2023年3月23日木曜日

リュージュの伝言 ~第143回 家庭医療セミナー in いわき「実践家庭医塾」~

私が研修医だった頃、総合診療の研修のプログラムは、ありませんでしたが、幸いなことに、偶然、私は、シニアレジデントの時に、母校の聖マリアンナで総合診療を学ぶ機会に恵まれました。そして、21年前に地元に戻って、総合診療の普及のための活動を始めました。

それから4年後、日本の総合診療教育の第一人者である、葛西先生が、県立医大の教授に就任され、まるい頭の2人が、運命的な出会いを果たしました。

早速、総合診療実践のためのセミナー「実践家庭医塾」を開講しました。

教授と酷似した風貌の持ち主、医療連携室の井沢さんが、事務方として陰で支えてくれました。

以後、コロナ禍に入っても、オンラインで継続して、16年間で受講者は延べ2600名を超えています。

2023年3月16日 葛西教授退任前の最後の実践家庭医塾となりました。

幸い、久しぶりの現地(リアル)開催することができました。

メインプレゼンテーションでは、はえぬきの塾生である おざかクリニック 小坂博美先生から、緩和ケアにおける医療連携の問題点について鋭い指摘と提案がなされ、活発な意見交換の場となりました。

各科がん治療のエキスパートと、患者のトータルケアのエキスパートである家庭医は、もっともっと互いの考えや立場を理解し協働することが大切だと思いました。


セミナーの最後に、長年セミナーのスーパーバイザーを務めてこられた葛西教授からの「リュージュの伝言」

医師は「癒すもの」でありながら、実はその行為により、逆に「癒されるもの」となり、続けていくことができる。

患者さんから力をいただきながらこの仕事を長く続けて、多くの人たちの Well-being に関わっていきたいと思います。


ひとりで途方に暮れていた私に沢山の仲間と学びをもたらしてくださった葛西教授への、言葉にできないほどの謝意を、熱い「法要」じゃなくて「抱擁」で表しました。


丸い頭の「団子3兄弟」
 

多職種連携の力とは? ~第179回 家庭医療レジデント・フォーラム~

2023年3月5日の家庭医療レジデント・フォーラムのテーマは「多職種連携」でした。

どんな時に連携すればいいか?

それは、結局「いつでも」ですが、やはり、独居高齢者の在宅ケアのように、問題が難しい時ほど、より力を発揮するものということを再認識することができました。

ワークでは、それぞれの職種の立場から出される意見のコンテクストを探りながら、よりよい判断・方針決定に結び付けるためのトレーニングを行いました。同じ医師という立場からも様々なアイディアが飛び出すので、更に職種が変われば、意見が違って当然です。これらを紡いでいくことができたら、バランスの良いケアができそうですね。