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2020年9月27日日曜日

いわき-只見 瞬間移動(オンライン) ~第156回 家庭医療レジデント・フォーラム~

 例年であれば、いわきから移動に片道4時間ほどかけて参加する只見での勉強会も、Zoomでのウェブ開催なので、開始直前まで呑気に自宅近くでランニングしていても間に合いました。

確かに効率は良いのですが、秋の只見へのプチ旅行も素敵なので、ちと寂しくもあります。


本日の専攻医からの提示事例は、総合診療医に求められる能力が、他領域にわたり複雑に絡み合いながら学ぶことができた示唆に富むものでした。単純でない事例では、診療の中で少なからずモヤモヤした感情や、しっくりこないストレスを感じるものです。しかし、その状況に耐えたり、ひたすらもがいたりすること自体が、総合診療医を育てるんだな~ と実感しました。


本日のレクチャーのテーマは「医療者自身のケア」でした。

職場のチームが良好であるとは、どのような状態でしょうか?

講師の若山先生から「心理的安全性」が保たれている状態であることが重要であることが示されました。自分の意見を自由に述べても理不尽に非難されたりせず、互いに信頼感や共通の目的意識、社会的使命に向かって、仲間とともに個々が役割を果たしていくことがとても大切だと思います。



2019年5月20日月曜日

かしま病院の使命 ~病院総合診療専門医の養成~

WONCA Asia Pacific Regional Conference 2019 Kyoto, Japan 第10回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に参加してきました。 合計参加者6467名の大規模な大会でした。
また、数だけではなく質的にも、総合診療というものが日本に正しく定着しつつあることを実感することができました。
日本の家庭医療・総合診療の黎明期を支えてきた多くの人達が、根気強く診療・教育・研究活動を続けてきたことが、じわりじわりと浸透して、そのチルドレンたちが更に精力的に活躍し、更にグランドチルドレン達が創生されていくわけで、熱量はまさに末広がりです。
特筆すべきこととして、日本プライマリ・ケア連合学会から、総合診療を目指す若手医師のための新たなキャリアパスが提唱されました。その背景として、新専門医制度における総合診療領域を選択した専攻医の数が、2018・2019年度で2%程度にとどまり、これまで日本プライマリ・ケア連合学会が取り組んできた実績を下回る厳しい現実があります。その原因として、総合診療専門医制度の不安定さ、専門医を取得後のキャリアパスの不明瞭さ、今後の展開が不透明であることが挙げられます。学会としては、プライマリ・ケアを実践する人材を数多く養成するために、多様で将来性のあるキャリア形成の支援に注力することを表明しました。
具体的には、基本領域としての総合診療専門医をベースとして、以下の3つのタイプの領域が、2階部分の柱として示されました。

① 新・家庭医療専門医(世界標準の高い専門性と学術性を備えた家庭医)
② 病院総合診療専門医(病院で高い総合診療能力を発揮する病院総合医)
③ 在宅・緩和等 他のサブスぺ専門医(高い総合診療能力をベースに特定の領域を深めた医師)


かしま病院は、コミュニティー・ホスピタルとして、これまで通り、基本領域としての総合診療専門医養成のための教育協力機関としての役割を果たすとともに、病院における外来・病棟・救急での幅広い診療能力、他科や多職種と連携しながら、総合診療病棟を管理運営する能力、退院支援や地域連携を担う能力、診療の質改善、教育、研究を推進する能力などについての研修環境の充実に努め、質の高い病院総合診療専門医の養成に貢献する使命を持っていると考えます。

