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2021年4月1日木曜日

こんな夜更けに登山かよ! ~秘境への往診の巻~

年度末と年度初めをまたぐ夜間往診のオンコール当番

今宵の出動はあるのか?

「暇だな~」なんて思っても、決して言ってはいけないのがこの業界の掟

実際に言ってみたらどうなるか気になって仕方がない

我慢しきれず、思わず「暇だな~」って、言ってもうた~

というわけで、その瞬間を境に電話が鳴りっぱなしとなりました

市内一円に大車輪の出動・周遊の旅となりました

極めつけは、低山しかない いわき市にありながら、険しいことで有名な二ツ箭山の ぽつんと一軒家さんからの往診ご依頼…(汗)

こんな場所↓

その後どうなったのか? 詳しい状況をお知りになりたい方はこちら

https://atsushii.blogspot.com/2013/04/blog-post_6646.html


2018年11月18日日曜日

在宅医療に必要な知識と技術を学ぼう ~139th FaMReF@ほし横塚クリニック ~

まず、在宅医療に関する制度的な内容や郡山市における現状や取り組みについてレクチャーがありました。
訪問診療のニーズがある時に、かかりつけ医が積極的に在宅医療に取り組みやすい社会やシステム、ネットワーク創りの重要性を再認識し、いわきで取り組んでいる在宅医療ネットワークを、更に推進していくことが重要だと思いました。

次に、在宅でのポケットエコーの活用法についての紹介があり、だいぶ注目されるようになってきている肺のエコーについても解説してもらい、いつでも、どこでも、誰のどこにでも使える気軽さで、ますます活用していきたいと思いました。

次に、ほし横塚クリニックにおける訪問診療の現状について報告がありました。
入院治療の限界と考えられ、退院時に予後不良と評価されていた患者さんが、自宅退院・訪問診療導入後に、ご家族の献身的な介護などに支えられ、生き生きと過ごすことができて復活し、結局 元気になったという印象的な事例が紹介されました。関わった人達が、それぞれの役割を果して、きめ細やかな対応をして、すべての歯車がかみ合った結果、在宅療養のメリットが最大限に発揮されたようです。

ホストの ほし横塚クリニック家庭医チームは、なんともアットホームな感じで、日頃の診療もあたたかみに溢れている のだろうな~ というのが連想できました。




2018年10月18日木曜日

キューバしのぎも継続すれば結実する

 2018年10月16日~18日の3日間、キューバ家庭医学会会長のLilia González Cárdenas先生(通称Lili先生)がいわきに滞在し、かしま病院を視察されました。いささか唐突な出来事のように感じられるかもしれませんが、今回の訪問前からLili先生と当院との間には既に深い縁と絆が存在していました。福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座では、例年新任初年度のメンバーを対象に、家庭医療先進地視察を行っています。実は当院の渡邉聡子医師、藤原学医師も、家庭医療先進地視察として2015年2月にキューバを訪問しました。その時に大変お世話になった人物の一人が、Lili先生というわけです。
 キューバの人口は約1,100万人で国土は日本の約1/3、社会主義国として知られていますね。1人当たりのGDPは日本の1/6程度でありながら、平均寿命や乳児死亡率は先進国並みです。「えっ、そうなの?」と意外に思われる方もおられることでしょう。なぜ、お金がないはずのキューバで高い医療水準が実現できるのでしょうか?
 キューバのヘルスケアシステムは、全国民を対象に患者負担は全て無料!4万人近くの家庭医がいて、地域ごとのコンサルトリオ(家庭医と看護師がペアで働く診療所)を基盤に、ポリクリニコ(各科専門医、歯科医、臨床心理士と統合医療を含めたプライマリ・ケアを提供する24時間外来診療施設)と円滑な連携をとり、更に高次医療機関(大学病院・研究施設)を持つピラミット型システムです。コンサルトリオでは、家庭医と看護師1人ずつがペアとなって、担当地域380世帯、約1,200名の住民を対象に家族単位の医療サービスを提供しています。診療録には、病歴のみならず、経済状況、家庭関係、生活環境の評価も記載され、また予防に重点をおいて、検診やワクチン接種の受診状況および結果をすべてテータ管理しています。健康教育や医療費節約の喚起、年2回の家庭訪問による生活・衛生環境の指導も行われ、まさに地域密着型の医療サービスが展開されています(渡邉聡子医師による視察報告から抜粋・編集して記載)。
 さて、かしま病院はLili先生の目にどう映ったのでしょうか?訪問診療同行で、海外でもお馴染みの「おしん」に出てきたような日本家屋を訪問できたことが最も印象的だったらしいことはさておき、地域密着型の「めんどうみのいい病院」を目指してコンサルトリオとポリクリニコの役割をハイブリットで担いながら、多職種が力を合わせてそれぞれの能力を発揮し、超高齢社会の急場をしのいで生き抜いている様にとても感銘を受けられたようでした。私たちのキューバしのぎがいつか実を結び、家庭医療を基盤とする医療と介護が融合したヘルスケアシステムが円滑に機能し、地域住民の皆さんに定着・貢献できることを夢みて歩み続ける覚悟を固めた出来事となりました。



