年度初ということで、福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座の総合診療医 新人専攻医のオリエンテーションを兼ねたものでした。今回もオンライン開催となりましたが、先輩研修医や指導医も、自身のビジョンやプランについての考えをまとめられる語りの機会が設定されるというハイブリット構造で、よく工夫されたとても良い企画でした。
残念ながら、私は所用が重なり細切れ聴講となってしまいましたが、フォーラム全体を通して確認できたことは、講座のメンバー 一人ひとりが、それぞれの立場で、ウェル・ビーイングを目指し、取り組んでいるということです。しかも、新人専攻医らも、そのような既に志を抱いて、私たちの仲間入りしてくれていることも彼らの発言を通して確認できました。
ウェル・ビーイングとは、幸福で肉体的・精神的・社会的すべてにおいて満たされた状態のことですが、総合診療医として働くこと、総合診療医を育てること、地域住民に広く総合診療医を正しく理解してもらうこと、総合診療医が活躍できる仕組みをつくること、こういった取り組みすべてが地域社会のウェル・ビーイングに寄与する、それを確信している、そんな共通認識が講座のメンバーにはあるようです。
そして、それは医療を受ける側だけでなく、提供する側である総合診療医にとっても、自身のウェル・ビーイングにつながることが再認識されました。総合診療医は医師である前に、一人の人間です。自分がやりたいことに熱意をもって取り組んだ結果、それが広く社会のウェル・ビーイングにつながるなら、これほどやりがいのあり、幸福なことはないでしょう。
要するに、人の“しあわせ”にかかわることができること自体が“しあわせ”で、そんな“しあわせ”な仲間に囲まれて仕事ができることは、私にとっても とても“しあわせ”なことです。