大人の学びって、経験によって必要に迫られて、問題を解決するために、自ら目標を立てて、取り組むわけで、とても主体的で能動的!
カリキュラムがきっちり決まっている義務教育とは真逆ですね。
冒頭のレクチャーでは、ホスト病院である大原綜合病院の菅藤賢治先生が、Uirich Boser 著の「Learn Better」学びの6つのステップを紹介してくれました。
1. 価値を見いだす
何故それをしようと思うのか? その意味を自ら発見する。
2. 目標を決める
学習の効率を高めるために、目標を設定し思考の質を上げる。
3. 能力を伸ばす
学びの過程をモニタリングし、外部からのフィードバックを受ける。
4. 発展させる
人に教えるつもりで実際にやってみる
不確実性を受け入れ、多様性のある環境をつくる
5. 関係づける
たくさんの具体例を学び、それらの関係性を推論する。
6. 再考する
過信を捨てて、実は自分は分かっていないことを知る
静かな環境で内省する必要性
そして繰り返し学ぶ
ある意味、当たり前のことで、日頃 無意識下でやっていることですが、こうやって言語化してみると、それ自体が格調高くて、アカデミックな感じになりますね。
これを踏まえて参加者らが日頃の学習の経験を語り合いましたが、みんなそれぞれ限られた時間の中で、臨床上の疑問に工夫・模索しながら対応していることが分かりました。
今回の専攻医の振り返りは、Significant Event Analysis:SEA 形式でおこなわれました。
SEAは、事例や症例に関して当事者が深く振り返り、言語化し、今後の改善に対する提言をするという下記の流れで実施します。
1.significant event の記述
2.最初に考えたこと、そのときの感情
3.うまくいったこと
4.うまくいかなかったこと
5.こうしたらよかったと思うこと
6.次のアクションプラン、学びの計画
今回は、現在のかかりつけ医への相談なしに、直接受診(初診)となった患者さんへの対応についての振り返りでした。
こんな時、医師としてどんな気持ちになるでしょうか?
私はどうしても陰性感情を抱きがちです。
しかし、そういう行動に至った患者さんには、必ず何らかのコンテクストが潜んでいます。
このような状況下で、いかに ニュートラルな気持ちで対応できるか?
むしろ、やりがいをもって対応できるか?
わたし自身にとっても深い省察にもなるテーマでした。