2012年7月23日月曜日

今年も奮闘! キッズ医者  ―小学生の医師職場体験プログラム―


いわき発. 福島に元気, 日本に未来を!

というわけで、今年も頑張った・・・ 子供が!

“キッズ医者”奮闘記  ―小学生の医師職場体験プログラム―

今年もかしまキッズ病院を舞台に過酷な研修が展開された。
7月21日、午前の部と午後の部の2回に分けて、延べ34名程のキッズ医者たちが大活躍!
今年は個性豊かなキッズ研修医たちに恵まれててんやわんやながら、事故もなく全員無事研修を修了してもらえて、かしまキッズ病院の4代目院長としては、疲労困憊ながらもかなり嬉しかった。
せっかくなので、改めてキッズ医者について解説しておく。

近年、子供の職業体験がブームである。
キッザニア(メキシコのKZM社)が火付け役になったようだ。

<キッザニア>
子供向けの職場体験型テーマパークとして 1999年にメキシコで誕生.
日本では東京都江東区豊洲(2006年10月開業)兵庫県西宮市甲子園(2009年3月開業)に 2施設が展開し、各施設とも年間約100万人の来場者数を記録。

<キッザニアのコンセプト>
子供たちが本物さながらの設備・ユニフォームで 好きな仕事にチャレンジし, 楽しみながら 社会の仕組みを学ぶことができる。
保護者は子供に手を貸すことを許されず、子供には真剣に職務を果たすことが要求される。
「子供だから○○するのは早すぎる」という既成概念を捨て, 子供扱いせずに厳しく指導する ユニークなコンセプトは「education(教育)」と「entertainment(娯楽)」を合わせた造語 「edu-tertainment (エデュテインメント)」と表現され、各国で社会的に高く評価されている。

現在ブームとなっている子供の医師職場体験を地域包括ケア・地域保健の向上のきっかけとして活用できないか?
そんなリサーチ・クエスチョンを定式化する前に、実際に子供の医師職場体験を提供してみよう。
折角なので, ついでに小学生の夏休み自由研究をサポートして, 地域の皆さんに喜んでもらおう。
そんな想いから3年前の夏休みに発足した企画!

それが・・・
小学生の医師職場体験プログラム “キッズ医者かしま”である。

<“キッズ医者かしま” の目的>
・地域包括ケアの一環
    地域の子供・親に医療に関心を持ってもらう
    役に立つ医学知識を身につけてもらう
・夏休みの自由研究のサポート
・想い出づくり(子供・親)
・かしま病院の広報活動
・医師・医療職へのリクルート

<“キッズ医者かしま”の内容>
・キッズ医者へのトレーニング
    バイタル・サインの測定・聴診体験とその所見の意義の学習
・患者さんを診察する
    模擬患者(病院職員)を用いた医療面接・身体診察体験
・救命処置を学ぼう
    人工呼吸法を省略した一次救命処置(BLS)の講習会
・病院を探検しよう
    画像診断部・リハビリテーション科・検査科・病棟の見学

<「エデュテインメント」としての配慮>
・写真入りネームプレートの作成・配布
・聴診器・小児サイズの白衣の貸与
・模擬患者・実際の医療機器を用いた模擬診察
・夏休み自由研究を兼ねた“キッズカルテ”の作成
・研修修了証書授与

子供だましや遊びではなく、本格的かつ真面目に
子供たちが医師になりきれるように一貫して本物志向

<実施してみて・・・>
・既存の医療資源を活用した効率の良いプロジェクトである。
・多施設での実施・応用が可能である。

パクリ大歓迎!
ていうかこの企画自体がキッザニアのパクリであるが・・・
昨年の日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で活動報告をさせていただいた結果、複数の施設で、同様のプログラムを実施してくださった。
これが一番嬉しい!

・事後アンケート結果では, 参加者・保護者双方から高評をいただいた。
「いつでも何回もやって欲しい、何度でも参加したい」
「医者になりたくなった」
こんな記載をみると、疲れが吹っ飛ぶもの・・・

・地域包括ケア・地域保健の向上や、将来の地域医療を担う人材増加を促すための夢のあるモデルとして本プログラムを発展させていきたい!
・今後も継続的に実施していきたい!

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