2018年6月19日火曜日

大いに学び、伊勢の美味いものを大いに呑み喰いする ~第9回 日本プライマリ・ケア連合学会 学術大会~


2018616日・17日の両日、三重県津市で開催された 第9回 日本プライマリ・ケア連合学会 学術大会に参加してきました。
実は個人的に初の三重県入りでした。


せっかくなので、大いに学び、伊勢の美味いものを大いに呑み喰いすることが今回の旅の目標でした。

到着して早速、立命館大学薬学部の髙橋直子先生によるインタレストグループ「多職種連携における医療・介護従事者のコミュニケーション向上のためのアンガーマネジメント」でワーク!
一般社団法人「日本アンガーマネジメント協会」のHPhttps://www.angermanagement.co.jp/ )によると、アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングで、怒らないことを目的とするのではなく、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としています。
当初は犯罪者のための矯正プログラムなどとして活用されていましたが、時代の変遷とともに一般化されていき、企業研修、医療福祉、青少年教育、人間関係のカウンセリング、アスリートのメンタルトレーニングなどの分野で幅広く活用されるようになりました。
このセッションでは、自他の「怒りの感情」をみつめ、イライラする原因をグループで考察しました。ディスカッションをとおして「怒りの感情」を上手にコントロールすることで、セルフケア、家族や職場スタッフとのコミュニケーション、患者満足度の向上にとても有用な手法であると直感しました。日常の中で積極的にトレーニングしていきたいと思いました。

初日の夕方には「アドバンス・ケア・プラニングの光と影 ~ちょっと立ち止まってみませんか?~」という気になるタイトルのシンポジウムを聴講しました。シンポジストの中で函館陵北病院の川口篤也先生の「ここがヘンだよACP」と題してご発表された内容は一字一句 共感できる内容で、日々の診療でおきるジレンマを代弁していただけた気持ちでした。ACPのサポートとは、結論を急がずに、患者さんとご家族の側で腰を据えて(いや、曖昧な中腰の姿勢で)とことん付き合う覚悟を決めることであり、とてもやりがいのあるお仕事であると再認識しました。
さて、もはや学び過ぎてお頭いっぱいになったので、お腹いっぱいになるために津の街で酒場放浪…
写真はイメージです(笑)
出来の良すぎる高校・大学の後輩と合流し、美味しい地酒を堪能したのであります。

2日目。
出張恒例の朝ラン!
曇天ながら、太平洋はここでも爽やかでした。

朝一での総会で代議員の責務を果たすと、インタレストグループ「コミュニティホスピタルにおけるプライマリ・ケア医の役割」に参加しました。
コミュニティホスピタルジャパンとして、プライマリ・ケア医が、地域包括ケア病棟を含む入院、外来、在宅看取りを含む訪問診療、家庭医・総合診療医の教育・臨床研究を遂行し、疾病予防・健康増進・医療サービス等を地域に提供している4施設の取り組みを共有した上で、現状の課題・問題点や改善・解決策を議論し、おおいに親睦がはかれました。頴田病院、金井病院、豊田地域医療センター、亀田森の里病院の取り組みは、まさに当院が目指す役割そのものであり、これから協働するべきパートナーに出会えた、有意義なセッションとなりました。

帰路につく前に もうひと踏ん張り!
病院総合医委員会企画のインタラクティブセッション「病院総合医が遭遇する症例へのアプローチ」に参加!
日常診療におけるリアルワールドの苦悩を体現(再現)・共有できる楽しいセッションでした。
途中から他科コンサルトにおけるストレスやトラブル回避のための各施設における多くの工夫・取り組みが聴けて、とても参考になりました。

今回の学術大会全体をとおして強く感じたことは、日本のプライマリ・ケアの醸成のために、多くの人たちが努力し、日々研鑽を重ね、試行錯誤しながらも、楽しみながら、やりがいをもって取り組んでいるということです。
某専門医機構は、こういったエネルギーをしかと受け止めて、日本の医療の未来の構築に寄与してもらいたいと切に願っています。

2015年6月16日火曜日

人びとの暮らしを支える医療人の育成(第6回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会)