2018年1月31日水曜日

多職種連携で難攻不落を攻略せよ! ~地域リハビリテーション研修会~



皆さんは、地域リハビリテーションという概念をご存知でしょうか?地域リハビリテーションとは、障害のある子供や成人・高齢者とその家族が、住み慣れたところで、一生安全に、その人らしくいきいきとした生活ができるよう、保健 ・医療・福祉・介護及び地域住民を含め生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行なう活動のすべてを指します。地域リハビリテーションをサポートするため、各地域に支援体制がしかれていて、かしま病院は浜通り唯一のリハビリテーション広域支援センターに指定されています。実は、これまでセンター長を兼任されていた渡辺修病院長から引き継ぎ、昨年から私がセンター長を拝命いたしました。
障害の人とその家族が、住み慣れた場所で、その人らしくいきいきとした生活ができるよう支援するために、地域リハビリテーション広域支援センター長として自分に何ができるのか?自問した結果、「保健 ・医療・福祉・介護及び地域住民を含め生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行なう活動」という地域リハビリテーションの概念そのものが疑似体験できる研修会を企画しました。
2018130日、「家族志向の地域リハビリ―テーション」と題して、市内の医療・福祉の現場の最前線で専門職として活躍されている皆さんを対象に、多職種ワークショップを開催しました。課題山積で難攻不落な実例をモデルとしたケースを教材に、家族へのアプローチを突破口にして、各専門職の英知を集結し、難攻不落の攻略…つまり最良のケアの提供を試みていただきました。
結果、いわきの医療・福祉の現場の最前線で専門職として活躍されている皆さんの底力は凄まじく、「難攻不落」と銘打ったことが恥ずかしくなるほど、参加者の皆さんの問題解決能力の高さを見せつけられることとなりました。その中で再認識できた最も重要な示唆は「家族はケアのパートナーであり、ケアの対象でもある」ということでした。ケアに困難を感じ、どこから手を付けたらいいか迷った時は、先ず患者さん・ご家族に興味を持ち、語り合い、それぞれの想いに耳を傾けてみようと思います。

2017年12月7日木曜日

多職種で切り拓く家族志向の地域リハビリテーション


単なる変態なだけでなく、実は いわき地域リハビリテーション広域支援センター長のわたくし

家族志向の地域リハビリテーションと題して多職種ワークショップを企画しました

当日は、実際の患者さんとご家族をモデルとしたケアの困難事例を教材として学んでいただきます

「劇団かしま」の皆さんによる再現ドラマも見ものです

ケアのパートナーであり ケアの対象でもある家族を基点に、多職種の英知を結集し、問題解決への道筋を切り拓いていただければ嬉しいです



地域リハビリテーション研修会

多職種ワークショップ【難攻不落編】

家族志向の地域リハビリテーション

日時:2018130日(火)1830分~20
場所:いわき市総合保健福祉センター


ワークへの参加は事前申込制ですが、当日のご聴講も可能です



2017年3月16日木曜日

拡がる院外看取りの輪 ~実践家庭医塾~

今宵の実践家庭医塾は、研修医からの事例報告だけでなく、家庭医療に興味を持って長年参加してくださっている塾生の先生からの事例報告がありました。
患者中心の医療の方法の実践を通して、終末期の栄養管理についての意思決定と院外看取りを支援した貴重なヴァージンケースを発表していただきました。とても嬉しいことです。
これからの多死社会にむけて訪問診療の充実に取り組んでいる当地で、院外看取りの輪をますます拡げていきたいと思います。
そのためには、互いの不在時にカバーし合えるネットワークの構築が不可欠です。
所属法人では、介護施設を中心に訪問診療のチーム化や、訪問診療導入時の終末期の意思決定確認の標準化を図っています。
その結果、院外でのお看取りとなる患者さんの数が増えています。
この取り組みを続けることを後押ししてもらえるようなプレゼンでした。

専攻医によるプレゼンのテーマは「家族志向ケア」
服薬アドヒアランス不良で入退院を繰り返す認知症の高齢者に対し、家族の状況を見直し、家族カンファレンスを通して家族がケアのパートナーとして機能できるようにマネジメントした結果、再入院を抑制することができた事例でした。
家族カンファレンスは、家庭医にとって外科医の大手術に相当します。
周到な準備と事前のシミュレーションが必要であると同時に、実際に家族カンファレンスが始まると、良くも悪くも事前のシナリオが裏切られること数知れずです。
この予期せぬ事態に臨機応変に対応し、最良のマネジメントを紡いでいく・・・
ここが家庭医の腕の見せ所であり醍醐味でもあります。

