2011年7月29日金曜日

“キッズ医者”奮闘記  ―小学生の医師職場体験プログラム―

いわき発. 福島に元気, 日本に未来を!

キッズ医者奮闘記  小学生の医師職場体験プログラム


今年もかしまキッズ病院を舞台に過酷な研修が展開された。
728日、29日の2回に分けて、延べ30名のキッズ医者たちが大活躍!
厳しい試練に立ち向かいながら、事故もなく全員無事研修を修了することができて、かしまキッズ病院のちょっとカッコイイY院長は、疲労困憊ながらもかなり喜んでたなぁ~。
せっかくなので、キッズ医者について解説してみよう。

近年、子供の職業体験がブームである
キッザニア(メキシコのKZM社)が火付け役になったようだ。.

<キッザニア>
子供向けの職場体験型テーマパークとして 1999年にメキシコで誕生.
日本では東京都江東区豊洲(200610月開業)兵庫県西宮市甲子園(20093月開業)に 2施設が展開し、各施設とも年間約100万人の来場者数を記録。

<キッザニアのコンセプト
子供たちが本物さながらの設備・ユニフォームで 好きな仕事にチャレンジし, 楽しみながら 社会の仕組みを学ぶことができる
保護者は子供に手を貸すことを許されず子供には真剣に職務を果たすことが要求される
「子供だから○○するのは早すぎる」という既成概念を捨て, 子供扱いせずに厳しく指導する ユニークなコンセプトは「education(教育)」と「entertainment(娯楽)」を合わせた造語 edu-tertainment (エデュテインメント)」と表現され各国で社会的に高く評価されている

現在ブームとなっている子供の医師職場体験地域包括ケア・地域保健の向上のきっかけとして活用できないか?
そんなリサーチ・クエスチョンを定式化する前に実際に子供の医師職場体験を提供してみよう
折角なので, ついでに小学生の夏休み自由研究をサポートして, 地域の皆さんに喜んでもらおう
そんな想いから2年前の夏休みに発足した企画!

それが・・・

小学生の医師職場体験プログラム “キッズ医者かしま”である。
キッズ医者かしまの目的>
n  地域包括ケアの一環
    地域の子供・親に医療に関心を持ってもらう
    役に立つ医学知識を身につけてもらう
n  夏休みの自由研究のサポート
n  想い出づくり(子供・親)
n  かしま病院の広報活動
n  医師・医療職へのリクルート

キッズ医者かしま内容
n  キッズ医者へのトレーニング
    バイタル・サインの測定・聴診体験とその所見の意義の学習
n  患者さんを診察する
    模擬患者(病院職員)を用いた医療面接・身体診察体験
n  救命処置を学ぼう
    人工呼吸法を省略した一次救命処置(BLS)の講習会
n  病院を探検しよう
    画像診断部・リハビリテーション科・検査科・病棟の見学

<「エデュテインメント」としての配慮
n  写真入りネームプレートの作成・配布
n  聴診器・小児サイズの白衣の貸与
n  模擬患者・実際の医療機器を用いた模擬診察
n  夏休み自由研究を兼ねたキッズカルテの作成
n  研修修了証書授与
子供だましや遊びではなく、本格的かつ真面目に
子供たちが医師になりきれるように一貫して本物志向

<実施してみて・・・>
n  既存の医療資源を活用した効率の良いプロジェクトである
n  多施設での実施・応用が可能である
パクリ大歓迎です!
ていうかこの企画自体がキッザニアのパクリであるが・・・
n  事後アンケート結果では, 参加者・保護者双方から高評をいただいた
n  地域包括ケア・地域保健の向上や、将来の地域医療を担う人材増加を促すための夢のあるモデルとして本プログラムを発展させていきたい!
n  今後も継続的に実施していきたい

2011年7月23日土曜日

主演男優?

何をしているかと言うと…

来る8月6日に筑波大学で行われる第23回学生・研修医のための家庭医療夏期セミナーでのワークショップ

「家庭医のアタマの中を見てみたい ~外来診療編~」

に使うVTRの撮影風景です。

このセッションでは、ある外来診療風景の映像を見ながら、参加者の皆さんに家庭医のアタマの中を疑似体験してもらいます。

VTRでは模擬患者役をさせていただきましたが、ビデオレビューしたところ、
つくづく「自分は変わり者だなぁ~」と思いました。

内容は・・・

まだ内緒です。

ワークショップでは皆さんに楽しく学んでもらえたら嬉しいなぁ~

2011年7月19日火曜日

女子サッカーと家庭医療

女子サッカーなでしこジャパンのドイツワールドカップ優勝の興奮がまだ冷めやらぬ朝ですが、また今日からお仕事を頑張ろうと思います。

米国との決勝を観ていて思ったことを要約すると「諦めなければ叶う」ということである。

それは単に相手が圧倒的に強い相手でも、なでしこの花言葉の通りに勇敢に立ち向かうという意味もあるが、それ以前に、昨日の試合を迎えるまでの長い間ずっとずっと諦めずに一つのことをやり遂げ続けてきたことへの「諦めなければ叶う」という意味あいが強い。

