爽やかな北の大地での学会が幕を閉じた。
個人的には拙いながらも演題を出すことができたし、割と興味を持っていただけたようで、いくつかのご質問、お問い合わせがあった。あきらめずに準備を続けて良かったなと思った。
震災後に多大なる支援を続けて下さっている多くの方々に直接お礼を伝えることができたし、また今日から頑張っていくための活力ももらえた。
「時と人をつなぎ 今飛躍の時へ」をメインテーマに行われた今回の学術大会。
大会長の草場先生の御講演にもあったとおり、地域医療を支えるプライマリ・ケア医たちが、世代を超えて協力し合い発展していくことの大切さを再認識した。
そして、それを実現するために熱意をもって取り組んでいる仲間がたくさんいることも確信できた。特に若手のパワーには凄まじいものを感じた。
ただし、患者中心の医療の方法をはじめ、質の高いプライマリ・ケアを実践するために必要な能力について、正しい理解のもとに正しく修得できる環境を創らなければ、国民全体の健康を増進できるだけの世界標準のヘルスケアシステムは実現しない。
災い転じ、今の日本の地域医療における種々の問題に対する根本的な解決を目指すのであれば、曖昧で中途半端でその場凌ぎの対応は許されない。
震災の急性期を過ぎた今、プライマリ・ケアに携わる保健・医療職には主に災害弱者を中心とした地域包括的・継続的ケアが求められている。この役割を果たすためには多職種連携が必須である。そんな時、ややもすると「多職種連携=質の高い理想的なプライマリ・ケア」と誤認されがちである。もちろん、それは必要条件ではある。
しかしそれは、それぞれどの職種もスペシャリストとして充分に機能しているという前提の上に成り立つ。担当する医師もプライマリ・ケアの専門家であることが、質の高い理想的なプライマリ・ケアを提供できる多職種の一員として機能するために必要である。
今こそ家庭医育成に全力で取り組まなければならない。
およそ15年ぶりに訪れた北海道の旨いものたちは僕に元気と勇気と中性脂肪を補充してくれた。
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