2017年1月19日木曜日

ホットな在宅医療・在宅看取り ~実践家庭医塾~

地域包括ケアシステムの構築と在宅医療の充実が喫緊の課題となっているいわき市では、昨夜、市医師会主導の「在宅医療ネットワーク」発足会議が開催されました。

限られた医療資源で広大な市内全域の在宅医療を充実させるためには、「在宅医療のグループ化と、在宅・病院連携のルールつくりが必要」と考えられ(平成27年度の病院・在宅医療連携会議での意見)、市医師会理事会でも、このことを推進していくことに合意が得られました。

既にこの趣旨に賛同し、参加・協力を表明している医師が42名おり、うち6割以上の医師が、「在宅医療ネットワーク」発足会議に出席しました。

わたくしは別の会議と掛け持ちであったため、会議の全貌は把握できませんでしたが、初回なので顔合わせと、総論的な内容が主体だったものの、早速 熱い議論もなされ、在宅医らが協力して互いの不在の際などのカバーをし合い、また、そのことで、ネットワークに参加する医師を増やしていけるよう働きかけていくこと、急性増悪時などにも在宅医が責任をもって連携する病院への情報提供ができるシステムとルールつくりをしていくこと、その具体的なルール案などが概ね合意を得たようです。

さて、こういった高齢者の在宅医療を語るうえで、切っても切り離せないのが、終末期の医療内容に関する意思決定や看取りの場所の選択です。
今宵の実践家庭医塾では、積極的な治療が適用できない病状の高齢者における療養や看取りの場所の選択についてディスカッションしました。
いわゆる良い終末期・看取りを実現するためには、医療の利用者側の死への準備と、医療を提供する側のシステムの整備が必要であり、いわき市医師会やいわき市の取り組みが実を結び、この地域が安心して多死社会をむかえることができる街に生まれ変わることを祈ってやみません。


今回の家庭医塾の冒頭では、医療人を志す県内の中学生を対象とした子供の夢応援事業「医学教室」の実施報告がありました。
地域包括ケアシステムを学ぶことができるワークショップを提供しましたが、まさにこれからの日本を支えていく人財の発掘に寄与する取り組みであったなぁ~と自負した次第です。

また、今回の家庭医塾では、もう一つ嬉しいことがありました。
初代キッズ医者の研修修了生として初めてこの春から医学部に進学することが決まったばかりの高校生が、家庭医塾に参加してくれたのです。
「まだ早すぎる」という既成概念を取り払って毎年小学生を対象として開催しているこの取り組みを、今後も続けていくべきという決意を新たにしました。

2016年11月28日月曜日

「死」と「笑い」の融合 ~かしま病院 平成28年度 院内講演会「Death Education」~

社団医療法人 養生会 かしま病院 平成28年度 院内講演会の第2弾は…
埼玉県秩父郡 国保町立小鹿野中央病院の内田望先生による「Death Education」でした。

おもしろおかしく旅立つ
 ~人生の最期に「よかった」と言える生き方~

日時:平成28年11月25日(金) 17時30分~18時45分
場所:社団医療法人 養生会 かしま病院 コミュニティーホール

よりよく生き、よりよく逝く ために、終末期医療に携わる医療関係者はもちろん、超高齢社会を生きるすべての皆さんに考えていただきたいテーマですので、最高に“おもしろおかしい”講師をお招きしました。



いきなり内田先生の特技であるマジックで幕を切った講演。
軽妙でユーモアあふれる語り口。
話が進むにつれて、私たちの日常で敬遠されがちな「死」と、対極にある「笑い」が、徐々に一つのものとして融合していくのを感じました。

思えば私は、医師として患者さんの看取りに関わる時、その患者さんにとって重要な役割を担うものと自惚れに近い感覚を持っていたかもしれません。
しかしながら、主役である患者さんの長い人生劇場において、所詮 医療従事者はほんの脇役でしかないことを認識することの重要性を教えていだたきました。

ところで皆さんは、自分の死について考えたことがあるでしょうか?

例えば、どんな病気で死にたいですか?
①癌
②心筋梗塞
③脳卒中
④老衰
⑤その他
⑥私は死なない

⑥を選択された方は、今すぐ病院に行った方が良いそうです。(笑)
賛否両論はあると思いますが、私は①で死にたいです。
最も計画的に人生の最期を迎え易いからです。
苦痛の緩和方法も他の死に方に比べるとある程度確立されつつあります。
お世話になった方々にちゃんとお礼の気持ちを伝えられる可能性も高いでしょう。
④も穏やかで捨てがたいし、内田先生の研究では一般的に一番人気らしいのですが、最期にずっと寝ていたり、多くは認知症をともないやすいため、お世話になった方々に「あんた誰?」ということも…

人は終末期に以下のことを願うようです。
①愛されていることを感じたい
②自分らしく生ききりたい
③希望をつなげたい
④惜しまれて死にたい
⑤苦しまないで死にたい
⑥心癒されて平安に死にたい

私見ですが、病院以外の住み慣れた環境で最期の時を過ごすことは、上記の⑤以外のすべてを叶えやすいように思います。

「Death Education(死の準備教育)」とは
自分に与えられた死までの時間をどう生きるかを考えるための教育
死に対して主体的に考えるための教育
        アルフォンス・デーケン「生と死の教育」岩波書店 2001

