専攻医の経験事例をもとに、参加者全員で家庭医の専門性や役割について省察した。
多種の既往疾患があり、日常生活動作能力の低下のある患者で、中心となるケアの担い手が不在である方が緊急入院した際に、入院を契機にケアの窓口を一本化した事例を通して、家庭医が介入することにより、医療過誤リスクの低減、医療費・ポリファーマシーの減少、入院リスクの低減、入院となった際の必要十分な情報提供、不要な検査や入院期間の短縮などの可能性が示唆された。
また、原因はともあれ、既に経口摂取困難、意思疎通困難、寝たきり状態と、日常生活動作のほとんどに介護を要する状態である場合、個々の疾患の診断・治療に関して、どこまでの医学的介入をするべきか?
こういった場合、多くの医学的問題が複雑に絡みあい、悪性疾患の有無に関わらず、臨床的に予後が悪い、つまり終末期にさしかかっていることがほとんどである。
ご本人・ご家族のご意向を鑑みて『患者にとって最善』と思われる終末期の意思決定をサポートしつつ、家族が肉親を看取ることを受容できるように支援していくことも私たちの重要な役割である。
こういった場合、多くの医学的問題が複雑に絡みあい、悪性疾患の有無に関わらず、臨床的に予後が悪い、つまり終末期にさしかかっていることがほとんどである。
ご本人・ご家族のご意向を鑑みて『患者にとって最善』と思われる終末期の意思決定をサポートしつつ、家族が肉親を看取ることを受容できるように支援していくことも私たちの重要な役割である。