2021年7月22日木曜日

指導医のモヤモヤについて気軽に語り合おう!

2021年7月21日、初めて開催された「ふくジェネトレーナーズラウンジ(ジェネトレ)」に参加してみました。ジェネトレは、福島県⽴医科⼤学 医学部 総合診療医センター主催の指導医向けオンライン講習会で、指導医養成が専門領域の及川沙耶佳先生(福島県立医科大学 医療⼈育成・⽀援センター)をアドバイザーに招き、学⽣や研修医の教育にやりがいを感じながらも、教育に対してモヤモヤや不全感を感じる指導医らが、教育について気軽に語り学べる場を提供する目的で企画されました。

栄えある事例提示のトップバッターとして、先ずは私自身の拙い医学教育の実践例を紹介させていただきました。私が医学生の臨床実習教育を担当する際に注力している点は、なるべく多く実際の臨床経験(患者さんを診るということ)をしてもらうことです。座学や机上の自学だけでは定着しなかった記憶や技術が、患者さんやご家族との関りを通して定着し、学習を促進すると信じているからです。実際に多くの学生は、臨床経験を通して高いレベルの気づきを得てくれます。中には指導医の期待をはるかに上回る深い学びを得る学生もいます。一方で、同じように臨床経験を積ませても、その経験の意義をあまり理解してくれない学生もいて、この差はどこから生まれるのか?というモヤモヤがありました。参加者の先生方と賑やかに語り合いながら、私のモヤモヤについても共感していただきました。

その後、アドバイザーの及川先生から私の事例について解説をしていただき、経験的学習理論の理解が重要であることを知ることができました。やみくもにたくさん経験させるだけでなく、学生の過去の経験とリンクして、もともとある知識と関連化し臨床に応用できるように、指導医として、一人ひとり違う学生に関心を持ち、それぞれにとって最適な気づきの促進の仕方を探求していこうと思います。



2021年6月26日土曜日

家庭医療/総合診療 サマー・オンライン・フォーラム 2021

 福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座では、家庭医療/総合診療を学びたいという医学生・研修医向けに、2006年から毎年サマー・フォーラムを開催しています。

 第1部では、在宅医療をテーマに、家庭医とともに訪問診療を疑似体験できるワークショップでした。参加者はこのセッションを通して、患者の病状にフォーカスした視点、家族・社会背景を含めた全体を見渡す視点、流れを読み戦略を練り実行する視点、これら3つの目を駆使して、より良いケアに活かしていく患者中心の医療の方法の有用性や楽しさ・やりがいを体感できたようです。

 第2部では、健康の社会的決定要因をテーマに、患者の現状を整理し、そうなっている原因を探り、実現可能な具体的な支援を導きだすワークをおこないました。健康の社会的決定因子には、収入・教育・住居・医療サービスへのアクセス・幼少期の体験・社会的支援・コミィニティ・仕事・食事や栄養状態などがあります。これらの状況をそれぞれ確認することで、いま起きている問題点が整理しやすくなり、更に、何故そうなっているのかを分析することで、これからの戦略が立てやすくなることを実感することができました。

 このサマー・フォーラムは、昨年からオンラインでの開催となっていますが、今年も医学生・研修医を中心に40名を超える参加があり、大盛会となりました。



2021年6月12日土曜日

情報の鵜呑みにご注意を! ~第163回 家庭医療 レジデント・フォーラム~

 

今回のメインテーマは「論文との上手な付き合い方」でした。
コロナ禍の影響で、休憩時間に医局でくつろいでいる時に、製薬会社のMRさんから予定外の情報提供を受けることは皆無になりましたが、以前は、自社製品の有用性を示す論文を紹介するために、熱心に足しげく病院を訪問されるMRさんが数多くおられました。
そういった場合、研究のスポンサーが製薬メーカーだったり、その他あやしいことこの上なくて、わざわざ時間をかけて目を通す気が失せるわけです。
今回は、一流雑誌に載るような、一見して自身の診療に活用してもよさそうな立派な雰囲気のいくつかの論文を、専攻医3名が紹介・明快な解説をしてくれました。しかし、丁寧に批判的吟味をしていくうちに、やはり鵜呑みにできないものが潜在していることを再確認する結末となりました。
葛西教授によるシネメディケーションでは、ウイルス感染症パンデミックを描いた映画「コンテイジョン」を教材に、映画で描かれている不確かな情報に惑わされパニックに陥る人々と、現在のコロナ禍にある私たちの状況を重ねて、家庭医として、最新で最良の医学情報の活用と、情報の発信をしていくという私たちの役割について議論しました。



