎重に自分の経験を記録し、検証・検討し、解決していきたい。
2013年7月21日日曜日
最良の証拠を良心的、公明にかつ思慮深く用いること ~第84回FaMReF~
氾濫する情報を、いかに有効に活用するか?
多忙な診療の合間に、素朴な臨床上の疑問をどう解決するか?
そもそも、その情報は入手するために時間と労力を費やす価値があるのだろうか?
あれも、これも、EBMだよね~ etc.
様々なディスカッションをすすめながら、今までより少しだけEBMを身近に感じられるようになった。
とかく、エビデンス=EBM という誤解に惑わされるこの分野で、
あるエビデンスを個別の患者にどう適用するのか?
その部分へのアドバイスが指導医にとって重要な役割なんだなぁ~ と再認識した。
2013年7月8日月曜日
うつ病ならぬ、認知症にも2質問法?
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/23773305/?i=5&from=/9785148/related
Usefulness of 2 Questions About Age and Year of Birth in the Case-Finding of Dementia.
Journal
Affiliation
認知症にも2質問法が登場か?
サマリーだけ見てちゃんと批判的吟味してないが、効率的なケアを提供するために、短時間でルールアウトできるツールは大変興味深い。
スペイン・ミシェル・セルヴェ大学病院のTirso Ventura氏らは、年齢と誕生日を尋ねる2つの単純な質問が、臨床において概して認知症をルールアウトするのに有効であるという仮説について検証した。その結果、特異度および陰性適中率がほぼ100%近かったことが明らかになった。感度は約61%、陽性適中率は約45%であった。これらの結果を踏まえて著者は、「この単純な質問テストは現在までに報告された最善の方法であり、認知症のルールアウトに用いることが普遍化されるかもしれない」と述べている。
研究グループは、認知症発症について注目した住民ベースの長期前向き研究を行った。ベースラインで、認知症の症例群と非症例群を特定するために2つの標準化されたスケール、構造化面接(Geriatric Mental State)とHistory and Aetiological Schedule(HAS)を用いて認知機能の評価を行った。症例の診断はDSM-IV基準を用いて行い、参照基準とした。本検討では、単純認知機能テストとして、2つの簡単な質問「あなたは何歳ですか」「あなたは何年生まれですか」という質問をした。
主な結果
・参加者のテストの受け入れは良好で、30秒以内に回答が得られた。
・基準と比較して、「2つの質問への回答がどちらも誤答である場合は認知症である」とする判定について、感度61.2%、特異度97.8%、陽性適中率44.5%、陰性適中率98.9%であった。・この超短時間での試験は、特異性と陰性の検出力が非常に良好であった。
2013年4月15日月曜日
エビデンスに基づく?患者中心のダイエット (運動療法編)
2013年4月14日日曜日
エビデンスに基づく?患者中心のダイエット (食事療法編)
<2012年 7月27日(金)読売新聞>





























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