死の多くが病院という場所で起きる現代。
死が医療関係者以外の皆さんにとって一般的に身近でなくなった現代。
Death Educationは容易ではないかもしれません。

しかし、ご講演の中で、自宅や介護施設など、病院以外の場所で看取りを経験したり、Death Educationを受けた ご家族や介護スタッフは、看取り後に、人の死について肯定的に考えるようになり、人の死への恐怖心が緩和され、自分の死に方についても積極的に考えるようになるという研究結果が示されました。

「ああ、これでいいんだ!」
これまで通り、バンバン個々のご意向に沿った看取りをサポートし、いい看取りをたくさん経験していくことが、患者さん、ご家族、スタッフ、自分自身にとって、最高のDeath Educationになることを確信しました。
そして、そんな役回りが出来る医療・介護職に身を投じている私たちは最高にやりがいのある職業に就いていることを再認識しました。
勿論、主役ではなく、「笑い」に火を付ける名脇役としてですが…

2016年10月13日木曜日

おもしろおかしく旅立つ ~人生の最期に「よかった」と言える生き方~ (院内講演会「Death Education」のお知らせ)


社団医療法人 養生会 かしま病院 平成28年度 院内講演会の第2弾は…
大好評を博した齊藤道也先生による第1回「禁煙のすすめ」に引き続き、
内田望先生による「Death Education」です。

おもしろおかしく旅立つ
 ~人生の最期に「よかった」と言える生き方~

日時:平成28年11月25日(金) 17時30分~18時45分
場所:社団医療法人 養生会 かしま病院 コミュニティーホール

よりよく生き、よりよく逝く ために、終末期医療に携わる医療関係者はもちろん、超高齢社会を生きるすべての皆さんに考えていただきたいテーマですので、最高に“おもしろおかしい”講師をお招きします。ご興味のある方はどなたでもお越しください。



2016年7月19日火曜日

“かしわモデル”から“かしまモデル”へ! ~在宅医療推進のための多職種研修会~

20148月、在宅医療推進のための先進的取り組みがなされている柏プロジェクト見学ツアーに参加させていただき、本ブログでもその内容をご紹介しました。
見学を通して私は「現状がどんなに厳しくても、大事なのは歩みを止めないこと、そして諦めないことである」と信じて活動を続けてきました。以来2年の時を経て、医療・介護スタッフが絶対的に不足しているいわき市において、必然的に「超高齢社会を乗り切るには在宅医療の充実なくしては語れない」という共通認識が醸成されつつあることを実感する今日この頃です。そして遂に2016717日、いわき市といわき市医師会がガッチリとタックを組み、柏プロジェクトを参考に「在宅医療推進のための多職種研修会」のいわき開催が実現しました。


研修会では、ひょんなこと(何かのお仕置き? ('`) )から司会を拝命しましたので、研修会全体の様子を高見の見物することができました。そこから見えた風景は…「いわきスゲぇ!(想像を絶するほど凄い様)、かしまスゲぇ!」でした。議論のレベルは今回の教材で想定されている到達目標を遥かに上回る内容であり、初回でありながら基礎編と言うよりはむしろ地域の実情に合わせた応用編の域に達していて、参加者の明日の行動を変えるほどの具現性を持っていました。殊に我がかしま病院からの参加者らからは、今回の教育ツールにおける改善すべき点を指摘する鋭いツッコミや、より革新的なモデルを創生して行こうという前向きな発言がみられました。

スタッフの人材が明らかに不足しているいわきで医療・福祉職に従事している私たちは明らかに厳しい状況下に身を置いています。しかし、どういう訳か皆どこか輝いていて、活き活きしているように私には見えます。「何故なのか?」それはきっと「やりがい」や「意地」が支える「人間力」なのだと思います。これら一つひとつの力はちっぽけでも、「人間力」には必ず一筋の芯があり個性があります。これらを上手に紡ぎ合わせれば、強靭で無敵な地域が創生できるはずです。

2015年8月4日火曜日

いわきのプライマリ・ケアが支える磐城共立病院 ~「医・職・住」の清水敏男市長との談話~


2015年8月1日の午後。
いわきの一大イベント「いわき花火大会」の前の貴重な時間をいただき、清水市長さんに、家庭医・総合診療医についてお話を聴いていただきました。
「医・職・住」
医療を最重要課題に挙げて当選された市長さんには、是非ともプライマリ・ケアについてできるだけ正確にご理解いただきたかったので、殺人的スケジュールを縫ってわたくしにお時間をいただけたことに感謝申し上げます。
こういった話をすると、磐城共立病院に総合診療科を創設する準備なのか?と思われる方もおられるかもしれませんが、私は、それは別問題と位置づけています。
むしろ、磐城共立病院が働きたい病院、やりがいのある病院、人の集まる病院、人気の研修施設になるためには、磐城共立病院そのものだけでなく、周辺環境 殊にいわき市全体のプライマリ・ケアの充実が不可欠です。

