2020年10月25日、今回もオンラインで家庭医療レジデント・フォーラムが開催されました。
専攻医からの提示事例は、EBMの実践を通して、終末期の意思決定、家族志向ケアなど、総合診療医に求められる複数の領域にまたがる多くの能力が鍛えられるものでした。
直属の指導医とのやり取りを通じて成長してゆく学びの過程を垣間見ることができたし、フォーラム当日も、他の指導医らから、また別の視点から多彩なフィードバックがなされました。
指導医レクチャーのテーマは「BPSモデル」でした。
家庭医療専門医取得のために課せられるポートフォリオの花形領域であったBPSモデルが、新・家庭医療専門医では姿を消しました。この事実に対して、レクチャーを担当した豊田先生の解釈は秀逸でした。「本物の家庭医を目指すなら、BPSモデルは標準装備でしょ!」と言わんばかりに、BPSモデルは消えたのではなく、根っ子に潜り込んだわけで、つまり、すべての領域において当然のごとく常に意識しておくべき、本幹をなす基礎中の基礎であり、かつ最重要なアプローチであるとの主張でした。
トリを務めた武田先生の講義では、プラセボ効果とノセボ効果の話がとても楽しく興味深く、時間が許せば、一日中 議論をし尽くしたい感じでした。
全体として、運営側も参加者らも徐々にオンラインセミナーに慣れてきて、小グループに分かれてのディスカッションも、さほど違和感を覚えることなくスムーズに進むようになってきました。ウェブで共有できるホワイトボードを用いると、各グループで出た意見がリアルタイムにアップされるので、その場で他のグループの議論内容も直接確認できるし、そのまま記録にも残せるので、参加できなかったメンバーも後で学べます。
より良い学びの機会になるように取り組んでくださった喜多方の指導医陣に感謝申し上げます。
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