2012年10月1日月曜日

いわき市の救急医療事情① ~救急車3台が並ぶ病院~


昨夜は非常に厳しい当直であった。
急患は医療機関の事情とは無関係に発生する。
タイミングが悪いと、当院のように医師1人、看護師1人の弱小体制で当直をまわしている病院にも、救急車が同時に3台到着するという異常な光景が現実化する。
ちなみに昨夜の当院もまさにそのような状況であったが、決して2次輪番の当番日にあたっていたわけではない。
なぜ、こんな状況になってしまうのか?

本来、いわき市では2次輪番の当番に当たった2次救急病院は「救急隊からの受け入れ要請を原則拒否しない」ことになっている。
このことが実行されていれば、昨夜の当院のように2次輪番の当番日でもない病院に救急車が同時に3台などという事態は、まず起こり得ないはずなのだが・・・

そもそも、2次輪番制度とは、地域で複数の病院が共同し、当番制で休日・夜間の診療を行うというものである。
県医療計画によると県内10地区で導入されており、入院治療が必要な2次救急医療を担っている。
いわき市では確か現在17病院で輪番制を行っており、県内で最も数が多い。

2次輪番病院の役割とは何か?

地域の3次救急医療機関である救命救急センター(いわきでは磐城共立病院)が、命にかかわる重篤な患者を受け入れることに専念し、その機能を維持できるように、それ以外の患者を受け入れることである。
もしも2次輪番病院が機能せず、本来は2次輪番病院で診るべき患者が3次救急医療機関に数多く搬送されると、救命救急センターの受け入れ機能を低下させてしまう。

「それはけしからん!いわき市は2次輪番病院がたくさんあるのに一体何をやっているのだ!」
と責めるのは容易いけれど、どの病院も医師不足で十分な当直態勢がとれないのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