すでに極限まで不足した医療資源を有効活用するためには、医療、福祉、行政、住民らが一丸となって、同時進行で事を進めない限り動きませんし、2025年問題に間に合わないことだけは間違いありません。
そういう意味で、市長さんが果たすべき役割と責任はとても大きいです。

磐城共立病院に総合診療科を創設するべきかどうかについて私見を述べさせていただけるのであれば、こういった新部門をお金をかけて創設したとしても、磐城共立病院内のスタッフ全員にその役割が充分に理解され、その科へのサポーティブな体制が維持されない限り、単なる掃き溜め科になり、それこそ誰もやりたがらない(人が集まらない)科になります。
かしま病院で総合診療科が存在し機能できているのは、たまたま創設者が、奇跡的にプライマリ・ケアを深く正確に理解し、全職員が、その役割と有益性を実感し、家庭医・総合診療医の育成を応援してくれているからです。
そういうわけで、大学病院で総合診療医を育てるのが難しいのと同じように磐城共立病院でそれをしようとするのは、得策ではないと考えています。

2025年にピークをむかえる超高齢社会、言い換えると多死社会。
どうあがいても充分な数の総合診療専門医の輩出は間に合いません。
せめて、終末期もしくは心肺停止等の急変の際に積極的治療や蘇生処置や延命処置等を望まない場合に、家族や多職種が協力し、自宅や介護施設など病院以外の場所で自然な看取りを実現できる体制をつくることが、限られた医療資源を効率よく活用するために重要です。
それは、磐城共立病院をはじめとする病院の疲弊を防ぎ、機能維持を助けるでしょう。
そのためには、かかりつけ医の役割が大きくなります。
かかりつけ医とは?

何でも相談できる上
最新の医療情報を熟知し
必要な時には専門医
専門医療機関を紹介でき
身近で頼りになる
地域医療、保健、福祉を担う
幅広い能力を有する医師

日本医師会は、このように立派なことを掲げていますが、ここまで実践できている医者はそんんなに多くはありません。

わたしは考えます。
かかりつけ医とは・・・

対象となる患者を自分で看取る
もしくは
責任を持って看取りまでの
道筋を立てることができる医師

せめてこれだけはやってほしい。

病院を守るには?
病院受診を要する患者のみ病院を受診する
つまり、病院受診を要しない患者が病院を受診しないで済む体制づくりが重要。
不要・不急の時間外受診・救急要請の抑制し、軽症は診療所で対応し、病院(入院)での治療に有益性がない場合の自宅・施設での看取り、つまりプライマリ・ケアの充実が、いまのいわきで起きている、そしてこれから日本全国で起きる長期的かつ修復困難な医療需給バランスの不均衡を根本的に解決する切り札となるでしょう。

2015年7月19日日曜日

地域連携の現状と未来の姿 ~看護研修会~

2015年7月18日、福島県看護協会 いわき支部 2015年度 第1回 看護研修会にお招きいただき、「地域連携の現状と未来の姿」と題したレクチャーとグループワークのファシリテーターを担当させていただきました。


地域医療連携ではなくて、あえて医療という縛りをとって地域連携とさせていただいたのは、これからの超高齢社会、大胆に言い換えると多死社会における社会問題は、もはや医療だけを切り離して解決し得ないところまできていると思うからです。

それにしても、台風一過のさわやかな土曜の午後にもかかわらず、60余名もの志高い看護師の皆さんが参加され熱い議論を展開してくださいました。

参加者の皆さんから挙げられた地域連携上の問題点は以下の内容です。
①医師間(病院間、診療所間、病院・診療所間のいずれも)のコミュニケーション不足
②医師とその他のケアスタッフ、介護施設との間のコミュニケーション不足
③患者、家族、ケアスタッフいずれにとっても、医療や死が身近なものでない
④かかりつけ機能を果たしている医師へのインセンティブが乏しい
⑤一次・二次救急で活躍できるジェネラリストの不足がたらい回しをまねいている
⑥診療所同士ないし診療所と病院医師との協力体制が整っていない

医療系のスタッフだけでは地域医療が立ち行かなくなっている事情から、介護・福祉ないし行政、地域住民を医療の世界に引きずり込み、身近なものとしてとらえてもらえるようにすると同時に、医療系のスタッフもまた、地域そのものに溶け込み巻き込まれていくことが重要なのだと思います。

2015年2月26日木曜日

キューバに学ぶ多死社会に向けた施設看取りへのチャレンジ ~家庭医療セミナー in いわき 実践家庭医塾~

今月は初期研修医のローテーターが不在だからというわけではないが、家庭医療後期研修医の渡邉聡子先生から とてもアダルトな香りのテーマで話題提供!

