初雪の宮城で暑い夏を再現!
ということで、猛暑の湯河原で行われた「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー」の中から厳選したセッションを仙台でアンコール開催。
妥当かどうかは分からないが、私のセッション「東日本大震災に学ぶ複合災害における家庭医の役割」も、栄えある厳選ラインナップに混ぜていただいた。
夏期セミナーでは、熱き学生さん達からキビシー評価をいただいていたので予測はしていたが、参加者内訳は、学生よりも すでに実診療で活躍されている医師中心。
あらためて「現場の人間 好みの企画なのかなぁ~」と再認識した次第である。
超高齢社会をむかえる これからの日本のプライマリ・ケアの現場で起きる問題の多くは、複合災害医療の現場で私たちが経験している状況と酷似しているのだが、このことは 確かに学生さんには まだ実感しにくいかもしれない。
地震・津波・原子力災害・風評被害・被災者同士の軋轢などなど、今まで経験のなかったような現在進行形の複合災害の中、私たちが直面している現実は、災害医療に特化したスキルだけで解決できるほど甘いもんじゃなくて、通常のマニュアルやシュミレーションがほとんど役に立たなくて、既存の災害医療支援体制も現状にうまくマッチせず、残酷なほどに思い通りにさせてもらえないことばかり・・・
医師が格好よく活躍できる状況もなく、むしろ無力感に苛まれ、そんなもどかしさの中、悩み苦しんでいる人たちが沢山いる。
それでも未来を見据えて歩み続けている人たちがいて、その地道な活動自体が、壊れた地域に新しい息吹をもたらし、家庭医療の発展と日本の未来を切り拓く「FRONTIER」そのものになるのである。
このことを強く熱く伝えたいという想いには何ら迷いはないし、実際の現場で未だもがき続けている人間にしか伝えられないことを、縁あってこのセッションを選択してくれた皆さんに全力で伝えることが、私に課せたれた責務だと思い、できることはやった。
でも何だかんだ言ったって「家庭医は夜育つ」というわけで、やることはやったし、今宵はワイワイ呑ませていただいた。
ちなみにこの名言は、藤原靖士先生によるものだそうで、単に呑むと家庭医になれるということではなくて、呑んでも呑まなくても、学ぶということに関して、枠組みにとらわれずに、いつでもどこでも、誰からでも学ぶ姿勢が、家庭医には大事だよ!というメッセージだそうです。
なるほど納得。
東北人は寡黙で控えめなので目立ちはしないけれど、ちゃんとポテンシャルを持っていて、それはもう既に鉄砲水のように噴出し始めている。
今回の参加者と講師陣から そんなパワーを しかと受け取りつつ極厚タンをいただいて仙台をあとにした。
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