2014年1月23日木曜日

いわきの地域包括ケアの綻びから学ぶ地域医療 ~家庭医療セミナーinいわき 実践家庭医塾~

自宅で徐々に衰弱し、瀕死の状態になって救急搬送。
そんな事例が後を絶たない。
そんな事例を通して熱いディスカッションを行った。
そのほとんどは高齢者だが、必ずしも独居とは限らない。
この社会は一体全体どうなってしまっているのか?
しかも、このような形で医療機関にたどり着く患者さんはきっと氷山の一角で、
自宅で充分なケアを受けられずに過ごしている高齢者は、
恐らく私たちが直接拝見できる患者さんの数の何倍、何十倍と潜伏しているだろう。

厳密に言えば、急患ではない。
ただただゆっくりと進行した衰弱が、限界点を超えたのが今なだけ。
少し脱水を補正したり、時に食事の提供や排泄・整容など当たり前の日常が送れるように援助するだけで、徐々にに息を息を吹き返す患者さんも多い。

疾患という視点から見れば、何もないのかもしれない。
元気になったなら退院していいはずだ。
しかし、ただ一つ言えることは、折角回復した患者さんも、そのほとんどは、そのまま退院し、元の環境に戻せば、また必ずと言っていいほど、同じ状況になって戻ってくるということ。

予防という観点からいえば、これらの患者さんは、そのまま退院してはいけないのだ。
退院しても再入院しなくて済むような、これからのケアを視野に入れ、その方法を、様々なサービスの職種。家族。家族だけで事足りなければ地域住民までを総動員して連携し、これまでうまくいかなかった問題点を解決していくことが必要である。

厚生労働省の地域包括ケア推進指導者養成研修「地域包括ケアの理念と目指す姿について」で示されている問題点として、
・都市部を中心とした高齢者人口の増加
・認知症高齢者の増加
・高齢者一人暮らし・夫婦のみ世帯の増加
・良質な介護従事者の確保
が挙げられている。
いずれも一朝一夕に解決しにくい問題だが、だからこそ、医療だけでなく、介護・生活支援・住居環境整備など、地域の資源が束になって支えていかなければならないだろう。

現状では、医療-福祉-行政の連携が絶対的に不足しているように思う。
逆説的にいえば、これらがうまく協力し合えれば、今よりうんと良くできるポテンシャルを残しているのではないか?
自分もこれまで医療偏重の頭できたけれど、その反省をもとに、多職種連携の強化に努めていきたい。

ほしい未来は自分の手でつくる!

おまけ:病院総合医フェローシッププログラム認定証贈呈式


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