どのくらいアダルトかというと・・・
 
 
 
 
家庭医療先進地 キューバ視察の報告!
キューバでは医療費の自己負担がなく、国民1人あたりのGDPが6分の1でありながら、先進諸国なみの平均寿命を誇る。
キューバのプライマリ・ケアのベースを支える家庭医-看護師オフィスでは、個人カルテだけでなく、家族カルテやワクチン施行、健診受診歴記録が管理され、その地域住民全体の保健情報を疾病の有無に関わらず掌握できるようになっている。
家庭医1人につき、1000人ほどの住民が割り当てられ、患者や住民の健康問題に対する責任の所在が明確となっている。
しかも、家庭医が地域のすべての家庭に年1〜2回ほど家庭訪問し、自宅環境に問題がないか、チェックしアドバイスをくれる。
かなり積極的で強固な予防医療体制といえよう。
もう一つのプライマリ・ケア施設は総合診療所
家庭医-看護師オフィス20に対して1ヶ所の割合で設けられている。
日本の小規模病院の機能を無床化したイメージのようだ。
国民一人ひとりが、ゆりかごから墓場まで完全に家庭医を持っている。
しかし、これだけプライマリ・ケアが整備されたキューバでも、ここまで来るのに30年かかっているし、今のいわきと同じような悩みや問題を乗り越えてきた歴史があるという。
私たちも諦めずに追いつき追い越せでやっていきたい。

そして、次のアダルトなテーマは...いわきでの看取り

これからの超高齢社会、つまり多死社会。
病院で看取ることができる数は頭打ちとなり、むしろ病床数制限により既に減少に転じている。
かといって、核家族、老老介護のご時世・・・ケアのマンパワーが絶対的に不足していて、介護保険等のサービスをフル活用しても、容易に自宅でも看取りが増えるとは思えない。
ここで重要になってくる第3の看取りの場としての介護施設。
家族にとっても施設職員にとっても、施設で看取るという選択肢は まだまだ定着していない印象だが、長い間お世話になった場所、お世話になったスタッフに見守られて最期をむかえることは、とても自然なことのように思う。
施設での看取りを希望する患者さんやご家族をサポートできるように、施設職員の意識改革にも取り組んでいきたい。
医療の利用者も、古典的なお姫様が白馬の王子様に救われるのを待っている、つまり医療資源に頼りっぱなしになるのではなく、個々が元来の自分らしさを保ちながら自立した最期、つまり最新のお姫様アナと雪の女王が王子様に頼ることなく、むしろ王子様を蹴って、ありのままの自分を自ら獲得していける時代にしていこう!

2015年2月20日金曜日

超高齢社会(多死社会)における より良い医療連携のために必要な診療情報とは?

2015年2月19日「いわき病院連携カンファランス」で基調講演の講師と特別講演の座長を務めさせてもらった。

私の基調講演の内容は以下

これからの超高齢社会
言い換えると多死社会
もっとはっきり言うと
素敵な看取りが求められる時代
終末期もしくは心肺停止等の急変の際に
積極的治療や蘇生処置、延命処置を望まない場合に
家族や多職種が協力し
自宅や介護施設などの病院以外の場所で
自然な看取りを実現できる体制づくりが
限られた医療資源を効率よく活用するために重要である

かかりつけ医とは?

日本医師会では以下のように定義している

何でも相談できる上
最新の医療情報を熟知し
必要な時には専門医・専門医療機関を紹介でき、
身近で頼りになる
地域医療・保健・福祉を担う
幅広い能力を有する医師

今の医学教育システムでこのような医師をどうやって育てるんだ?
というツッコミはさておき
この内容から素敵な看取りをすることにフォーカスすれば、

多死社会に最も求められる かかりつけ医の機能とは…?

私はこう思う。
対象となる患者を自分で看取る もしくは 責任を持って看取りまでの道筋を立てること

そして、かかりつけ医と呼べる医師を増やすには…
専門医療を要しない場合に、かかりつけ医は看取ることができる体制づくりが重要だと思う。

2015年1月に社団医療法人 養生会の常勤医師を対象(N:18 回答率:94%)に、診療情報を受け取る立場として診療情報・医療連携に関するアンケートを施行した。
病院勤務医が欲しがっているのにも関わらず充分に受け取れていないと感じている(極端な需給解離が示唆される)主な項目は…

①既往歴

②認知症の有無・程度

③家族構成・状況

④介護申請・ケアマネ等

⑤日常生活動作

⑥入院の目的(本音も含む)

⑦終末期・急変時の方針

この結果を見て、病院勤務医は、本来は疾患の治療に専念することを求められている立場でありながら、患者を入院管理する際に、高齢者を総合的に評価しなければ立ち行かないことを、きっと苦い経験を繰り返しながら無意識のうちに理解しているように感じ、とても腑に落ちた。
逆に、かかりつけ医から紹介先の病院勤務医に、高齢者総合評価に必要な情報が入ってこないとなると、スムーズに治療行為に入れないのだが、アンケートの自由記載欄には、「丸投げされていると感じる」という辛辣な意見も散見され、医療連携のおいて病院勤務医が抱えるストレスや不満が感じ取れた。
本来は、疾患の急性期治療に専念すべき病院の医師が、こういった基本的な情報収集や、終末期の基本方針についての患者・家族との相談に時間と労力を費やしているとすれば、いかにも非効率だが、実際はそのような事態に陥っていることが如実に示された結果といえよう。
特に、認知症ケアに関する医療連携・情報共有は不可欠!
互いの必要を理解し、共通認識・情報共有をもって、より良い医療連携を目指していきたいものだ。