キャプテンの澤選手がサッカーを志した当初、「サッカーをする女子=変人」だったかもしれない。
いかに世界の頂点を目指そうにも、周りにライバルすらいないので話が始まらない。
ライバルがいないだけなら、ある意味有利でいいけれど、気味悪がられてやることを邪魔されることすらある。
「食べていけないからやめた方が良いよ」という人もいただろう。
サッカーの母国、イングランドですら女子サッカーが実質禁止されていた時期があったというのだから驚きである。
今でこそ、世界を目指してもライバルが多くてなかなか代表入りできない環境に成長したけれど、それでもまだまだ厳しい分野であることに変わりはないかもしれない。

自分も初期研修当初、「家庭医を目指す」と言ったら、ある指導医に「医者のくせに専門を選ばないのか?」「はじめから3流の医者になり下がって良いのか?」と諭されたことを今でも忘れられない。

“家庭医療は立派な専門分野だっつーの”という思いを胸にしまいながら道なき道を歩んできた。

今でも自分の前にちゃんとした道はないし、未だに変人扱いされ続けている。
そんな中、世界に出しても恥ずかしくない家庭医療を築いていくのはかなりの努力を続けなければ叶わないことも分かっている。

それでも諦めずに続けていく決意を新たにした!

2011年7月17日日曜日

鍼灸師と家庭医


鍼灸師さんを対象とした家庭医療についての講演依頼をいただき内容を検討していたところ、
鍼灸師と家庭医にはかなりの共通点があることが分かってきた。



鍼灸師の中でも専門分化は進んでいる様子だけれど、医科と同じ轍を踏まず、
全身(心身と環境も含む)を診ることができるプライマリな専門家も発展して欲しい。

2011年7月14日木曜日

キッザニアならぬキッズ医者

キッズ医者かしま2011 ~小学生医師職業体験プログラム~
のお知らせ
かしま病院の新任研修医になりきって、患者さんの診察や検査をしませんか?
当企画は、子供の職業体験ブームを巻き起こした「キッザニア」のパクリですが、
せっかくなので、夏休みの思い出と、自由研究のサポートになるよう内容を工夫しています。
2009年からのべ4回開催し高評をいただいております。
皆さん奮ってご参加いただき、少しでも医療に興味を持っていただくきっかけになれば嬉しいです。
開催日時:第1回 2011年7月28日(木)13時~17時
       第2回 2011年7月29日(金)13時~17時
開催場所:かしま病院内(福島県いわき市)
参加対象:小学1~6年生
募集人数:各回15名
参加費用:500円(保険料・資料代など実費)
企画・主催:福島県立医科大学 医学部 地域・家庭医療学講座

http://www.kashima.jp/hothot/hothot2011.image/2307p4.pdf

<お申し込み・お問い合わせ先>
社団医療法人養生会 かしま病院 地域医療連携室
TEL:0246-76-0350 FAX:0246-76-0352
好評にて受け付けは終了させていただきました!

2011年7月11日月曜日

家庭医と緩和医療 ~第79回 いわき緩和医療研究会~

震災により延期になっていた第79回 いわき緩和医療研究会が本日開催されました。
あらゆる疾患領域を扱う家庭医は緩和医療に関わる機会が多いです。
トータルヘルスケアのマネージメント能力が問われるこの領域は、時に家庭医の腕の見せどころにもなると思います。
そんなわけで、今回はうちの後期研修医の診療経験を発表させていただきました。
家庭医として、患者さん、ご家族が望まれる医療を追い求めた結果、比較的苦痛の少ない終末期を過ごしていただけたと思われた2症例をお示しした。
その中で、在宅緩和医療における家庭医の役割に関する御意見や期待の声をいただいた。
他科の先生方や他職種の方々の視点が見えて、自分たちの活動や経験を広く知っていただくことの大切さを実感した。

ホームステイ型医学教育研修プログラム学生実習情報交換会

福島県立医大の地域医療学生実習といえば・・・
ホームステイ!!
震災の影響で実施が危ぶまれていた恒例のホームステイ型医学教育研修プログラム学生実習でしたが、今年も無事半ばを過ぎ、76日にその中間報告会に位置づけられる第1回ホームステイ型医学教育研修プログラム学生実習情報交換会が行われました。
多忙の中、多くの学生さんに集まってくれて、県内各地でのそれぞれの体験を語ってくれました。
同じ福島県内でも事情は異なっていて、それぞれの地で求められる医療も異なる。
一人では全てを体験できないので、学生さん個々に実習報告していただき情報を共有しました。
みんな若いパワーで、こちらの想像を遥かに超える吸収力で学んでくれているんだなぁ~と頼もしく感じました。