2020年7月17日金曜日

コロナ禍を学びのチャンスに変えるには…

 私こと、実は今年度から市医師会附属いわき准看護学校の副校長に任命されました。言わずもがな、生徒さんたちにとって今年度の幕開けは、新型コロナウイルスの影響で、実習や授業の延期が相次ぎ、思い通りにならないことの連続で、そのことは、私たち教員にとっても同じでした。
 世界的に猛威をふるい続ける新型コロナウイルス。私たちは今、このコロナ禍から「何を学び、どう行動すべきでしょうか?」1学期の終業に際して生徒さんたちに贈ったメッセージの内容の一部を紹介します。



 私は以前から、そして今こそ「医療に携わる者は、医学教育を通して社会に貢献するべき」と考えています。医学教育といっても、それは必ずしも、学校や大学で行われるものだけではなく、医療従事者が、患者さんに行う指導や、一般の方々に行う啓発活動も含みます。つまり、一人ひとりが、医療のプロとして、自覚を持って正しく行動していくこと、それ自体が立派な医学教育になります。
 「教育は未来への贈り物」という言葉があります。1人の医療従事者が直接的に関わることができる社会貢献はほんの僅かですが、教育を受け、巣立った人たち、それぞれが、それぞれの持ち場で社会貢献し、更に次世代の人材を育てていけば、教育のバトンを未来へ繋いでいくことができます。
 いまの私から未来への贈り物があるとすれば、それは「ピンチをチャンスに!」という言葉です。現在、コロナ禍による不安と恐怖 が社会全体を覆っているように感じます。医療の現場でも先行きの見えないことが多く、それ故に、正論を振りかざして他者を厳しく批判したり、感情的になったり、という場面が多くみられます。不確実なことが大変多い状況にありますが、だからこそ、できるだけお互いの立場や状況を想像したり、配慮したりすることに意識を向けて欲しいのです。社会が混乱している今だからこそ経験できる、学びのチャンスが、そこら中に転がっています。患者さんのケアに携わる者にとって、こういった経験の積み重ねが、いつかかけがえのない財産になるはずです。
 夏休み期間中、生徒さんたちが医療人としての自覚を忘れずに行動し、コロナ禍を自身が成長するチャンスととらえ、来学期には人間としても、医療人としても、より成長した姿で登校されることを期待しています。