201561314日に、つくば国際会議場で開催された、第6 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に参加してきました。
今回のメインテーマは「人びとの暮らしを支える医療人の育成」でした。次世代の地域医療を担う人材を育てるために、我々が何を学び、何をなすべきかを共有する機会にしたいという 前野 哲博 大会長(筑波大学医学系 地域医療学 教授)の想い通りに、地域に望まれる総合診療医の教育のあり方について、各シンポジウムや教育講演、発表等で活発な議論が繰り広げられました。
メインシンポジウム「総合診療医のキャリア形成を考える」では、3名のシンポジスト(WONCA元会長Chris van Weel先生、福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 葛西龍樹 主任教授、シンガポール家庭医学会会長Lee Kheng Hock先生)それぞれが、医療事情や文化・時空の垣根を超えて「総合診療専門医はプライマリ・ケアの専門医であるべき」という共通認識・理解のもと、診療・教育・研究のすべての領域において地域を基盤としたプライマリ・ケア設定の環境での研修が必要であることを強く主張されていた。そして、人びとの暮らしを支えることができる医療人を育成するために、永きにわたって諦めることなく、たゆまぬ努力を続けてこられたこと、そしてこれからも次世代の地域医療を担う人材を育てるための活動を更なる加速度をもって活動し続けていくという決意が感じとれました。
今回の学術大会全体をとおして感じたことは、若手医師・研修医・医学生の活躍が著しいということです。今回学会発表を経験した当院の渡邉聡子医師・藤原学医師・本多由李恵医師のように、プライマリ・ケアに求められる役割を正確に理解した次世代の医療人の活躍が、目前に迫った我が国の超高齢社会におけるヘルスケアシステムの充実のために不可欠です。

これまで当院が取り組んできた家庭医(総合診療医)・病院総合医の育成のための活動、地域に根ざした医療啓発活動は、まさに時代に求められている重要な役割を担っているということを再認識しつつ、今後は、いわき市鹿島地域における当院の役割を、単に医療連携という切り口だけでなく、地域社会全体における公共的資源として組み込んでいく、組み込まれていこうという広い視野をもって、地域のあらゆる分野の方々との協働を続けていこうと思います。

2014年6月22日日曜日

「型」が身につくカルテの書き方 ~第19回 FACE~

磐梯熱海の源泉かけ流しと、宴会と並行した夜~翌朝未明までの部がセットとなった福島自慢の勉強会FACE

今回は、病院の家庭医として診療・教育に活躍されていて、週刊医学界新聞レジデント号の連載記事『「型」が身につくカルテの書き方』でご高名な北海道勤医協 総合診療・家庭医療・医学教育センターの佐藤健太先生をメイン講師にお招きしての開催

2日間かけて、臨床推論の「型」、カルテの書き方の「型」をたっぷりとご教示いただいた。
基本の「型」をしっかりと身につけることは、医師としての骨格を成すのに等しい。
それは、診療能力を高めることは勿論、多職種連携の助けにもなり、リスクマネジメントにもなる。
そんなことを深く実感できる貴重な学びの時間になった。
よくある疾患の管理だけでなく、地域の健康問題や健康増進、心理・社会的ケア、複雑性や不確実性をはらんだ困難事例などを扱うことが多い家庭医・総合診療医にとっても、最終的には基本の「型」が身についていることが最強の武器になる。
高齢者の複雑・混沌とした困難事例にも、その専門家としてのプライドをもって、果敢に関わっていこう!
そんな明日への勇気をいただいた。




2013年10月1日火曜日

嬉しいご依頼 ~地域医療研修プログラムの更なる充実を目指して~

本日は、東京慈恵会医科大学附属病院臨床研修センターの先生方が、今年から開始となっている当院での地域医療研修の受入れ枠を、来年度以降段階的に増員して欲しいとのことで、遠路いわきまでご挨拶におみえになった。
お話によると、すでに当院でのローテートを済ませた研修医の先生方からの、当院での研修内容への評価がとても高いので、今後、受入れ人員も、研修期間も拡充の方向で進めさせて欲しいとのこと。
建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」に象徴される、患者中心の医療の先駆けである大学から、このようなご評価をいただけるのは大変光栄なことである。
地域医療研修プログラムの教育担当として、この上ない喜びであり、お手土産の 慈恵医大&コロンバン コラボの慈恵医大学章入りオリジナルクッキーのように幸せな甘さを感じるとともに、身の引き締まる重い想いでもある。


