2026年3月25日水曜日

命をつないだラジオ ─ FMいわきと、あの日の声

震災から15年。

プロジェクトX〜挑戦者たち〜で、いわきのコミュニティFM「FMいわき」が紹介された。

東日本大震災当時、あの“声”を聴いた瞬間、胸の奥が熱くなった。

いわき市は地震と津波、そして原発事故によって、街全体が混乱の中にあった。
多くの人(住民の9割とも推計される)が自主避難し、情報が途絶える中で、唯一市内に残り、放送を続けていたのがFMいわきのスタッフたちだった。

停電、断水、通信障害――。
彼ら自身も被災者でありながら、安否情報、避難所の場所、給水所やガソリンスタンドの開設状況など、市民一人ひとりの生活に必要な情報を、24時間体制で発信し続けた。

番組の中で、あるスタッフが語っていた。
「自分たちも怖かった。でも、“声があるだけで安心する”って言われたんです。だから、止められなかった。」

その言葉に、涙があふれた。

私も当時、避難所を回っていた。
空間放射線量が高い中、不安と孤独が入り混じる車内で耳にしたのは、いつもの聴き慣れた声――
けれど、どこか少しだけ引き締まった「FMいわき」の声だった。

「この人たちも、ここで頑張っているんだ」

そう思った瞬間、涙が止まらなかった。
そして、自然とこう思えた。

「この人たちと一緒に頑張ればいい」

あれほど強かった孤独は、その瞬間、静かにほどけていった。

番組の最後に映し出された言葉――
「命をつないだラジオ」。

この小さな放送局の挑戦は、“情報”を超えて、“人に寄り添う力”とは何かを教えてくれる。

今でもFMいわきの放送が耳に入ると、あの日々の献身への深い敬意とともに、自然と耳を傾けてしまう。

あの声があったから、
私たちは、孤独ではなかったのだから。

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