さて、今回の特別講演の講師は、群馬大学大学院保健学研究科 リハビリテーション学講座教授の山口晴保先生
1976年に群馬大学医学部をご卒業後、群馬大学大学院博士課程修了(医学博士)。日本認知症学会副理事長。
ご専門はアルツハイマー病の神経病理学やリハビリテーション医学。
アルツハイマー病の病態解明を目指して、脳βアミロイド沈着機序をテーマに30年にわたって研究を続けておられる。
また、認知症の脳活性化リハビリテーションの普及や認知症サポーターの普及事業に力を注いでいる。
一方、群馬県の地域リハビリテーション協議会委員長として、介護予防サポーター育成などの事業にも注力され、著書「認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント」では、認知症の病態や症状を解りやすく解説し、高齢者の抱える心の問題を共有し、適切な医療・ケア・リハビリテーションを提供するための具体的な方法を示されていて、医学的な知識からリハ、ケア、食生活まで包括的な取り組みをすべて紹介しているので、認知症の全体像を捉えることができる。

ご講演により、適切な初期診断の方法や、病態に合わせた適切な処方の重要性など、認知症のケアにおける医師の役割が明確になったのと同時に、地域全体で楽しく認知症をケアしていこうという新たな視点を与えていただいた。

2014年10月11日土曜日

あたりまえの生活 あたりまえの介護

快晴のアクアマリンパーク。
小名浜地区地域ケア推進会議主催の小名浜地区認知症在宅ケア講演会に参加した。

第一部
「認知症の予防と理解」~地域で生活すること~

中村病院 中村雅英理事長先生によるユーモアある詳しく盛り沢山な内容の解説。
麗らかな土曜の午後にもかかわらず、大勢の市民のみなさんが、メモをとりながら熱心に耳を傾けていた。


第二部
「認知症の妻と向き合うパートナー」
交易社団法人 認知症の人と家族の会 福島県支部 いわき地区会の小野英人氏

小野さんは映画「フラガール」で蒼井優さんが演じた小野恵美子さんの夫。
アルツハイマー病と診断された妻を自宅で介護している。
「妻のために○○してあげている」では、介護される側も、介護する側も苦しくなる。
認知症が進んでもなお、心や感情が息づいているからだ!
親が赤ん坊とともに成長していくように、まさに二人三脚で、一人では出来ないことを一緒に寄り添い歩んでゆく…
介護の実践を通した生の声は、参加者の心に響いていた。

超高齢社会を前に私たちが見直すべき原点回帰。

あたりまえに生まれ、あたりまえに育ってゆくように
あたりまえに衰えゆき、あたりまえに看取られてゆく…

台風が近づく週末。
そんな、自然な生老病死が叶えられる地域社会を創っていきたいと強く思った。


2014年9月18日木曜日

終末期の高齢者の想いを、地域と多職種でどう支えていくか? ~第58回 家庭医療セミナーinいわき 実践家庭医塾~

終末期の高齢者の想いを、地域と多職種でどう支えていくか?

家庭医療セミナーinいわき 実践家庭医塾 恒例の臨床研修医による患者中心の症例検討
いわきでの地域医療の学びの共有の場である


自宅での生活を強く希望する患者さん本人の想いに、家族の介護力が追いつかず、患者さんの希望が容易に叶えられないことも現実には多い。

これからの超高齢社会、多職種でチームを編成し、何が必要か?それを誰が提供できるか?
タスクの見える化をしながら、限られた医療•介護資源を効率良く活用していくことが、ますます求められていく。

今回は臨床研修医の2人が、こういった取り組みのモデルになるような経験を、うまくまとめて発表してくれて、とても良い問題提起の機会を与えてくれた。

さあて、ご褒美に美味いものを食べ(呑み)に行こうじゃないか!

2014年9月13日土曜日

外来・在宅診療から家庭医療の本質に迫る ~家庭医療サマー・フォーラムinふくしま2014(1日目昼の部)~

北は北海道から南は九州まで、全国から家庭医療に興味のある皆さんが遠方からも集まってくださいました。
かく言う我々いわきチームも会場となった福島市までの時間的距離は東京を超える。
のどかな風景を楽しみながら野を越え山越え、同一県内でありながら約120km2時間の旅。
不安定な気圧配置の中ながら、安達太良山が顔を見せてくれた。



「ようこそ家庭医療へ!」
福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座 葛西龍樹主任教授
聴き慣れた教授のプレゼン内容もどんどん進化して、日本における家庭医療の役割や認識も急激に変化している。
そんな時代の流れと、未来への希望を感じられる、そして仲間とともに頑張っていきたいという想いを新たにする機会となった。



