2013年10月20日日曜日

家庭医として医学教育に関わるということ ~第87回 FaMReF@福島医大~



今日は講座月例の公開フォーラムFaMReF。
今回のFaMReFのテーマは、医学教育。
しかも今回は部内持ち回りの指導医レクチャーの順番がまわってきた。







FaMReFは、レジデントのポートフォリオ作成支援も兼ねているので、「日本プライマリ・ケア連合学会 基本研修ハンドブック 2012 南山堂」に準拠した内容の「おしながき」もこなしつつ…


「わたしたちにとって医学教育とはなんぞや?」

折角の機会なので、少し本質的なところまで考えてみた。

むかしの偉いお医者さん曰く
「患者のいないところで 教科書のみでは教えないほうが 安全である。最善の教育は 患者自身が教えたものである」 William Osler, 1903

これに触発されて、自分も医学教育の定義を考えてみた。
「臨床家にとって 医学教育とは 医療の利用者から学ぶ方法を 初学者-上級医との間で 双方向性に共有することである」 Atsushi Ishii, 2013

教えるということは「仲間とともに、患者さんとともに、患者さんから学ぶということ」なんだと思う。

老子曰く 「授人以魚 不如授人以漁」 

目の前の患者の診かただけを教えるのではなく、患者から継続的に学ぶ方法を、ともに実践し、互いに伝え合っていきたい。

また、学習者にもいろんなキャラクターやニーズがあるけれど、それは、患者さんにいろんなキャラクターやニーズがあるのと同じで、患者中心の医療の実践を心がけ、学び続けるのと同様に、僕らは、学習者中心の医学教育を心がけ、学び続ければよいということを確信した。

「学習者を惹きつける魅力は教育です.教育活動が活発に行われている講座・部局・施設に学生は関心を示しますし, 教育活動が活発に行われている病院に研修医も集まっています.若い人が集まり活気のあるものにするには, 教育をいかに活性化にするかが大切です.」 2013731日日本医学教育学会理事長 伴信太郎

伴先生が述べられている通り、いかに楽しく、継続的に、教育環境を整えていくことが重要であるかを、日頃の診療・教育の現場で実感している。

ここまで医学教育について考えてきて、ふと思い出したことがある。
それは私たちにとっての最高のエールでもある。
以前、長崎から福島を訪れてくれた森薗君の言葉…

何より心に残っていることは、福島で出会った先生方が、とても楽しそうであったことだ。仕事を楽しんでいる。その姿を見せることが本当は一番の教育なのかもしれない。

これは日経メディカルオンライン「カデット」の体験リポートの結びに掲載されている。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cadetto/igakusei/report/201304/530078.html
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cadetto/igakusei/report/201304/530078_2.html

また地道に頑張ろうと思う。

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