最近、訳あって医学教育について多方面から考える機会があるが、実際の臨床・教育の現場で、学習者のニーズを叶えつつ、そのニーズをど返ししてでも伝えるべきものを、バランスよく伝えていくことの難しさを日々感じている。

そんな中、日本プライマリ・ケア連合学会認定の病院総合医養成プログラム福島県立医科大学 家庭医療学専門医コース 病院総合医フェローシップのプログラム責任者を拝命することになった。
これからも、より多くの学習者(学生や研修医、若き指導医など)に「いわきで学んで良かった」と思ってもらえるように、今後さらに「いわき」ならでは の学べる仕組みつくりに努めてきたい。

2013年9月12日木曜日

福島県立医科大学 家庭医療学専門医コース 病院総合医フェローシップ


このたび、かしま病院をメインの研修施設とした「福島県立医科大学 家庭医療学専門医コース 病院総合医フェローシップ」が、めでたく日本プライマリ・ケア連合学会認定 病院総合医養成プログラムして登録していただけることが決定しました。
より多くの若い先生方に、いわきで研鑽を積み、満足してもらえるように、プログラム責任者として、このフェローシップの充実に努め、より良いプログラムに育てていきたいと思います。



<プログラム概要> 
福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座(以下:当講座)が提供する家庭医療学専門医コース 病院総合医フェローシップ主たる研修施設であるかしま病院では、予防医学から、急性期疾患の診断・治療、慢性期疾患管理、リハビリテーション、在宅医療、介護・福祉支援まで、地域の医療・介護・福祉の連携と向上に力を入れています。
研修を通して、これらすべての経験を積み、家庭医を特徴づける能力を充分に活用しながら、他職種との協働、患者・家族背景を考慮したコーディネートを数多く経験することで、より地域に根差した病院総合医として発展できるようデザインされています。
また、医師不足・偏在が著しい福島県では、地域医療のニーズに応えるために、特に一次・二次救急医療において、広範な疾患領域に対応できる診療能力の獲得が求められています。
かしま病院では、救急告示病院として年間1,000件超の救急応需をしており、複数の健康問題を有した高齢者への対応など、病院総合医としての能力を磨くための環境が整っています。

2013年5月19日日曜日

病院総合医は地域医療をどう支えるか

学会も佳境に入った。
最終日に重く充実したプログラムのラインナップでヘトヘトながら一踏ん張り。

シンポジウム「病院総合医は地域医療をどう支えるか」
病院総合医育成と医師確保 音羽病院 松村理司先生

大学病院の立場から
千葉大学総合診療部 生坂政臣先生

研修医教育による病院再生と地域医療・医師不足問題の改善
江別市立病院 濱口杉大先生

被災地医師不足総合病院から
岩手県立釜石病院 遠藤秀彦先生

シンポジストの先生方のプレゼンを聴いて感じたことは、
質の高い教育を提供すること。
部門やスタッフ・研修医がアイデンティティーを持って取り組めるように配慮すること。
管理者や他科医師や他職種・地域のニーズにマッチしていること。
当然ながらそういったことが明暗を分けるということだ。

個々の状況を分析して、アイディアを出して、愛するふるさとを守っていけばいい。
ちょいとやる気を いわきに持ち帰って、また明日から頑張ろう。 

もう一つの収穫はこれ!
待ちに待った家庭医の父の名著の和訳本。
親方が苦労して日本語にしてもなお、深過ぎてじっくり噛み応えのあるものに仕上がっている。

名残惜しみながら帰路へ。
ベタなのでやめとこうと思いつつも、結局は牛タンをいただいて仙台をあとにした。
総じて情熱的な集団になってきている印象!
多くの先生方の努力が、日本の未来に寄与することを祈って・・・寝る