2025年8月15日金曜日

80回目の終戦の日に寄せて

終戦から80年。

戦時下の医療は、今の私たちの想像を超える世界だったでしょう。

薬は乏しく、包帯や消毒薬も不足。注射針は煮沸して繰り返し使い、野草を煎じて薬代わりに——。

そんな中でも、医師や看護婦(当時の呼称)は知恵と工夫で命をつないだという話を伝え聞きます。

私は戦争を知りません。

それでも、東日本大震災やその後の台風による水害、そしてコロナ禍の現場で、「足りない中で何とかする」という感覚を少なからず経験しました。
断水の中での診察、寸断された交通網、届かない物資、マスクや消毒液の不足、手作りのフェイスシールドでしのいだ日々——。

どれも戦時中と比べれば恵まれてはいますが、「平時の当たり前」がいかに脆く、そして尊いかを、骨身に染みました。

平時の診療の現場は、ドラマのような派手さはありません。血圧の薬を忘れずに飲めているか確認したり、腰痛や咳の相談に耳を傾けたり、生活の不安に付き合ったり——これらはみな地味な積み重ねです。しかし、この日常の積み木が、非常時には地域を支える砦になります。

平時に築いた信頼や仕組みは、有事にその真価を発揮するということを強く感じました。

足りてる時ですらちゃんとできてないことが、足りない中で何とかできるわけがないのです。

終戦の日は、先人の努力と犠牲に深く感謝するとともに、私たちが次の世代へ何を渡すかを考える日でもあります。
私は、自分の足元から地域医療をより良くする努力を惜しまないつもりです。

……というわけで、非常時に備える前に、まずは自身の平時の健康管理として、酒を浴びるように吞むことは控え、浴びない程度にしたいと思います。

2025年8月3日日曜日

「ぶっつけ本番」奇跡の優勝! ~いわきおどり小名浜大会~

かしま病院、奇跡の頂点! 

〜一夜漬けダンス軍団、60余チームを制す!〜

202581日、いわき市小名浜港一帯は熱気と人波に包まれました。

「いわきおどり小名浜大会」

精鋭60余チームが優勝を狙う中、誰も予想しなかった快挙が起きました。

――そう、我ら かしま病院チーム が、優勝してしまったのであります。

■ 事前練習時間:わずか数分程度

本番前の練習は、忙しい病院業務の合間に、集まれるメンバーだけ一回だけステップの確認の数分ぽっきり。

全員が揃ったのは本番のみという まさに「ぶっつけ本番!」

踊りの完成度は…まあ、正直、微妙。

優勝なんて「夢のまた夢」――いや、「ゆめゆめ想像すらしない」ほどの遠い存在だった。

■ しかし、踊り始めたら

「おや? なんかいい感じ?」

踊りの上手さよりも、みんなの笑顔と元気が場を支配し始めます。

見ている観客が思わず笑顔になるパワー。

これぞまさに、かしま病院の真骨頂――多職種団結力の結晶でした。

 

■ 秘策:「本部前だけ全力作戦」

「せめて審査員のいる本部前だけは、全力で狂喜乱舞しよう!」

あとは流す…ではなく、楽しむ。

手前みそながら、学生時代、一夜漬けを極めた わたくし発案の姑息な「ここぞ瞬発力作戦」が見事に的中してくれました。

 

■ 結果は――まさかの頂点!

かしま病院創立以来の珍事?

優勝発表の瞬間、誰もが「え、うそでしょ?」と顔を見合わせる。

と、言いたいところですが、上位入賞をまったく想定していなかったので、発表の瞬間、ダンスチームはすでに本拠地の病院へ撤収済み!

居残りの広報部隊の2人のみが表彰台に上がるという、ヒジョーに気まずい状況だったとのこと…。

この奇跡は、病院の仲間が一丸となり、

「どうせやるなら全力で楽しもう」という心意気が生んだ産物と言えるでしょう。

仕事も遊びもいつも全力投球な かしま病院職員気質を病院長としてとても誇りに思います。これは単なるお祭り優勝ではありません。

日々の診療やケアの現場での瞬発力と団結力が、このような形で結実したのだと思います。

■ かしま病院は今日も地域で踊り続ける

この勢いで、病院の団結力をさらに磨き、地域の皆さんにもっと元気を届けていきます。

医療と地域をつなぐ「踊れる医療チーム」に、これからもご期待ください!


#いとちプログラムできるまで

かしま病院は、基幹型で2026年度から「いとち総合診療研修プログラム」(通称:いとちプログラム)を立ち上げます。「い(医療)」と「ち(地域)」をつなぐ 新しい総合診療専門研修が始動します。

いとちプロジェクト|note