7月15日、令和5年度 第1回「在宅医療推進のための多職種研修会」が、いわき市地域医療課、いわき市医師会の協力のもと、コロナ禍以降初となるリアル(現地)&オンラインのハイブリッドで開催されました。
リアルとオンラインで合計120名を超える方が参加し、これからピークを迎える超高齢社会&多死社会において、一人ひとりがその人らしい人生の最期を過ごすことができるようにするにはどうしたらよいか?本気で考え、本気で議論する、当日の猛暑に負けない熱い作戦会議が展開されました。
研修のメインセッションは、患者さんの自宅での担当者会議を想定した「ロールプレイ」でした。慢性閉塞性肺疾患や認知症が進んでも住み慣れた自宅で暮らし続けたい本人と、独居の本人を案じ施設に入ってもらいたい家族。対立するそれぞれの想いに、参加者が6グループに分かれ、それぞれ多職種チームを組んで果敢に挑みました。基本設定のみでシナリオがないため、チームごとの議論展開や行きついた結論も様々でしたが、いずれのチームも仕事さながら(もしくはそれ以上に)真剣そのものでした。
私は、ロールプレイに先立ち、人生の最終段階における意思決定に関する全体講義を担当しました。人生の最終段階の類似語に終末期がありますが、終末期は死を前提とした生命維持の限界を示す表現です。一方、人生の最終段階は最期までその人らしく生き抜くことを前提とした表現で、「より良く生きる」を支援する多職種の取り組みにおいてよく用いられるようになりました。参加者の皆さんには「死の話題に触れることをタブー視せず、人生の花道・クライマックスをどう飾るのかを、いつでもどこでも誰とでも、好きなように語ることができる土壌づくりをしていきましょう」というお話をしました。