Multiple Home Visitの視点を身につけよう」
保原中央クリニック 家庭医療科 望月亮先生
継続的に診るってどういう感じだろう?
当然分かりそうで案外言語化しにくい…
殊に、在宅医療という医療機関から離れた在宅というアウェーの地で、沢山の問題を抱えた患者さん・ご家族に対して、私たちはどのように戦略を錬って継続的なケアを提供していけばよいのか?
家庭医療専門医にして日本在宅医学会認定専門医である講師による実践から生まれた継続性の科学!
まるでいくつかのプラモデルを組み立てていくように、焦らずに一つひとつ、工程の順番を間違えることなく、先ずはラポールの形成など 訪問1回ごとの目的を明確にして、回を重ねるごとに徐々に本質に迫っていく…
患者さんが求めていることに応じる接客スキルと、患者さんが必要性に気づいていないような健康問題に対しても切り込んでいく営業スキルの両方を求められる家庭医の役割を明快に解説してくれた。




2014年8月8日金曜日

柏プロジェクトに学ぶ いわきの地域医療

2014年8月7日 職場の協力を得て業務調整の上、柏プロジェクト見学ツアーに参加させていただきました。

今回の説明会場となった柏地域医療連携センターは、いつまでも住み慣れた地域で安心して暮らせるまちを目指して、地域医療•介護の連携を強化し、広めるための取り組みをしてきた柏市の庁舎の一つという扱いでありながら、地域医師会•歯科医師会•薬剤師会等の関係団体の事務局も入り、地域医療•介護の発展と、市民の療養生活を支援するための中核拠点として整備された施設で、医療や介護に関する相談•啓発、在宅医療が必要な方への調整支援、医療•福祉の連携強化といった機能を担っています。
これまでの市の取り組みが実ってか?毎月50件程度の相談があり、日々地域医療の充実のために貢献しているようです。
とはいえ、今年度オープンしたばかりの新しい施設でまだ存在が市民に周知されていないのか、柏駅で拾ったタクシーのおんちゃんが「地域医療連携センター???」状態になってしまったので、説明会開始時刻ギリギリの到着となってしまいました。(笑)







午前中は、柏市の保険福祉部 福祉政策課の方から参加者全体(計4自治体や医師会等から約45名の参加者)に向けて下記の解説をしていただきました。

①UR都市機構による豊四季台団地の建替え事業について
②柏市福祉政策課による柏市における長寿社会のまちづくり
 ~豊四季台プロジェクト~

昭和39年から一気に分譲され、入居者が一気に高齢化し、局地的に超高齢社会が出現したこと。
バリアフリー仕様でない古い団地の建物で、生活困難となった要介護者が、住み慣れた団地を後にしなければならない状況になっていたことなどがきっかけに生まれたこのプロジェクトについて紹介していただきました。

豊四季台団地の中心エリアを案内していただきましたが、街には古い建物と、機能的な真新しい建物が混在し、今まさに生まれ変わろうとしている姿を感じることができました。
特に、地域包括ケアシステムの先駆的なモデルとして誕生した「ココファン柏豊四季台」は、住まい•介護•医療•生活支援•地域サービスがすべて一体化した複合拠点となっていて、居ながらにして包括的サービスが受けられるように、
1階部分には、診療所や訪問看護ステーション、居宅介護ステーション、ケアプランセンター、地域包括支援センターがズラッと軒を連ねている理想的な構造でした。




午後には、この日 福島県から参加した喜多方市の方々と、このプロジェクトのアドバイザーとなっている 吉江悟先生(東京大学 高齢社会総合研究機構・医学部 在宅医療学拠点 助教)と、柏市で在宅医療を実践されている家庭医療専門医の織田暁寿先生(ホームクリニック柏 院長)を囲んでの、ディスカッションの時間を設けていただきました。プロジェクトに関する詳細や実際のご苦労が見えてきて、とても参考になりました。

今回の視察を通して、多職種連携の在宅医療研修プログラムの実施や、主治医ー副主治医体制(グループプラクティス)の整備などによる、24時間365日在宅療養支援体制の確立への柏のみなさんの熱心かつ地道な努力の足跡を感じ取ることができました。
そして、柏市のように在宅医療推進の取り組みにおいて有名かつ様々な条件に恵まれた地域であっても、在宅医療への参加•協力が得られていない先生方がまだまだ多く、実際のところ派手で劇的な特効薬も魔法のような変身もなくて、むしろ変化に対応するために現在進行形の課題をたくさん抱えていることも知ることができました。
それでも、多職種が全体を見渡す視野を獲得しつつ、その中における自分の立場での役割を理解し行動することの積み重ねが、地域全体を動かし、変えていく原動力になっていくことを証明しつつあります。

もはや私たちいわき市民も、四の五の言ってないで、行政と医師会•地域住民らがガッチリと力を合わせ、今目の前に与えられた環境の中で考えうるベストを目指して、地道かつ根気強くひたすら前に進むしかありません。
そういう意味では、今の現状はともかくとして、いわき市や市議会•いわき市医師会が目指している方向性は間違っていないと思います。大事なのは歩みを止めないこと、そして諦めないことだと確信しました。