2021年5月19日水曜日

世界家庭医の日

 519日は世界家庭医の日です。この家庭医の日は、世界中の医療システムにおける家庭医とプライマリ・ケア チームの役割と貢献にハイライトをあてる日として、世界家庭医機構が2010年に制定しました。「なぜ519日なのか?」それは私に質問してはいけません。なぜなら、私が調べた限り理由は不明だったからです(笑)。正解が分かった方はコッソリ教えてくださいね(笑2)。

この日が制定された経緯や日付の由来もよくわからない私が言うのもなんですが、普段とても地味で地道に、あたりまえで身近な医療を、身近な皆さんに、包括的かつ継続的に提供している家庭医が、年に一度ぐらい主役として注目される日があってもいいな~って思います。

2021年の世界家庭医の日のテーマは「家庭医と未来を構築しましょう!」です。そして、より良い未来に向けて課題を克服するための要員として、4つのパートナーが示されています。

1つめは「プライマリ・ケア チーム」です。言うまでもなく、多職種連携はより良いケアの要です。

2つめは「患者さん」です。医療の利用者である患者さんが、医療の提供者側に全部お任せすることなく、主体的にケアに参加することは、質の高い患者中心の医療を実現するための源です。

3つめは「最新の技術」です。患者さんが最新の技術や知見による恩恵を適切に享受できるよう常に自身の医学知識をアップデートし続け、適切な医療連携を提供することは、家庭医に課せられた重要な使命です。

そして、最後の4つめは「あなた」です。家庭医は「あなたの専門医」です。あなたの脳でもなく、心臓でもなく、胃腸でもなく、あなたとあなたを取り巻くすべての環境や状況、あなたの大切な人たちやペットや物、すべてをひっくるめて、いまのあなただけでなく、昔のあなたも、これからのあなたも、あなたのお子さんも、お孫さんも、ずっとずっとケアし続けていきたいと考えています。

いまのところ、家庭医の日を知る人は相当のマニアだけかもしれませんが「打倒 父の日!」ぐらいの気概で頑張っていきます(笑3)。



2021年4月4日日曜日

新専攻医オリエンテーション ~第162回 家庭医療レジデント・フォーラム~

 4月の家庭医療レジデント・フォーラムは、新人のオリエンテーションがメイン。

今年度もめでたく3名の新専攻医を迎えることができました。

当面オンライン開催が続きますが、移動時間が要らない分、どうしても外せない別の業務と重なっても、部分参加しやすいのはありがたいです。

私たちが生涯かけて追究し続けている、プライマリ・ヘルス・ケアというものの本質を再確認する時間となりました。




2021年4月1日木曜日

こんな夜更けに登山かよ! ~秘境への往診の巻~

年度末と年度初めをまたぐ夜間往診のオンコール当番

今宵の出動はあるのか?

「暇だな~」なんて思っても、決して言ってはいけないのがこの業界の掟

実際に言ってみたらどうなるか気になって仕方がない

我慢しきれず、思わず「暇だな~」って、言ってもうた~

というわけで、その瞬間を境に電話が鳴りっぱなしとなりました

市内一円に大車輪の出動・周遊の旅となりました

極めつけは、低山しかない いわき市にありながら、険しいことで有名な二ツ箭山の ぽつんと一軒家さんからの往診ご依頼…(汗)

こんな場所↓

その後どうなったのか? 詳しい状況をお知りになりたい方はこちら

https://atsushii.blogspot.com/2013/04/blog-post_6646.html


2021年3月21日日曜日

学習機会の設計 ~第161回 家庭医療レジデント・フォーラム from 大原綜合病院~

本日の家庭医療レジデント・フォーラムも、今となっては標準となっているオンライン開催でした。

本日の家庭医療レジデント・フォーラムでは、コロナ禍で形を変える学習機会について深く考え学ぶ機会になりました。

もともと目的があって行われていた勉強会も、これまで通りの開催が難しくなり、「どうすれば開催できるか?」といった視点に重きが置かれ、ともすると開催自体が目的になることも起こりがちです。

今回のフォーラムを通し、「ニーズ」と「ゴール」を明らかにして学習機会を設計し開催すると、勉強会でのディスカッションを通じて新たなニーズに気づき、新たなゴール設定が創出されるという経験をしました。

ちなみにこれは見やすいスライドのセッションの中で、あらためて腑に落ちた一枚です。