2023年2月3日金曜日

禁煙は最強の介護予防

 いわき市主催の介護予防教室の講師を務めさせていただきました。

メインセッションの講師のおはからい=盗撮(笑)のおかげで、出張と称して油を売っていない(町中華で飲んでない)ことの証拠写真を残していただけました。
「介護予防のための生活習慣について」というめちゃくちゃ広いお題を頂戴したので、実際の参加者のご様子を確認しない限り、ニーズにマッチするお話はできないと察しましたので、事前準備は諦めました。
結果、よりよく生きるためにどうしたらいいか?
医学というよりは哲学的なテーマで、台本なし、スライドなしのぶっつけ本番の楽しい時間を過ごさせていただきました。
自分が変われば何かが変わる。
とはいえ、理想的な行動をし続けることができる人は、ほぼいないでしょう。
個々の事情を考慮して、始めることができること、取り組み続けることができることを、それぞれ考えていただきました。
石井の場合「酒と肴は我慢できなくても、スイーツや締めのラーメンは我慢できるし、うまい酒を飲むためならガシガシ走ることは苦でない」とか。
本日の最大の成果は、参加者のお一人に禁煙宣言してくださった方がおられたことです。
これは最強の介護予防効果が期待できますので…。
既成の介護予防のパンフレットに、そのことが記載されていなかったのは残念でした。




2023年1月22日日曜日

地域志向のプライマリ・ケア ~第177回 家庭医療レジデント・フォーラム~

 地域志向のプライマリ・ケアには、Community-Oriented Primary Careモデル、Community as Partnerモデル、PRECEDE-PROCEEDモデルなどの、先ず地域を診て→課題を特定→介入 といった流れの既存のモデルがありますが、本日は、まず活動→徐々にチーム形成→地域に変化 という新たな概念モデルを学びました。

福島県内各教育拠点における地域介入の具体的な取り組みの紹介もあり、未来に向かったワクワクが止まらない時間となりました。

2022年6月に始動した、かしま病院の「いとちプロジェクト」は、医療と地域の担い手によるコミュニティデザイン型の取り組みであり、まさに新しい概念モデルから生まれたプライマリ・ケアチームそのものです。これからより良い形で地域に変化がもたらされることに期待しています。




2022年12月18日日曜日

ウィンター・オンライン・フォーラム2022(第176回 家庭医療レジデント・フォーラム with 望年会)

 今回は、外部参加を募っての開催でした。

前半では複雑困難事例への対応を学び、後半には未来の総合診療医が提供するプライマリ・ヘルス・ケアの質を高めるための方略を議論しました。

番外編では、内輪限定で、忘年会ならぬ、未来を見据えた語り場としての望年会が開催され、数多くのぶっちゃけトークを通して、伸びしろしかない家庭医・総合診療医の未来を展望しました。



2022年11月14日月曜日

臨床技能評価 2022 ~第175回 家庭医療 レジデント・フォーラム~

2022年11月13日、久々の現地対面開催となった家庭医療レジデント・フォーラムは、毎年恒例の福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座オリジナルの臨床技能評価でした。今年度から総合診療専門研修プログラムの修了判定に用いることになりました。

指導医陣作問の完全オリジナル新作5題が提供され、模擬患者も指導医陣が担当し、今年度で研修修了予定の専攻医が受験しました。

通常は今後の改善につながる前向きな表現を中心とした形成的評価を行いますが、今回は受験者に対する合否判定に用いるため、不慣れな総括的評価をしなければなりません。

とはいえ、まだまだ成長過程にある専攻医ですので、いつも通り更なる発展を期待した形成的評価を加えます。

少なくとも私は、専攻医が良く学んでくれたことを確認できて、とても嬉しい時間を過ごすことができました。

2022年9月18日日曜日

普段使いの家庭医外来 ~第173回 家庭医療レジデント・フォーラム~

本日の指導医レクチャーは、高齢者診療を中心とした普段使いの家庭医外来をテーマに
定期通院している目立たない普通の患者さんの緩やかな変化への対応について考える機会になりました。

静かに進行する高齢者の貧血や癌。
人知れず高血糖になっていた高齢者。
典型的でない病歴で受診し、実は重篤な病態の高齢者。

これらに対応するために、定期的な体重測定、定期的な血算・血糖の測定、体調不良で受診時の血算・CRP測定、肺癌高リスク者への定期的胸部画像チェック、バイタルサイン・身体所見の確認を外来のルーティーンにすることが提案されました。


2022年5月15日日曜日

この方 本当に胃ろうが必要? ~第172回 家庭医療 レジデント・フォーラム~

本日の家庭医療レジデント・フォーラムの指導医レクチャーのテーマはリハビリテーションでした。
胃ろう造設後の患者さんの事例を通して、国際生活機能分類を用いたグループワークを行い、ケアの目標設定などについて議論しました。
胃ろう造設後は、当然、経管栄養が行われるわけですが、そのまま長期に経腸栄養が継続されることが多いです。
その多くは、経腸栄養継続にもかかわらず、徐々に衰弱が進行したり、肺炎を合併して急激に容体が悪化したりして、生命維持の限界に向かっていきます。
しかし、その後の経過は個々により様々で、胃瘻造設を要した時点では、嚥下機能が不十分だったものの、経腸栄養が奏功し、栄養状態が改善した結果、嚥下機能を含めた身体機能が改善し、結果として胃ろうが不要になる方もおられます。
こういった場合、国際生活機能分類をあらためて適用してみて、実際におこなっている活動と、できる活動に乖離がないか?を確認しながら、ケアの目標を再設定することはとても有用だと思いました。

2022年4月3日日曜日

しあわせな集団へようこそ! ~第171回 家庭医療 レジデント・フォーラム~


 年度初ということで、福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座の総合診療医 新人専攻医のオリエンテーションを兼ねたものでした。今回もオンライン開催となりましたが、先輩研修医や指導医も、自身のビジョンやプランについての考えをまとめられる語りの機会が設定されるというハイブリット構造で、よく工夫されたとても良い企画でした。

残念ながら、私は所用が重なり細切れ聴講となってしまいましたが、フォーラム全体を通して確認できたことは、講座のメンバー 一人ひとりが、それぞれの立場で、ウェル・ビーイングを目指し、取り組んでいるということです。しかも、新人専攻医らも、そのような既に志を抱いて、私たちの仲間入りしてくれていることも彼らの発言を通して確認できました。

ウェル・ビーイングとは、幸福で肉体的・精神的・社会的すべてにおいて満たされた状態のことですが、総合診療医として働くこと、総合診療医を育てること、地域住民に広く総合診療医を正しく理解してもらうこと、総合診療医が活躍できる仕組みをつくること、こういった取り組みすべてが地域社会のウェル・ビーイングに寄与する、それを確信している、そんな共通認識が講座のメンバーにはあるようです。

そして、それは医療を受ける側だけでなく、提供する側である総合診療医にとっても、自身のウェル・ビーイングにつながることが再認識されました。総合診療医は医師である前に、一人の人間です。自分がやりたいことに熱意をもって取り組んだ結果、それが広く社会のウェル・ビーイングにつながるなら、これほどやりがいのあり、幸福なことはないでしょう。

要するに、人の“しあわせ”にかかわることができること自体が“しあわせ”で、そんな“しあわせ”な仲間に囲まれて仕事ができることは、私にとっても とても“しあわせ”なことです。