震災から15年。
プロジェクトX〜挑戦者たち〜で、いわきのコミュニティFM「FMいわき」が紹介された。
東日本大震災当時、あの“声”を聴いた瞬間、胸の奥が熱くなった。
いわき市は地震と津波、そして原発事故によって、街全体が混乱の中にあった。
多くの人(住民の9割とも推計される)が自主避難し、情報が途絶える中で、唯一市内に残り、放送を続けていたのがFMいわきのスタッフたちだった。
停電、断水、通信障害――。
彼ら自身も被災者でありながら、安否情報、避難所の場所、給水所やガソリンスタンドの開設状況など、市民一人ひとりの生活に必要な情報を、24時間体制で発信し続けた。
番組の中で、あるスタッフが語っていた。
「自分たちも怖かった。でも、“声があるだけで安心する”って言われたんです。だから、止められなかった。」
その言葉に、涙があふれた。
私も当時、避難所を回っていた。
空間放射線量が高い中、不安と孤独が入り混じる車内で耳にしたのは、いつもの聴き慣れた声――
けれど、どこか少しだけ引き締まった「FMいわき」の声だった。
「この人たちも、ここで頑張っているんだ」
そう思った瞬間、涙が止まらなかった。
そして、自然とこう思えた。
「この人たちと一緒に頑張ればいい」
あれほど強かった孤独は、その瞬間、静かにほどけていった。
番組の最後に映し出された言葉――
「命をつないだラジオ」。
この小さな放送局の挑戦は、“情報”を超えて、“人に寄り添う力”とは何かを教えてくれる。
今でもFMいわきの放送が耳に入ると、あの日々の献身への深い敬意とともに、自然と耳を傾けてしまう。
あの声があったから、
私たちは、孤独ではなかったのだから。

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